今日、8月30日は「国際行方不明者デー」です。アムネスティ・インターナショナル台湾は30日、記者会見を開き、中国当局に拘束されたとみられる台湾の出版社「八旗文化」の富察・編集長(本名・李延賀)へのエールを送ると共に、このおよそ10年の間に、857名もの台湾人が中国で強制失踪、あるいは逮捕されているとして、中国はただちに全ての台湾人を釈放するよう呼びかけました。そして、政府職員や議員に対し、より積極的に動くよう求めました。
アムネスティ・インターナショナル台湾の邱伊翎・秘書長は、中華民国政府が与党・民進党の洪申翰・立法委員に提供した統計によれば、この10年近くで857名の台湾人が強制失踪あるいは逮捕されているとして、このうち、2022年の楊智淵氏、2023年の富察氏の2人はなお釈放されておらず、彼らがどこで拘束されているかについては不明だと指摘しました。
富察・編集長を支援する署名活動を行っている団体の王家軒・代表は、富察氏が失踪した際、台北市が、台湾の市民の声を、中国の上海市に届けてくれたことについて感謝した上で、その後、500日あまり富察・編集長は全く音沙汰がないといい、まもなく開催される台北・上海都市フォーラムの機会に、蒋万安・台北市長には「対等」、「尊厳」、「善意」、「互恵」の原則をもって、中国側に向け、富察・編集長に対する審理を、オープンで、公正で、公平な形で行い、基本的人権を保障してもらうよう要求してほしい、と希望しました。
また、与党・民進党の沈伯洋・立法委員は、なお中国と交流を行っている全ての議員あるいは政府職員は、台湾人が中国で強制失踪あるいは逮捕されている状況について、関心を示すべきだと呼びかけました。
なお、記者会見では、日本のメディアの記者が「仮に日本人が中国で拘束された場合、中国に駐在する外交官や領事官が定期的に拘束された国民を訪ね、健康状態を確認するが、台湾人が中国で拘束された場合はどうなるのか」と尋ねました。これに対し、アムネスティ・インターナショナル台湾の邱・秘書長は、「台湾は中国に大使館がない。これもまた、台湾人が中国で強制失踪した際に、他国民よりもより大きな危機に直面する恐れがある理由だ」と説明しました。
また、台湾人権促進会の施逸翔・シニア研究員は、政府は引き続き、中国における台湾人の失踪件数を公開すると共に、研究、分析し、国民に中国との交流、接触における各種状況のリスクがどれほど高いのかを知らしめるべきだ、と訴えました。
(編集:駒田英/中野理絵/本村大資)