半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の米国預託証券(ADR)は下落が止まり反発。現地時間の4日、前日比4%以上上昇し、180米ドル(日本円およそ2万6900円)で取引を終えました。TSMCの時価総額は9335億米ドル(およそ139兆6500億円)まで上昇し、テスラを上回り、世界第9位となりました。
アメリカは、カナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対し、次々と新たな関税を課していて、インフレ上昇と景気衰退への懸念を深めており、4日のアメリカ株式市場は下落しました。
イギリスに本部を置く大手通信社のロイター通信は、テスラのロビン・デンホルム(Robyn Denholm)会長がテスラ株の売却を続けていると報じ、テスラ株は4%以上下落したと報じました。
TSMCはアメリカに1000億米ドル(およそ14兆9600億円)の追加投資し、アメリカでの投資金額は1650億米ドル(およそ24兆6800億円)に増加すると発表しました。拡大した投資は、3つのウエハー工場と、2つの先進的なパッケージングおよびテスティング(封入・測定)工場、そして研究開発センターの建設に充てるということです。
TSMCのアメリカへの投資の大幅な拡大は、激しい議論を巻き起こし、市場では賛否が分かれています。以前噂された、ライバルであるインテルの救済策よりもアメリカへの投資増加の結果は比較的有利であるという人もいれば、TSMCの粗利益率や収益性への今後の影響を懸念する人もいます。
これについて、経済部は4日、政府とTSMCは長きに渡り良好な協力関係を維持している。TSMCの海外投資は、長期的な競争力を考慮したうえで、世界の顧客のニーズに応えるもので、世界の半導体産業における台湾の核心的地位に影響はないだけでなく、世界的な影響力を強化し、さらに世界のサプライチェーンにおける台湾の主導的地位を強固にするものであると語りました。
経済部産業発展署は4日夜、台湾の半導体産業は常に国内のハイテク産業と経済成長の重要なエンジンとなってきた。TSMCは世界で投資を行っているのと同時に、2ナノ、1.4ナノ、さらにそれ以下のナノメートルプロセスにおける技術革新や生産能力の引き上げなど、台湾でのハイエンド製造計画も推進し続けていると説明。TSMCは、台湾グローバル研究開発センターが2023年に開所しただけでなく、中部科学園区、南部科学園区でもウエハー工場の拡張を続け、世界市場のニーズを満たすのと同時に、台湾が世界の半導体イノベーションの核心であり続けるため、現地のサプライチェーンの連携を強化していると指摘しました。
また、産業競争力の引き上げへの発展戦略について、政府は常に支持してきたと強調。台湾の先進産業がどのようにして世界で展開しようとも、台湾に根差し、台湾を発展させ続けていくことは、国と業界の共通の立場であり、「この立場は決して揺るぎはしない」と述べました。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)