今年もこの季節がやってきました。
毎年秋に行われる、台湾版“アカデミー賞”と呼ばれる「金馬獎(ゴールデン・ホース・アワード)」の授賞式が明日、11月19日(土)、台北市の国父紀念館で行われます。
この「金馬獎(ゴールデン・ホース・アワード)」とは、台湾版グラミー賞と呼ばれる「金曲獎(ゴールデン・メロディー・アワード)」、台湾版エミー賞と呼ばれる「金鐘獎(ゴールデン・ベル・アワード)」と共に、台湾の三大娯楽賞と呼ばれる“三金”のひとつ。
この“三金”の中でもその歴史は最も古く、1962年、中華民国政府が、国内の映画製作事業の発展を促すため、優れた中国語映画や優れた映画制作関係者を称えようと創設されました。
当初は、“国内”をターゲットにしたコンテストでしたが、1979年に、専門的、芸術的、そして国際的を目標として、国際的に有名な映画人を受賞式典に招待したり、海外の映画の鑑賞会を行ったり、座談会を設けるなどしたほか、先にノミネートリストを発表し、受賞式で受賞者を発表するという現在の「金馬獎」のスタイルとなりました。
1984年から民間の映画団体に移管されていき、1990年に民間の「台北金馬国際影展執行委員會」と、「中華民国電影基金會」が創設、「金馬獎」の常設機構が誕生しました。
その後、1992年に「台北金馬影展執行委員會」に名前を変更。1996年には中国語映画の範囲を広げ、中国大陸やアメリカ、カナダなど世界の中国語映画を対象とした賞へと拡大。中国語映画界において、最も長い歴史を持つ、世界でも名の知れた、中華圏を代表する映画の祭典となっています。
そんな「金馬獎」、今年は第59回目となりますが、今年(2022年)は、長編映画60作品、短編映画228作品、ドキュメンタリー40作品、短編ドキュメンタリー63作品、アニメーション3作品、短編アニメーション63作品の合計457作品のエントリーがあり、香港のサスペンス映画「智歯(リンボ/邦題:親知らず)」が最多の14部門にノミネート。そして、台湾ホラー映画「咒(Incantation/邦題:呪詛)」と、ハトのレースで生計を立てる一家の物語を描いた「一家子児咕咕叫(Coo-Coo 043)」が続く13部門でノミネートされています。
作品賞には、この3作品の他、一つの家族の3世代の物語から台湾原住民族の一つタイヤル族の文化の核心を描いた作品「哈勇家(GAGA)」と、特殊な難民の物語から香港の隠れた闇を描いた映画「白日青春(The Sunny Side of the Street)」の5作品がノミネート。台湾映画と香港映画が拮抗しています。
中でも、今年特に話題となっている作品は、今回、作品賞の他、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、新人俳優賞、脚本賞、撮影賞、視覚効果賞など合計13の部門でノミネートされている台湾ホラー映画「咒(Incantation/邦題:呪詛」─。
YouTuberの女性が6年前に宗教施設である“タブー”を破ってしまい、そこから端を発した呪いがかかわった全員に不幸をもたらしている、そして今、その呪いが自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするストーリー。
元々、YouTuberで、今では娘のためにビデオカメラを回しているということから、映像は全てビデオカメラ目線になっていて、その目線、そして映像のざらつき感や手振れ感などがよりリアリティを増しています。
この作品は、日本のNetflixでも既に配信されていて、「あまりに怖い」という噂が口コミで広がり、Netflixの日本における「今日の映画トップ10」でも数日にわたってトップを獲得するなど、大きな注目を集めている作品です。
ちなみに、この作品「「咒(邦題:呪詛」の娘役を演じた黃歆庭(ホアン・シンティン)ちゃんは、映画を観た大人たちを恐怖に陥れるこの作品の中、怖がることなく、無垢な状態から呪われた状態まで、全ての演技がとても印象的で「史上最恐の新人」とも言われ、わずか6歳にして新人賞にノミネートされています。
これは、金馬奨の新人賞ノミネートで最年少記録なんだそうですよ。
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そして毎年、やはりみんなが注目するのは、作品賞だけでなく、主演男優賞、主演女優賞。
今回は、主演男優賞に張孝全(ジョセフ・チャン)、黃秋生(アンソニー・ウォン)、游安順(ヨウ・アンジュン)、林家棟(ラム・カートン)、張繼聰(ルイス・チョン)、主演女優賞に張艾嘉(シルヴィア・チャン)、蔡亘晏(ツァイ・ガンユエン)、劉雅瑟(リウ・ヤースー)、袁澧林(アンジェラ・イェン)、洪慧芳(ホン・フイファン)がノミネート。作品賞同様、台湾勢と香港勢が拮抗しています。
そのほか、今回、歌手の周興哲(エリック・チョウ)が、初めて俳優として出演した映画「我吃了那男孩一整年的早餐(My Best Friend's Breakfast)」で新人賞にノミネートされていて、以前、歌手の周杰倫(ジェイ・チョウ)が映画「頭文字D(イニシャルD)」で新人賞を獲得し、音楽界の枠を超えて映画界でも活躍しているように、周興哲(エリック・チョウ)もその幸運をつかみ取れるのか、注目が集まっています。
また、2011年に九把刀(ギデンズ・コー)監督の作品「那些年,我們一起追的女孩(あの頃、君を追いかけた)」で新人俳優賞を受賞している俳優の柯震東(クー・チェンドン)が、初めて長編監督に挑んだ作品『黑的教育(Bad Education)』で新人監督賞にノミネートされていて、これで金馬史上初めて、新人俳優賞と新人監督賞の両方にノミネートされた経験を持つ映画人となっていて、さらに受賞もなるか、注目されています。
今年(2022年)の第59回「金馬奨(ゴールデン・ホース・アワード)」の発表と受賞式典は、明日11月19日(土)午後19時から、台北市の国父紀念館で行われます。
なお、その模様はライブ配信されます。「第59回金馬奨」のオフィシャルページから、「頒獎典禮」という項目の中の「典禮資訊」をクリックすると、放送しているサイトの表示とそのロゴにリンクが貼ってありますので、興味のある方はぜひ観てみてくださいね。
Rti 台湾国際放送
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