1958年8月23日、中国人民解放軍は福建省アモイから突如、台湾の離島・金門へ向け砲撃を開始しました。中華民国国軍は、この砲撃をきっかけに同年の10月5日まで続いた「823砲戦」と呼ばれる国共両軍による激しい戦闘の末、金門の防衛に成功しました。頼清徳・総統は23日、金門へ赴き「823砲戦勝利66週年追悼式典」を執り行いました。
2018年、「823砲戦」60週年の際に、時の厳徳発・国防部長(防衛大臣)が参加、翌2019年の61週年の際には、当時の蔡英文・総統が初めて金門に赴き、セレモニーを執り行いました。頼・総統は今回、総統就任初年度で追悼式典を執り行うこととなりました。
財団法人国策研究院文教基金会でシニア顧問をつとめる開南大学国家及び地域発展研究センターの陳文甲・主任は、かつて「823砲戦」に関心が低かった与党・民進党の態度の変化について、このような変化は象徴的な意義と実質的な意義をもつと指摘、前者についていえば、民進党は過去、国民党が主導した軍事面における中共への抵抗に対して冷淡であったが、近年、「823砲戦」を少しずつ重視し始めており、同党の歴史認識への変化に加え、社会的な結束を象徴していると指摘しました。
陳文甲・主任はまた、実質的な意義について、頼政権のこうした行いは、国軍の支持を揺るぎないものとするほか、「823砲戦」を記念することで、ナショナルアイデンティティを強め、台湾内部のコンセンサスを固め、外部の脅威に対する抵抗力を引き上げ、平和の為の四つの柱のうちの一つ、抑止力の確立を実行できると指摘しました。
陳・主任はそして、「『823砲戦』は台湾の軍隊の輝かしい歴史を示すものだ。頼・総統が自ら式典を執り行うことは、国軍の頼政権への支持を固め、国軍と国民との関係をより深めることにつながる」と指摘しました。
陳・主任はさらに、前線としての金門の重要性を見落としてはいけないと強調、地政学的、戦略的な意義のみならず、金門は、台湾海峡両岸が互いに隷属しないことの象徴であり、同時に、国際社会に向け、台湾の揺るぎない姿勢と防衛への決意を示し、世界からの支持を確かにする意味合いもある、と述べました。
(編集:駒田英/中野理絵/本村大資)