アメリカ大統領選で勝利を収めた共和党のトランプ次期大統領が発表した国家安全保障担当の人事に関して、台湾の国家安全局(略称:国安局)の蔡明彦・局長は14日、立法院外交及び国防委員会にて、「現在のところ、トランプ政権は将来、『アメリカ・ファースト(米国第一主義)』と『中国封じ込め』を今後の2大政策の軸に据えるとみている。台湾とアメリカの関係については、台湾は自国の国家的・戦略的利益に基づきアメリカと協力し、国際社会に対し、台湾はただ便乗し、座って利益を享受したいだけの国ではないことを理解してもらう」と述べました。
蔡・国家安全局長は14日、立法院外交及び国防委員会にて、2025年度の国家安全局の予算に関する報告を行い、立法委員らの質疑に答えました。蔡・局長によりますと、2025年度の国家安全局の歳出予算には、行政管理、情報教育訓練、情報の構築と設備などといった3項目のサブプログラムに合計10億8000万台湾元(日本円でおよそ51億7000万円)余りが編成されました。
トランプ次期大統領が発表した国家安全保障担当の人事が台湾とアメリカの関係に影響を及ぼすかどうかについて、メディアのインタビューに答えた蔡・国家安全局長は、「現在のところ、トランプ政権は『アメリカ・ファースト(米国第一主義)』と『中国封じ込め』を今後の2大政策の軸に据えるとみている。アメリカが地政学、経済と貿易の切り離し、サプライチェーンの安全保障、輸出規制などを含む包括的な戦略的政策を打ち出す可能性を排除しない。私たちは、関連する政策の動きと影響を注視していく」と述べました。
一方、台湾とアメリカの関係について蔡・国家安全局長は、「台湾の国家的・戦略的利益に基づき、アメリカとの協力を推進していく」と述べ、「台湾はただ便乗したいだけの国ではない」と強調。その上で、蔡・国家安全局長は、「我々は双方での共同の利益を最大化し、台湾が経済、貿易、安全保障問題において国際社会にとって欠かせない強力なパートナーであり、単に便乗し利益を享受したいだけの国ではないことを国際社会に認識させたい」と述べました。
蔡・国家安全局長はまた、「台湾は歴代のアメリカ政権と非常に緊密に協力し、良い協力関係を築いてきた。 現在、アメリカ政府は移行期にある。バイデン政権の過去4年間の支持と協力に感謝するとともに、今後4年間のトランプ政権との協力に前向きな姿勢で臨んでいく」と指摘。
一方、今月16日に南米・チリで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、アメリカのジョー・バイデン大統領と中国の習近平・国家主席が2国間協議を行うことについて、アメリカの政府高官は、「バイデン大統領は台湾海峡の平和の重要性を強調し、中国の軍事演習が現状を破壊していることに懸念を表明する」と発表しました。
このことについて蔡・国家安全局長は、「国家安全局は中国人民解放軍の台湾海峡、東シナ海と南シナ海周辺での2023年と2024年の活動状況を比較し、分析した。中国の軍機や軍艦が他国の領海や領空に頻繁に侵入していることが分かる。これも、なぜバイデン大統領が台湾海峡情勢を含む地域の安全保障に大きな懸念を示したかの原因である」と述べました。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)