アメリカでは、半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)とアメリカの大手半導体メーカー、インテル社が合弁事業を推進する可能性があると噂されています。
その方法として、TSMCのノウハウを適用して、ファウンドリーを実現。そのファウンドリーはTSMCとインテルが共同所有する新たな事業体にスピンオフされ、それをTSMCが運営する可能性があるということです。
業界アナリストの陳子昂氏は13日、「インテル社は現在業績が不調で、アメリカからは『負の資産』と呼ばれている。そのため、アメリカ側が生み出した今回の考えは少額の資金でインテル社の既存の工場や設備の活性化に繋がり、インテル社を救うことができると同時に、アメリカのウエハー製造業を促進しサプライチェーンを拡大することができ、非常に良い方法である。一方、TSMCに関していえば、上位10社の取引先はアメリカに集中しているものの、アメリカの事業環境は日本ほど恵まれておらず、アメリカへの投資を継続的に拡大しようとすれば、投資家による懐疑的な見方は避けられない。 しかし、合弁事業という形でアメリカに進出することで、TSMCは既存の工場や設備を利用しながらアメリカからの要求を満たすことができ、アメリカ市場を掌握できる。これにより収益を増やし、アメリカでの影響力を拡大することができる」と分析しました。
陳氏はその一方で、「将来アメリカの政策や世論の要求が変わり、合弁事業に変化が生じた場合、TSMCは企業機密漏洩のリスクに直面する可能性がある」と警鐘を鳴らしています。陳氏はこのことについて、「両社の協力が破局し、TSMCが離脱することになると以下のような問題が起こりうると考えられる。それは、TSMCがすでに量産可能なレベルまで設備を調整していた場合、設備やデータを含めた専門技術が全てインテル社の工場に残され、それらのTSMCの重要なノウハウが漏洩する懸念だ」と述べています。
また、もう一人の産業アナリストである林偉智氏は、「インテル社は依然として先進的なプロセス技術を手にしている。コストと歩留まりはTSMCに及ばないものの、それでもアメリカにおけるハイレベルのウエハー製造業社であり、象徴的な意義がある。そのため、アメリカはインテル社の失敗を見ていられないだろう。インテルの高度なプロセスのファウンドリーは、今後3年間でハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の顧客を得ることができれば、インテル社は今後も存続のチャンスがあるだろう。アメリカは必ずインテルを助けるだろう。この1年間、アメリカはインテル社を救う解決策を見出そうとしてきた。そのため、今回の合資会社の設立はただの噂ではないと思う。しかし、実現できるかどうかはまだ観察が必要だ。ただ、ビジネスロジックの観点からみると、もし顧客がこの合弁会社に発注させようとすれば、なぜ現在、インテル社に直接発注するよう要求しないかが不明だ。このようなビジネスロジックの矛盾を解決することが先決であり、今回の合併事業に関する噂が実現できるかどうかはまだ不透明である」との見解を示しました。
TSMCは、第1四半期の取締役会で7つの主要決議を決定しましたが、どれもアメリカへの投資拡大やアメリカのトランプ大統領の関税政策には触れていません。そのため、トランプ大統領はTSMCに対し、アメリカでの先端製造プロセスへの投資拡大、さらには先端半導体パッケージングへの投資を求める可能性があるとの見方がされています。
しかし、ある海外メディアは、国際金融サービスプロバイダーのベアード(Baird)が発表した報告書に書かれた内容を引用して報じたところによりますと、アメリカ側は、インテル社とTSMCの合弁事業計画を現在推進しており、インテル社のウエハー製造工場を分割した上で、TSMCが、2nm、3nmの専門知識を提供すると同時に合弁企業の運営を担当する、また、合弁企業はアメリカからの補助金を受ける可能性があるということです。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)