台湾を中心に信仰活動を行う宗教、一貫道の信者3名が中国で逮捕されたことを受け、すでに中国に拘束されている台湾の出版社「八旗文化」の富察‧編集長(本名‧李延賀)の状況も再び注目を集めています。台湾北部‧台北市と中国‧上海市の交流を目的に毎年行われている「台北‧上海都市フォーラム」が17日に開催されるのを前に、「聲援富察連署工作小組(富察氏支援署名活動ワーキンググループ)」は16日、蒋万安‧台北市長に公開書簡を渡し、上海市に対して富察氏への懸念を表明し、公開かつ公正で公平な審理を行うよう要求することを求めました。
台湾の一貫道信者が中国で逮捕された後、現在まで消息が途絶えています。台湾の対中国大陸窓口機関である、財団法人海峡交流基金会(略称:海基会)の羅文嘉‧秘書長は、蒋万安‧台北市長が「台北‧上海都市フォーラム」期間中に中国側に懸念を表明するよう呼びかけました。これに対し台北市は、「台北‧上海都市フォーラム」は市政交流のプラットフォームであり、海峡交流基金会が中国側との対話に努めるべきだと回答しています。これに対し羅文嘉‧秘書長は、富察氏が上海で逮捕されてから約2年が経過しており、「台北市民が上海市で逮捕されることは、両都市間の問題とは言えないのか」と反論しました。
また、「富察氏支援署名活動ワーキンググループ」は16日、蒋‧市長に宛てた公開書簡を発表し、上海市に対して懸念を表明するよう求めました。公開書簡の全文は以下の通りです:
敬愛なる蒋‧市長へ、
台北市民の富察(李延賀)氏が上海で失踪してから、すでに21ヶ月が経過しました。蒋‧市長のご配慮に感謝します。昨年の「台北‧上海都市フォーラム」では、台北市の王秋冬‧副秘書長が上海市にこの件について関心を示しました。また、蔡詩萍‧文化局長も仲介の努力を重ねてきました。しかし残念ながら、21ヶ月が経過した今も、事件の進展は全く見られない状況です。
「台北・上海都市フォーラム」について、蒋‧市長は両岸交流が「対等、尊厳、善意、互恵」の原則に基づくべきだと何度も強調してきました。しかし、富察氏の逮捕、無期限の拘束、不起訴、不審判、そして釈放もせず、拘束場所も公表しないといった一連の行為は、蒋‧市長の言う四つの原則に全く合致していません。対等でもなく、尊厳もなく、善意に欠け、互恵的でもありません。
私たちは蒋‧市長が掲げられた精神に基づき、明日17日に始まる「台北・上海都市フォーラム」において、台湾における富察氏の多くの友人、同僚、ファン、そして家族の懸念を携え、中国側に対して速やかに富察氏への公開、公正、公平な審理を要求されることを期待します。そして、富察氏のあらゆる基本的人権が守られることを求めていただくことを望んでいます。
蒋‧市長が台北市長として、「台北・上海都市フォーラム」の場で上海側に私たちの懸念を伝え、台北を愛し、また台北からも愛されている富察氏を、一日も早く私たちのもとへ戻すことを期待しています。
富察氏支援署名活動ワーキンググループ
2024.12.16
富察氏は2023年3月末に中国で失踪し、その後、中国で台湾政策を担当する中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)は、富察氏が「国家安全を脅かした」容疑で中国の国家安全保障部門による調査を受けていることを明らかにしています。
(編集:許芳瑋/本村大資)