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文化の台湾 - 2022-02-25_“客家”の人たちの重要な日「天穿日」

  • 25 February, 2022

先日、2月21日は「国際母語デー」でした。これは、言語と文化の多様性、多言語の使用、そしてあらゆる母語の尊重を目的として、ユネスコ(=国際連合教育科学文化機関)が1999年11月17日に制定した国際デーです。

私は日本に住んでいたときは、あまり日本語以外を意識する機会が多くなかったのですが、台湾では、“国語”とされている「標準中国語」、台湾最大の方言とされている「台湾語」、台湾第2のエスニックグループである“客家”の人たちが話す「客家語」、そして台湾原住民族の人たちが話す、それぞれの「原住民族語」…といったように、様々な異なる言語を母語とする人と触れる機会が身近にあります。

台湾に旅行に来られたことがある方は、公共交通機関で様々な言葉でアナウンスが流れるのを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

例えば、台北新交通システム台北メトロ(MRT)では、中国語→台湾語→客家語→英語の順でアナウンスが流れています。

このように、様々な言語を母語とする人が生活する台湾では、それぞれの母語を大切にし、お互いを理解していこうと、学校教育の中に各母語の授業を取り入れたりしています。

そのため、台湾では先日(2/21)の「国際母語デー」にあわせ、文化部が母語を使ったトークやゲーム、音楽、体験などが楽しめ、言語と文化に触れることができるイベントを行っていました。

台湾では、言語と文化は結びついていて、母語が失われてしまうとその文化も失われてしまうと考え、みんなで守っていこうとしています。

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そして、台湾第2のエスニックグループ客家の人たちにとっては、この「国際母語デー」の2月21日も重要としていますが、さらに重要な日がありました。

それは、2月20日─。

この日は今年(2022年)の旧暦の1月20日に当たるのですが、客家の人たちにとって、旧暦の1月20日は「天穿日」と言って、とても重要な日なんです。

一般に中華圏では、春節(=旧正月)は「元宵節」で終わりとなりますが、客家の人たちにとっては、この「天穿日」がお正月の終わりとなることから重要な日とされています。

では、この「天穿日」とはどこから来たのでしょうか?

これは、古代中国神話に登場する「女媧」の物語が由来しているそうです。

はるか昔、天と地は分かれておらず、大きな卵のようでした。中国神話の神「盤古」はその中で育まれてきましたが、1万8000年経ったある日、突如目覚めましたが、目を開けても何も見えない。怒った「盤古」は大きな斧を力いっぱい振り回しました。すると、土砂崩れのような音が響き、大きな卵が割れ、澄んだ軽いものは上昇して「空」となり、重く濁ったものは下に降りて「地」となり、こうして「天」と「地」にゆっくりと分かれていきました。

「盤古」が天地を生み出したあと、大地には山や川が生まれ、草木が茂り、鳥や虫たちが誕生しましたが、まだどこか寂しかったことから、中国神話の神「伏羲」の妹である「女媧」がある日、泥と水で人類を作ったんだそうです。ただ、人類は死んでしまうことから、そのたびに作り出すのは大変だという事で、「女媧」は、男性と女性を組み合わせることで後世に子供を残していくというようにしたとされています。

ところがある日、天の「水の神」と「火の神」が突如、喧嘩を始め、それが大きな戦いとなり、天上から地上へと広がり、人類の幸福で穏やかな生活を壊してしまいました。

その戦いは「水の神」が敗れ、「水の神」は恥ずかしくて生きてはいけないと、「不周山」という山に頭を打ち付けました。この「不周山」は天を支える柱のようなもので、その柱が折られてしまい、空が半分落ちてきて、天には大きな穴が現れました。そして地にも穴が開き、森林は焼け、地底からは水が噴出し、大地はまるで海のように。森林にいた多くの猛獣や鳥たちも飛び出してきて、人間界は煉獄のようになってしまいました。

それを見た「女媧」は、自分が生み出した子供たちが大変な目に合っていることにとても心を痛め、天地を修復して、人類を守ることを決めました。

そして、川の中から、5色の石を探し出し、火で溶かし、糊状にして、天に開いた穴を埋めていきました。

また、「女媧」はその修復したところがまた崩れ落ちてこないように、大きな亀の脚を使って柱の替わりとしました。また、この地に危害を及ぼしていた黒龍を収め、猛獣たちを追い払い、草木が燃えてできた灰を積み上げて洪水を止めました。こうして人類はようやく救われました。

後に、「女媧」の救いに感謝をするため、「女媧」が天を修復した旧暦の1月20日を、「天穿日」と呼び、「女媧」を記念するようになったんだそうです。

また、一説では、毎年この「天穿日」には、「女媧」の娘が天を見て回り、検査や修復を行っているとも言われているそうです。

ちなみに、この「天穿日」、旧暦の1月20日は、「天穿地漏」と言って、この日に働くと稼いだお金が漏れ落ちていくとされていることから、みんな1日仕事を休んで、歌を歌い楽しんでいたんだそうです。

現在では、なかなかこの日に休めないという人も少なくないようですが、今年(2022年)の「天穿日」は、ちょうど日曜日だったので、ゆっくりと過ごしたという客家の人も多かったのではないでしょうか。

台湾には言語と共に様々な民族、グループの多様な文化が残っています。

ちなみに、この「天穿日」は、近年は「全國客家日(全国客家の日)」とされていましたが、「天穿日」自体が北部では認知されていたものの、実は南部の客家の人たちにはあまりそのような習慣がなかったことから、南北の意見を取り入れ、話し合いを重ねた結果、客家委員会が、今年(2022年)から、「客家語」を母語に取り戻そうという運動が起こった12月28日を「全国客家の日」とすると発表しています。

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