台風18号「クラトーン」がゆっくりとした速度で近づいてきている。予測では、強い勢力を保ったまま台湾南部に上陸するとみられている。
そして、気象署のフェイスブックページにアップされている今回の台風18号「クラトーン」の進路予測が1977年に37人の命を奪った台風4号「セルマ」の進路と酷似していることが、不安を呼んでいる。
もし今回の台風がその台風「セルマ」のように西から上陸した場合、中央山脈による障壁がない状況のまま台湾南部の高雄や屏東エリアに上陸すると、またあの時の悪夢が起こってしまうのではないかと、地元の人々は心配している。
1977年の夏は穏やかではなく、台風4号「セルマ」は車を吹き飛ばしただけでなく、台湾南部全体を滅茶苦茶にし、港の傍の鉄塔もなぎ倒され、大型船の入港を阻んだ。
この時、台風「セルマ」は迷走し、バシー海峡で突然とどまったかと思うと、今度は北へと向かい、不意を突いて西側から台湾南部に上陸。南部・高雄では最大風速56メートルの強烈な風が吹き、台湾全土で37人が死亡、298人が負傷。当時、戦後最大の大きな被害をもたらした。
台風「セルマ」と今回の台風18号「クラトーン」の予想進路がとても似ていることから、高雄市民は当時の暴風雨の恐怖を思い出している。
中央山脈の障壁もなく、西から強い台風が威力を保ったまま南部に上陸した場合、過去の台風「セルマ」のような被害がまた起こるのではないかという不安が拭えない。
台風18号「クラトーン」がそのルートをたどることなく、台湾南部を通り過ぎてくれることを願っている。
(編集:中野理絵/本村大資)