現在、台湾中部では、“世界三大宗教行事の一つ”とも言われている「大甲媽祖繞境(大甲媽祖巡礼)」が行われている最中です。
「大甲媽祖繞境」とは、台湾中部・台中の大甲鎮瀾宮を起点に、9日間に渡って行われる女神「媽祖」様の巡礼のこと。
この「媽祖」様とは、台湾で最も親しまれている神様で、漁師を守り、航海の安全を守る神様として“航海の女神”と言われています。
ただ台湾では、次第に様々な面で媽祖様にご加護を祈るようになり、それに伴う数々の伝説や奇跡から、今では商売から健康、受験、出世、子宝、農業など、ありとあらゆることで媽祖様のご加護を祈る、とても身近な神様で、「国民の女神」とも言われています。
そんな媽祖様は台湾各地に祀られていて、媽祖様の誕生日とされているのが旧暦の3月23日であることから、旧暦の3月は各地で媽祖様のお祝いが行われるのですが、その中でも最も規模が大きいものが、「大甲媽祖繞境」なんです。
「大甲媽祖繞境」は台湾各地の媽祖巡礼の中でも、伝統的な「陣頭」と呼ばれる巡礼の隊列が最大規模で、参加志願者も最多となっています。
昨年(2021年)、RTI台湾国際放送ではこの「大甲媽祖繞境」の出発の「起駕」の模様を11言語で世界に向けて生配信しました。
その「大甲媽祖繞境」の季節が今年もやってきました。
この「大甲媽祖繞境」の発着点となっている大甲鎮瀾宮は、別名“大甲媽祖廟”とも呼ばれていて、1770年に建てられ、200年以上の歴史を持つ、台湾の媽祖信仰の代表的な廟の一つであり、大甲鎮で最も大きな廟で、毎日、地元の人だけでなく、各地からも多くの人が参拝に訪れます。
その大甲鎮瀾宮の媽祖様が毎年、旧暦の3月に、9日間に渡って、台中から彰化、雲林、嘉義の4つの県市、340キロメートルもの距離を巡礼します。
この間、各地から何百万人もの信者が集まり、大甲鎮瀾宮から南下してくる媽祖様の巡礼を追いかけます。
「大甲媽祖繞境」は、毎年、「元宵節」の夜に、“ポエ”と呼ばれる赤い三日月のような形をした道具を使って、「媽祖」様に巡礼に出発する日時のお伺いを立て、日時を決定。今年(2022年)は、旧暦の3月8日にあたる、4月8日の夜23時に巡礼に出発しました。
巡礼は既に折り返していて、今日(4/15)は7日目にあたり、彰化県北斗鎮の奠安宮から北上し、彰化市の天后宮に“駐駕”=お泊りになります。そして明日(4/16)にはいよいよ台中市に入り、明後日(4/17)に、9日間の巡礼を終え、大甲鎮瀾宮へと戻ってきます。
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媽祖様が通る前に「陣頭」と呼ばれる音楽隊や神様などの隊列が通るのですが、この「陣頭」には決められた順序があります。
まずは、銅鑼をたたいて、信者や廟に「これから媽祖様が来ますよ!」とお知らせをする「報馬仔」が通ります。
そして、行列を誘導する「頭旗」、「頭燈」、媽祖様と護衛を表す旗「三仙旗」が通り、その後に、道を先導する小楽団「開路鼓」や、巡礼を担当する団体の「駕前隊伍」、女性信者のみで構成された「繡旗隊」が通ります。
それに続いては、神様たちが続々と登場。
「福德彌勒團」や、「彌勒團」、「太子團」、「神童團」が通ります。
そして、たくさんの自転車が並ぶ「自行車隊」が通り、銅鑼の音に合わせて笛を吹き、道を開いて鬼を追い払うのが使命の「哨角隊」が通ると、そのうしろから媽祖様の第一護衛である「莊儀團」と呼ばれる「千里眼」と「順風耳」がやってきます。
陣頭がここまでくると、そろそろ媽祖様が近づいてきます。
続いて、主に男性で構成された「三十六執事隊」が通り、媽祖様の神輿の前の小楽団「轎前吹」、媽祖様の停止や出発を銅鑼で表す「馬頭鑼」が通ると、「娘傘」と呼ばれる大きな筒状のものがくるくると回りながらやってきます。これが見えたら媽祖様はもうすぐそこ。
「令旗」と呼ばれる2つの旗を先頭に、媽祖様の乗った神輿「媽祖鑾轎」がやってきます。
この陣頭の順番を紹介するだけでも、媽祖様が登場するまでにかなりの行列がやって来ることがわかるかと思いますが、そのそれぞれの陣頭に多くの人が参加しますので、本当に、最初の「報馬仔」が通ってから媽祖様がやって来るまでにかなりの時間がかかります。
それでも多くの信者は、早くから媽祖様を迎えるために集まります。
そして、媽祖様の神輿がやって来ると、媽祖の神輿に背中の上を跨いで行ってもらおうと一列に並んでひざまずく「鑽轎脚」をする様子が見られます。このようにして神輿の下をくぐることで媽祖様のご加護を得ることができると考えられているんです。
ただ、私たちが中継で参加した昨年(2021年)に引き続き、今年(2022年)も、新型コロナの防疫対策として、この「鑽轎脚」は禁止となっていますが、それでも今年も多くの信者が媽祖様を迎えるために沿道に駆け付けています。
ちなみに、9日間にわたる巡礼には多くの信者が同行することから、道中には巡礼に参加する信者に飲み物や食べ物を無料で提供しているお店もあるんですよ。
独特の熱気と、媽祖様に対する深い信仰心、そしてそれが地域に根付いていることを肌で感じることのできる「大甲媽祖繞境」。
機会があればぜひ実際に訪れてその雰囲気を感じてみてください。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 
