ドイツの週刊誌「デア・シュピーゲル (Der Spiegel)」 は7日、ドイツの軍艦2隻が9月中旬に台湾海峡を通過する予定であり、ドイツの海軍艦艇が通過するのは20年以上ぶりとなると報じました。
この件について、台湾の専門家は、最近、アメリカやカナダなどの国々が相次いで軍艦を台湾海峡に派遣していることから、アメリカを筆頭とする欧米諸国がインド太平洋戦略の展開を重視し始めていることが明らかになっている。同時に、これらの自由航行任務は、中国が海峡の管轄権を主張する法的攻勢に反論する意味も持っていると分析しています。
今年5月、ドイツはF125型バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート艦(艦番号F222)と702型ベルリン級補給艦フランクフルト・アム・マイン(艦番号A1412)をインド太平洋地域に派遣しました。現在、これらの艦船はフランス、インドネシア、日本、シンガポール、フィリピン、アメリカなどの国々の部隊と共に地域演習に参加しています。
元海軍艦長で、国防部(防衛省)のシンクタンク「国防安全研究院」国防戦略及び資源研究所の江炘杓・研究補助員は、ドイツは2022年に、インド太平洋地域で海軍と空軍の展開を行うと表明した。これは、世界の海洋の自由と安全を確保することへのドイツのコミットメントを示すものだとしています。
また、習近平政権下の中国は、インド太平洋地域でより攻撃的な姿勢を見せており、南シナ海と台湾海峡は最も争議の的となっている海域となっている。今回のドイツ軍艦の台湾海峡通過の目的は、この地域における自由航行の権利を世界各国が主張することにあると考えられると説明しています。
江炘杓・研究補助員は「実際のところ、どの国の船舶も台湾海峡を通過することができる。なぜなら、この地域は中国沿岸と台湾沿岸の24海里(カイリ)より外の公海だからだ。『台湾海峡は内海だ』という問題は存在していない。ドイツ軍艦が意図的に台湾海峡を通過して折り返すのであれば、それはアメリカやカナダなどの西側諸国と足並みを揃え、『航行の自由』や『公海における航行の自由』の権利を強調するためだけのものだろう」と話しています。
「国防安全研究院」中国共産党政軍・作戦概念研究所の許智翔・研究補助員は、ドイツが今回派遣したバーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート艦は、主にテロ対策や海外での平和維持任務を目的としている。この艦船は大西洋からアメリカを経由して太平洋に入り、環太平洋合同演習(RIMPAC/リムパック)に参加しただけでなく、最近では北朝鮮に対する禁輸監視任務にも参加した。これらの活動から、ドイツがより広範囲で、内容や規模がより複雑なインド太平洋地域への関与を徐々に進めていることが観察できる。これは、地域の同盟国のためにドイツの旗を掲げることができるよう確保するためだと説明しています。
ドイツ軍艦の台湾海峡通過について、許智翔・研究補助員は、欧米諸国が相次いで自由航行任務を行っているのは、実際には中国の「法律戦」攻勢に対する対抗措置でもあるとしています。
許智翔・研究補助員は、「我々は、中国が絶え間なく台湾の主権を抹消しようとしていることに注目している。台湾海峡の中間線を無視したり、台湾海峡における管轄権を主張したり、南シナ海で人工島を建設したり、南シナ海を囲い込むような境界の九段線を強調したりするなど、様々な形で行われている。これらの行為は実際のところ、周辺諸国の主権を否定するものだ。このような状況下で、外部の国々、特にアメリカや欧州などの西側諸国が行う自由航行作戦は、このような法律戦に対抗する上で非常に重要な行動となる。なぜなら、これらの行動は、他の国々がこの地域を国際水域とみなし、中国の管轄下にはないと考えていることを示すからだ」と話しています。
また、西側の多くの国々がすでに「自由航行」任務に参加し始めている。今回のドイツ政府の態度を観察すると、外務省や連邦国防省などの部門が軍艦の台湾海峡通過を支持していることがわかる。ドイツ連邦首相府は依然として曖昧な態度を維持しているが、現在の全体的な情勢から見ると、将来的にドイツ軍艦が台湾海峡を通過する可能性は非常に高いと言えるだろうと強調しました。
(編集:許芳瑋/中野理絵)