中国の政治指導者である習近平氏が中華人民共和国の建国75周年演説の中で台湾に対する主張に触れたことについて、台湾の対中国大陸政策を担う大陸委員会(略称:陸委会)は1日に談話を発表、中共はいわゆる「一つの中国原則」、「92年コンセンサス」を台湾海峡両岸の交流の政治的な前提とすることは、中華民国の生存空間を抹消することだ。このような主張は以前から台湾の民意の主流に拒否されているとし、対岸に対して両岸の現実と台湾の民意の主流を正視し、実務的な態度で意思疎通と対話を行い、意見の相違を解消するよう呼びかけています。
習近平氏は、演説の中で、台湾は中国の神聖な領土だとし、「一つの中国原則」と、「92年コンセンサス」への堅持、「台湾独立への反対」を重ねて強調するとともに、台湾海峡をはさむ台湾と中国の経済、文化交流と協力関係を強化し、両岸の人々の心の触れ合いを促したいと述べました。
これについて大陸委員会は、中華民国は主権独立国家だ。台湾は一度たりとも中華人民共和国の一部分になったことはない。これは客観的な事実であり、台湾海峡の現状でもあると重ねて強調しました。
大陸委員会の梁文傑・副主任委員はこのほど関連問題に関する質問に答えた際、「一つの中国原則」は中国の「三段論」に過ぎないと指摘しました。
梁・副主任委員は、北京側が国際社会でいわゆる「一つの中国原則」について説明するとき、常に「三段論」を主張している。つまり、世界には中国が一つしかない。中華人民共和国は中国の唯一の合法政府。台湾は中国の一部分だという。そのため、この「一つの中国原則」には、中華民国の生存空間はないと述べました。
大陸委員会は、頼清徳・総統は就任演説の中で、蔡英文・前総統の「四つの堅持」の継続を表明するとともに、高ぶらずへつらわずに現状を維持し、台湾海峡の平和、互恵とウィンウィン、共存共栄を共通目標にすることを明らかにし、北京当局に対して両岸が互いに隷属していない事実を正視し、理性的な態度で台湾の主流的な民意に向き合い、直接選挙で選出された台湾の現政権と対話を行い、善意の積み重ねを通じて前向きな循環を促し、両岸関係の健全な発展のために有利な条件作りに取り組むよう呼びかけました。
「四つの堅持」とは、自由で民主的な憲政体制を堅持、台湾と中国が互いに隷属していないことを堅持、主権の侵犯と併呑は許さないことを堅持、台湾の前途は全ての台湾人の意思に従うことを堅持の4つを指します。
(編集:王淑卿/岩口敬子/本村大資)