最近、中国共産党スパイ事件が頻繁に報道されています。これには行政機関のスタッフが多数関与しているだけでなく、半数以上が現役・退役軍人ということです。これについて、国家安全局(国安局)の蔡明彦・局長は9日、立法院(国会)で、党派にとらわれず、包括的かつ厳正な調査を行うほか、現行の国家安全法の不足している部分について改正を行い、中国による台湾に対する各種統一戦線工作や浸透を防いでいくと述べました。
蔡明彦・局長は9日、立法院外交および国防委員会で業務報告を行いました。報告では、アメリカのドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は就任後、「アメリカ・ファースト」の理念に基づく、内政・外交政策を推進し、各国に「相互関税」を課したと指摘。そして、中国もトランプ政権がアメリカの利益を重視していることを利用して、アメリカの同盟国との接触を強化し、一方的に38カ国にビザを免除する措置をとり、各方面に経済・貿易協力の強化を誘導するなど、「微笑攻撃」でアメリカの同盟国からの圧力を軽減しようとしていると指摘しました。
中国の対台湾政策について、国家安全局は、中国軍は海・空軍力の拡大を続け、地域の安全を脅かし、台湾海峡の軍事的威嚇力を強化している。さらには、2020年以降、台湾における共産党スパイ事件で159人が起訴され、そのうち現役および退役軍人が95人と60%を占めていると指摘しました。また、標的は将校だけでなく、士官や兵士も半数以上を占めており、中国共産党の台湾への浸透手法が多様化していることがうかがえると指摘しています。
蔡・局長は、会議前のインタビューで、国家の利益を損なう犯罪は党派を問わず徹底的に捜査するとし、「国家安全局は法務部と協力し、国家安全保障関連法の見直しについて積極的に協議しており、更なる改善と強化の余地があるかどうかを検討している。法改正によって、国家安全保障体制の強靭性を高め、中国による台湾に対する様々な統一戦線や浸透活動を阻止できることを期待している」と述べました。
現在も発生している共産党スパイ事件について、蔡・局長は、中国の浸透は留まらず、関連事件は全て捜査段階に入っており、さらにほかにも捜査中の案件があることも確認された。現時点では公表はできないが、国家安全局は関連する証拠を積極的に収集し、必要な捜査のため、検察に提出すると説明しました。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)