王金平‧元立法院長(国会議長)が台湾海峡両岸について論述を示し、両岸の統治権は互いに隷属せず、主権は共有するが分割されていないと主張しました。これに対し、外交部(外務省)の林佳龍‧部長(大臣)は9日、台湾は主権独立した民主主義国家であり、主権と統治権を区別することは用語の論争に陥りやすく、最も重要なのは選挙で選ばれた政府が国民の人権と財産権を保障することだと述べました。
王金平‧元立法院長が新たな台湾海峡両岸関係の論述と平和宣言の提案を発表し、両岸の統治権は互いに隷属せず、主権は共有するが分割されていないと主張。両岸それぞれの統治の事実を尊重しつつ、両岸の人々が共に中華民族の福祉を追求する機会は放棄しない。現実を受け入れながらも歴史的感情を否定せず、それぞれが統治しながらも分立はしないという姿勢が、現段階における両岸の対立解消、膠着状態の打開、平和創出の機会のために最も現実的な方法であるとしています。
これに対し、林佳龍‧外交部長は9日、立法院(国会)での取材に応じた際、台湾は主権独立した民主主義国家であり、主権と統治権を区別することは用語の混乱と議論を招くと述べ、頼清徳‧総統が言及した通り、両岸関係は四つの堅持と平和の四大支柱アクションプランに基づいており、台湾の立場は極めて明確だと強調しました。
林佳龍‧外交部長は、「主権であれ統治権であれ、最も重要なのは民主主義国家として、選挙で選ばれた政府が国民の人権と財産権を保障できることだ。主権と統治権を区別することは用語の論争に陥りやすい。我々が最も重視するのは、台湾が主権在民の国家であり、選挙で選ばれた政府による統治を通じて国際社会との交流を行っているということだ」と話しています。
台湾のインフルエンサー、八炯が先日、「中国統一戦線工作記録映像」を公開し、中国が台湾のインフルエンサーを買収する手法を暴露したことで、中国の統一戦線工作がインフルエンサーに及んでいることへの議論が起きています。これについて、林‧外交部長は、中国による世論や情報操作は国際的な懸念事項となっており、各国が台湾の対応に注目していると指摘。中国が台湾のインフルエンサーやソーシャルメディアのオピニオンリーダーを育成する手法を取っていることから、政府はメディアリテラシー教育など、様々な対策を講じる必要があると述べました。
林‧外交部長はまた、台湾は国際社会と対応経験を共有し、中国による情報操作に共同で対処している。最近のルーマニアの選挙でも同様の状況があったと指摘。台湾は民主的で開かれた社会として言論の自由を保障しているが、情報操作により民主主義の機能が損なわれることを防ぐ必要があるとしています。
一方、与党・民進党中国部の呉峻鋕‧主任は9日、王金平氏の発言の意図を引き続き注視する上で、民進党の両岸関係に対する立場と善意は変わっていないと改めて強調。両岸交流については、「自由で民主的な憲政体制を永遠に堅持すること」、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属していないこと」、「主権への侵犯と併呑を許さないこと」、「中華民国台湾の前途は、台湾人民全体の意志を尊重しなければならない」という、台湾人民の四つの共通認識に基づいて進められるべきだとの見解を示しました。
(編集:許芳瑋/本村大資)