中国人民解放軍で台湾方面を管轄する東部戦区が1日、台湾周辺で陸海空、および戦略ミサイルを運用するロケット軍による合同演習を始めたと発表しました。軍艦と軍機を台湾に接近させ、対海・対陸攻撃や重要地域の封鎖などに重点を置くということです。中国国務院台湾事務弁公室は1日、ニュースリリースを発表し、この軍事演習は、中国を「境外の敵対勢力」と定め、17項目の対策実施を発表した台湾側に対する対抗措置だと明らかにしました。
頼清徳・総統は3月13日、中国を「境外の敵対勢力」と位置づけ、17項目の対策を打ち出しました。中国側は、それは台湾の独立と国家の分裂を画策しているとし、痛烈に批判しました。
台湾を対象とする中国人民解放軍の演習実施について、総統府の郭雅慧・報道官は1日、台湾海峡とインド太平洋地域の平和と安定を確保することは国際社会のコンセンサスであり、全世界の共通利益にもかかわっていると指摘、地域の一員としての中国は最近、台湾の周辺海域、およびニュージーランド、オーストラリア、日本、韓国、フィリピン、南シナ海などを含むインド太平洋地域の国際水域で軍事的な挑発行為を、海上のグレーゾーン地帯で嫌がらせなどを行い、地域の安全保障と安定を破壊し、一方的に地域の緊張を高め、国際秩序に公然と挑戦しているため、国際社会から「トラブルメーカー」と見なされていると、批判を展開しました。
郭・報道官は、地域の平和と安定の維持は両岸の共通の責任だとし、台湾海峡の平和と安定の確保に努める台湾の決意が変わらないと強調するとともに、中国に対してルールに基づく国際秩序に立ち返り、地域の安全、安定、繁栄、発展のために貢献するよう呼びかけています。
郭・報道官によりますと、頼清徳・総統は中国の軍事演習の報告を受けると、直ちに国家の安全保障、および国家の防衛などの関連機関に全力で対処することを指示し、関連情報を全面的に把握しているとし、外部の脅威に直面するなか、政府は今後も引き続き民主主義と自由に基づく憲政体制、国家の主権、国民の安全、社会の安定を守っていくと強調、国民に安心するようよびかけました。
台湾の内閣に相当する行政院の卓栄泰・院長(首相)は1日、中国が繰り返して台湾の周辺で軍事演習を行っているが、政府はこれまで同様に、演習が台湾、社会の内部、さらに台湾周辺を行き来する漁船と航空機の安全に影響を及ぼさないよう、国防機関を通してそれを注視していると述べました。
卓・行政院長は、すべての政府は自分の国の社会の安定と国民の生活に引き続き大きな関心を払うべきだ。外部に対して武力を誇示することは、社会が進歩している国にあってはいけないことだと批判しました。
卓・行政院長は、台湾は今後も国内の安定を図りながら、国際社会がインド太平洋地域と台湾海峡の平和と安定に目を向けるよう努力するとしています。

一方、国防部(防衛省)の顧立雄・部長(大臣)も1日に中国の軍事演習に対して談話を発表し、国軍は中国人民解放軍の空母「山東艦」(上の写真は中華民国海軍の成功級ミサイル誘導フリゲート艦の8 番艦である「田単艦」からとった「山東艦」)を含む中国軍の動向を把握しており、適切に対処しているとしながらも、中国軍の動向からも分かるように、中国はこの地域の平和と安定の「トラブルメーカー」だと批判しました。
国防部は1日にニュースリリースを発表し、敵からの脅威に対して国軍は「対立を激化させず、紛争を引き起こさない」という原則に基づいてグレーゾーン地帯における各種の嫌がらせに慎重に対応し、国家の主権と国民の安全を守っていくとしています。
外交部も1日、台湾海峡と地域の安定を一方的に破壊している中国のことを全世界と地域のトラブルメーカーだと厳しく批判するとともに、中国に対して理由のない軍事的な挑発行為を即刻停止するよう呼びかけています。
台湾で対中国大陸政策を担う、大陸委員会(略称:陸委会)の邱垂正・主任委員も1日、政府は国家の主権と安全を固く守り、台湾における自由と民主主義に基づく憲政秩序とライフスタイル、および台湾海峡の平和、安定、繁栄といった現状を維持するために努力すると決意を示すとともに、中国はトラブルメーカーだと批判しました。
(編集:王淑卿/岩口敬子/本村大資)