今、台湾は旧暦のお盆月「鬼月」真っただ中です。今年(2021年)の旧暦7月15日にあたる8月22日の「中元節」には、多くの場所で「中元普渡(中元節の法要)」が行われましたが、その日だけでなく、「鬼月」はあちらこちらで拜拜(法要)が行われています。
「中元普渡」と言えば、台湾北部・基隆で行われる「鷄籠中元祭」が有名ですが、台湾南部・嘉義県の民雄郷でも“台湾4大中元節法要”のうちの一つ「大士爺祭」が行われます。
この法要は、毎年旧暦の7月21日から23日にかけての3日間行われる法要です。
この「大士爺」というのは、身長はおよそ3.6メートルと大きく、青い顔、頭には2本の角が生えていて、真っ赤な舌はだらりと胸元まで垂れ下がっています。元々は鬼のリーダーのような存在で、いつも悪いことばかりをして人間を不安にさせていたのですが、後に観音菩薩に降伏し、行いを改めました。
そして、「大士爺」は観音菩薩から、旧暦の7月に“鬼門”が開いた後、たくさんの無縁仏たちがやってくる際、それを管理するようにという任務を与えられました。
観音菩薩は、霊たちは法要の供養を受けてもいいが、絶対に邪魔をしてはならない、つまり、太陽の下(この世界)でのトラブルは起こしてはならないと言い、その霊たちの管理を「大士爺」に任せたのです。そして、「大士爺」は、霊たちが秩序を守るようしっかりと管理をし、法要の最終日には “好兄弟”と呼ばれる無縁仏たちを連れて行ってくれるとされています。
そのようなことから、嘉義県民雄郷にある「大士爺廟」では、毎年、旧暦の7月「鬼月」になると、竹や紙でできた大きな「大士爺」の像が登場します。
実は、廟の名前は「大士爺廟」なのですが、普段は観音様の像が祀られています。「大士爺」の姿は見当たりません。
「大士爺」は、この「中元普渡」のために作られるんです。そして旧暦の7月21日から23日の3日間だけ廟の正殿に祀られます。
ちなみに、「大士爺」の像が祀られると、人々は霊たちをコントロールしてくれる「大士爺」にまずお祈りをするそうです。そうすることで平安に過ごせるとされているそうです。
また、この「大士爺」の像を触ると災いが消え、幸運をもたらすと言われていることから、市民はこぞって「大士爺」を触ろうとします。
そしてよく見てみると、「大士爺」の頭の上にはおよそ48センチの観音菩薩像がいるそうです。
そんな「大士爺」の像は、法要終了後には他の紙でできた品と共に燃やされます。そうすることで、「大士爺」が“好兄弟”と呼ばれる無縁仏たちを連れて行ってくれるとされています。
毎年旧暦の7月21日から23日の3日間、台湾南部・嘉義県の「大士爺廟」で行われるこの「大士爺祭」は、毎年多くの人があつまり、昨年(2020年)は3日間で延べ40万人もの市民が参加しました。
しかし、今年(2021年)は新型コロナの再拡大を防ぐため、防疫の面から、規模を縮小し、宣伝をしない、ステージを設置しない、幟を掲げない、招待状を送付しない、外部に開放しない、パレードは無し、無病息災と幸福を祈る夜の集会もなし、平安の食事もなし、座席の設置もなし、宿泊施設の提供もなし…と「5つの“しない”、5つの“なし”」の方針での開催となり、今年は、「法要」と、「灯籠流し」と、「大士爺の火葬」のみが行われます。
嘉義県の重要文化資産となっている「大士爺祭」。
コロナが明けたら、また盛大に行われると思いますので、皆さんもその際にはぜひ嘉義まで足を運んでみてください。
Rti 台湾国際放送
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