最近、中国の住民が小型ボートで台湾沿岸に侵入し、密かに上陸しようとするケースが多発しています。 このことに対し、国防部(防衛省)の顧立雄・部長(大臣)は、「これは認知戦と結びついた一種のグレーゾーン戦略である可能性は否定できない」とし、「中華民国国軍を更に強化し、不足部分を見直し、海巡署と協力して対処すべきだ」と述べました。
また、中国からの嫌がらせについて、顧・国防部長は、「台湾海峡の平和という現状を意図的に破壊しているのが中国であることを世界に知らしめ、また、中国の台湾に対する挑発行為を作戦の想定に組み込み、それに対処するための演習を行う必要がある。なぜなら、衝突が起きれば、対応できる時間は以前想定していたほど長くない可能性があるからだ」と強調しました。
最近、 中国の男性が小型ボートを操縦して北部・淡水河や林口海岸などに侵入しましたが、沿岸のパトロールを担当する海巡署はそれを即座に把握することができず、外部からは国家安全保障に抜け穴があったのではないかと疑問視されていました。これに対し、顧・国防部長は18日、メディアとの茶話会で、「関連の件は司法調査に入ったが、全体からみれば、、中国によるグレーゾーン戦略、あるいは認知戦の可能性は否定できない」と答えています。
また、「中華民国国軍のレーダーが今回のような単一、かつ小型船を探知するのは非常に難しい。 今後、海巡署は、海上防衛や国境防衛の探知能力のための装備を増やしていく。国軍は海巡署との地域共同防衛メカニズムを確立する。今回の事件から、中国によるスパイ活動や実験を目的としたグレーゾーン戦略であった可能性も否定できない」と述べました。
さらに顧・国防部長は、「認知戦、それから一種のグレーゾーン戦略である可能性も否定できない。各分野の足りないところをさらに検討、強化してから対策をとるべきだ。海巡署とは支援協定を結んでいるため、不測の事態に対応できるよう、全力を尽くしていく」と述べました。
一方で、アメリカ大統領選挙が目前に迫っており、選挙結果が台湾海峡情勢に与える影響が懸念されています。これについて、顧・国防部長は、「中国は公式、または非公式な方法を使って、台湾への侵攻及び外国軍への対抗能力を検証している。このような傾向は、アメリカ大統領選の結果により変わることはない」と強調しました。
また、「エスカレートしている中国のグレーゾーン戦略や軍事演習の規模なども中華民国国軍の各種作戦コンセプトに組み込み、さまざまな訓練でシミュレーションしている。『訓練から演習へ、演習から戦争へ』という可能性に対処できるかどうかを検証するために、私たちはさまざまな演習を行っている。そして、中国の軍事演習の状況、あるいは嫌がらせの状況も利用して、さまざまな想定を展開していく。対応できる時間はこれまでの想像より長くないかもしれないため、起こりうる状況の悪化に素早く対応しなければならない」と述べました。
なお、中国が今年5月、「聯合利剣2024A」と称する軍事演習を台湾周辺で実施していました。年末には「2024B」があるのかどうかという質問に対し、顧・国防部長は、「中国の毎年の演習には独自のサイクルがあるが、関連する訓練が「2024B」であるかどうかは中国側が定義することであり、中華民国国軍はその情勢の進展を引き続き注視していく」と述べています。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)