台湾北部‧台北市内の複合商業施設「京華城」の再開発を巡る汚職疑惑で逮捕された前台北市長で、台湾の第2野党、台湾民衆党のトップ、柯文哲‧主席について、台北地方法院(台北地方裁判所)は9月2日未明、保釈金なしでの釈放を決定しました。台北地方検察署は、検察官が現在、台北地方法院の決定に対する抗告理由を検討中であり、速やかに抗告を提出する予定だと発表しました。
台北地方検察署は8月30日に捜索と事情聴取を行い、検察官は汚職防止法違反の職務に関連した収賄および不正利益供与などの容疑で、柯文哲氏と彭振声‧前台北市副市長の2人の勾留と接見禁止を請求しました。台北地方法院は9月2日午前3時、柯文哲氏については保釈金なしでの釈放を、彭振声氏については勾留と接見禁止を決定しました。
柯文哲氏の容疑について、台北地方法院は、本件の争点は、2021年9月9日の都市計画委員会第783回会議の決議において、20%の容積率ボーナスが追加され、総容積率が560%から672%に引き上げられたこと、および、この決議に基づく台北市の公告による都市計画の20%容積率ボーナスの承認、台北市都市発展局による建築許可証の発行が、客観的に合法であったかどうか、また、柯文哲氏が主観的に違法性を認識しながらも指示を行ったかどうか、という点にあると指摘しました。
台北地方法院は、柯文哲氏が都市計画委員会の会議に参加する人員ではなく、直接会議の状況を知ることができず、自身も関連する専門知識を持っていない。したがって、柯文哲氏が形式上専門性を有し、多数決で決定される都市計画委員会の決議、および関連する専門知識を持つ彭振声氏の意見を信頼したという主張は、根拠がないわけではないとしています。
台北地方法院は、現在の証拠資料および検察官が提出した証拠に基づくと、まだ「犯罪の高度な可能性」のレベルに達していない。したがって、彭振声氏、野党・国民党の応曉薇‧台北市議員らが都市計画委員会を主導して違法な決議を形成した行為について、柯文哲氏がそれを知っていたか、または指示を出したと認定するのは難しい。また、柯文哲氏が主観的に20%の容積ボーナスが違法であることを明確に知っていたと認定することも困難であると説明しています。
すべての状況を考慮した結果、検察官が勾留要件の「重大な犯罪の疑い」の部分について、十分な説明ができていないと判断。そのため、柯文哲氏を保釈金なしで釈放する裁定を下した。この事案については抗告が可能だとしています。
(編集:許芳瑋/中野理絵)