国防部(防衛省)は、中国軍が17日午前、台湾海峡周辺の海空域で「合同戦備パトロール」を実施したと発表しました。
中国外交部(外務省)の毛寧・報道官も同日、中国は「関連軍事行動」は、「必要かつ合法で正当な行為」であると述べ、この戦備パトロールを認める発言をしています。
また中国の国務院台湾事務弁公室はその後、「中国人民解放軍が台湾島付近で演習を実施した」ことを確認し、この演習は「頼清徳氏が台湾独立という分離主張の誤謬を絶えずあおり、台湾海峡両岸の対立を激化させたことに対する断固たる懲罰」であり、「干渉し問題を引き起こしている外部勢力に対する厳粛な警告」であり、「国家の主権を守り、台湾海峡の平和を維持するための正当かつ必要な措置」であると述べました。
頼清徳・総統は13日、国家安全保障に関するハイレベル会議を召集し、中国を「域外の敵対勢力」と位置づけ、台湾が直面する国家安全保障と統一戦線の脅威に対処するため、軍事裁判(軍法会議)制度の復活や、台湾人の中国身分証申請に対する必要な検査と管理の実施などの対策を提案していました。
なお、この中国の「合同戦備パトロール」についてアメリカ国務省は18日、中国は台湾に対し、「露骨に」厚かましくも無責任な脅威を与えながら、同時に「混乱した世界における安定した勢力」であると主張して、周囲を説得することはできない。アメリカは、中国の圧力に対応する台湾を支持すると述べました。
アメリカ国務省が中国による台湾に対する軍事行動に対する反応の中で、「露骨に」という表現を使ったことは非常に珍しく、元国務省高官のロバート・ワン(Robert Wang)氏は18日、台湾の国家通信社である中央通信社の取材に対し、「私にとっては、これはより強い言葉のように聞こえる」述べたほか、アメリカのホフストラ大学の法学教授、ジュリアン・クー(Julian Ku)氏も「露骨」という言葉の使用について、「興味深い」、「異例な」と言う言葉を使って表現しました。
なお、アメリカ国務省は2022年にナンシー・ペロシ前下院議長が台湾を訪問した後、中国が台湾に対して軍事演習を行った際には、正当な理由もなく大規模な軍事演習を行ったとして北京当局を非難。その後の軍事演習では、アメリカの反応は主に「深い懸念」の範囲を出ませんでした。
そして、昨年10月に頼清徳・総統が就任後初となる双十国慶節の演説を行った後、中国が「連合利剣-2024B」軍事演習を実施した際、アメリカは「深刻な懸念」と表明しました。
クー教授は、FBI長官が中国のスパイ活動について表す際にこのように表現していたことを覚えているとし、全体的に見て国務省は中国や台湾に関する問題の発言においてバイデン政権よりも穏健な姿勢を示している兆候は見られない。むしろ場合によっては台湾に対してさらに強い支持の姿勢を表しており、今回はその一例だと述べました。
また、アメリカの対台湾窓口機関である、アメリカ在台協会(AIT)の元理事長であるリチャード・ブッシュ(Richard Bush)氏は、現政権の文言は、過去の用語を参考にしていない可能性があると指摘しました。
中国の台湾に対する軍事演習は、2024年末以降、注目を集める宣言から、「宣言なしの実施」へと移行しています。今年2月26日には、台湾南部・高雄と屏東の沖合およそ40海里の海域に無警告で演習エリアを設け、射撃訓練を実施すると発表しており、台湾の国防部は、これは国際慣例に違反するものであると非難しています。
なお、国防部の最新の業務報告では、中国軍は毎月3、4回の頻度で海空軍の艦船と航空機によるいわゆる「合同戦備パトロール」や各種の軍事的挑発活動を行っていると指摘しています。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)