半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は先ごろ、アメリカでの投資金額を少なくとも1,000億米ドル(日本円約15兆円)追加することを明らかにしました。
こうした中、頼清徳・総統は6日、TSMCの魏哲家(C. C. Wei)・董事長(会長)兼CEOと共同記者会見を行い、いかにして台湾の半導体の競争力を保つのか、政治的圧力及び台湾における投資計画が影響うけるのか否かなど、重要な問題に関して説明を行い、TSMCのコア技術は守られると強調、アメリカ側からの圧力はなかったと説明しました。しかし、野党は、アメリカは台湾製半導体へ100%の関税を課す考えや、チップ戦争といった手段を持ち出しており、これが圧力でないというのかと、懐疑的な見方を示しています。
これに対し、行政院(内閣)の卓栄泰・院長(首相)は7日、メディアに対し、「魏哲家・董事長はTSMCの今後の台湾における生産計画に変更はなく、かつ生産は引き続き増加していくとすでに説明している。そして、TSMCの国内の多くの自治体における規定及び新規の計画はいずれも推し進められている」と指摘、半導体は台湾にとっても最も重要な産業であり、当然台湾が最も重要な生産基地となり、研究、開発の中心で中核となると強調、国民が公共政策について一致団結さえすれば、台湾は今後も、コア技術において世界をリードし続けることができるはずだ、と訴えました。
卓・行政院長はそして、「我々の社会は投資、生産、製造に適し、安定的な労使関係があり、余裕をもった供給が可能なエネルギー政策をもっている。今後も長きに渡り、台湾は引き続き、コア技術において世界をリードしていけるだろう。基幹産業のサプライチェーンにおいて重要な地位の確保は、我々にとって実現可能なことであり、かつ実現させなければならないことだ」と述べました。
一方、経済部の郭智輝・部長は7日午前、立法院(国会)でメディアから、TSMCによるアメリカでの研究開発センター設立は、アメリカ側からの圧力によるものかと問われ、「研究開発センターは主に製造プロセスの最適化を行う、いわば歩留まり向上の技術の研究開発であり、推測されているようなコア技術の流出といった問題はない」と説明しました。そして、コア技術の研究、開発には長期間に渡って築き上げられた経験とチームワークが必要であり、短期間で複製できるものではないと強調、「台湾はなお、世界の半導体市場において高い競争力を持ち続けることができる」と述べました。
なお、アメリカの連邦議会議員が台湾の立法院が国防予算を削減した事に対し、危険であると指摘、しかし、海外メディアは、アメリカのトランプ大統領は武器の売却は貿易であって安全保障ではないと考えており、台湾は武器購入を迫られることになるだろうと分析しています。この点について、卓栄泰・行政院長は、「自分の国は自ら救う。台湾海峡及びインド太平洋情勢に関心をもってくれる全ての海外の友人たちが、引き続き台湾の将来の進展を注視し、実際にサポートをしてくれることに感謝したい」と述べました。
(編集:駒田英/中野理絵/本村大資)