アメリカが相互関税を発表した後、カナダ、中国が相次いで報復措置を打ち出し、現在はEUもアメリカからの輸入品に対する第一弾の対抗措置を取る見込みだと伝えられています。外部は、アメリカが半導体受託生産で世界最大手の「台湾積体電路製造(TSMC)」にアメリカ進出を望んでいるなら、台湾には報復措置を講じる資本がないのだろうかと疑問を抱いています。学者は、中国やEUなどの巨大な国内市場を持つ国々と比較して、台湾の市場規模は小さく、対等な報復ができないとの考えを示し、交渉のテーブルにつくべきだと提案。交渉の鍵は日本、韓国、フィリピンなどと同様の関税待遇を獲得することだと述べています。
アメリカが台湾に対して32%の追加関税を課すことについて、頼清徳‧総統は報復措置を取らないと述べ、台湾とアメリカの双方が「ゼロ関税」から交渉を始めると提案しました。しかし、なぜ台湾は報復措置を講じることができないのでしょうか?
台湾のシンクタンク、中華経済研究院(中経院)の王健全‧副院長はインタビューを受けた際、中国やEUなどの巨大な国内市場を持つ国々と比較して、台湾の市場規模は小さく、対等な報復ができないと指摘。人口1億人を超えるメキシコでさえ報復に踏み切る勇気がないのに、わずか2300万人の台湾ではなおさらだと述べています。
政府がTSMCのアメリカへの投資を認めなかった場合、アメリカが譲歩する可能性があるかについて、王健全‧副院長は、台湾はIC設計、ウェハー製造、パッケージング‧テストに優れているが、上流の原材料と設備はまだ輸入に依存している。そのため、もしTSMCがアメリカに工場を設立しなければ、アメリカは他の同盟国を通じて台湾への供給を制限する可能性がある。例えば、オランダの半導体製造メーカASMLの露光装置、アプライド‧マテリアルズの設備、EDA設計ソフトウェアなどの取得に制限がかけられる恐れがあると述べています。
王健全‧副院長は「多くの化学製品や希少鉱物の分野において、アメリカは日本を通じて台湾との協力を控えるよう要求することができる。ASMLが中国への販売を制限できるのであれば、台湾への販売も制限できないだろうか?台湾の強みはIC設計、ウェハー製造、パッケージング‧テストにあるが、下流の装置はまだそれほど強くない。また、上流の原材料、つまり化学材料も強くない。そのため、TSMCがアメリカに進出しなければ、さらに悲惨な状況になる恐れがある」と話しています。
王健全‧副院長は、台湾が交渉の場に持ち出せる切り札には、アメリカの軍事装備や農産物の調達による貿易黒字の削減が含まれる。TSMCや台湾の半導体製造ファウンドリ「聯華電子(UMC)」などの企業がアメリカに投資し、完全なサプライチェーンを構築することも重要だ。さらに、台湾はアメリカの再工業化における重要なパートナーとなり、製造業の確立、雇用創出、技術提供、訓練支援を行うことができると提案しています。
また、交渉戦略としては「ゼロ関税を上限として」交渉を開始し、そこから交渉を進めていくと提案。台湾の工業製品の関税はもともと低いため、交渉の余地は十分にある。交渉の鍵は、日本、韓国、フィリピンなどと同様の関税待遇を獲得することにあると述べています。
(編集:許芳瑋/本村大資)