半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)がアメリカに対する投資を拡大する影響を受け、台湾の半導体サプライチェーンもアメリカに投資するようになっています。台湾の企業はアメリカへの進出を拡大していますが、台湾とアメリカは租税条約を結んでおらず、今後は二重課税問題が最大のネックになるとみられています。このことに対し財政部(日本の財務省に相当)の荘翠雲・部長(大臣)は20日、立法院(国会)財政委員会の答弁に立った際、「財政部はこれを機に、アメリカに対し『台湾とアメリカの二重課税回避協定(ADTA)』の早期締結を呼びかけたい」と答えました。
アメリカ上院財政委員会は2023年9月14日、台湾とアメリカの二重課税を防止する関連法案を全会一致で可決しています。同法案は、アメリカ国内の財政法案改正を通し、台湾企業の特定のアメリカ源泉所得に対する源泉徴収率を引き下げようとするものです。同法案の発効には台湾が完全に対等な相互利益を提供することが求められています。この法案の可決により、台湾とアメリカは二重課税回避協定の締結に向けてさらに一歩前進したと言えます。
法案可決から1年以上が経過し、アメリカのトランプ大統領が就任、アメリカ議会も新たなメンバーを迎え入れましたが、未だ法案の成果は出ていない状況です。
荘・財政部長は、「アメリカの新議会発足後、下院は前議会の内容を盛り込んだ台米二重課税回避協定(ADTA)の2つの法案を可決したが、まだ上院の審議を待っている段階である」と明かし、「上院でも可決された場合、アメリカ大統領の署名を得る必要があり、署名が得られれば、台湾とアメリカ両国は互恵平等の原則に基づいて正式に協定に調印することができる」と説明しました。
荘・財政部長は更に、「台米二重課税回避協定は、アメリカまたは台湾に投資する個人および企業にとって非常に重要だ。更にはアメリカ台湾商工会議所、台湾商工会議所、および関連の工業総会もそれを非常に重要視している。彼らは様々な機会を利用して、この法案の早期可決を推し進めるだろう。さらに、アメリカ両党の議員もこの法案を支持しているため、下院は今年1月15日にすぐにそれを可決し、上院も基本的に前回と同じ内容の関連法案が提出されることになった」と述べました。
一方で、賴清德・総統は18日にアメリカのアリゾナ州知事一行の表敬訪問を受けた際にも、「TSMCはアメリカへの投資額を1000億アメリカドル(約15兆円)増やすことを発表。アリゾナ州最大の都市、フェニックスに半導体の生産と研究開発施設をさらに建設し、現地を半導体タウンにする見通しだ」と指摘していました。
賴・総統はまた、「台湾とアメリカの次の目標の一つは、台湾企業がアメリカに投資する動機を提供し、ウィン・ウィンの局面を作り出すための『二重課税回避協定』を締結することだ」と述べました。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)