先日、日本でいうところの“小正月”である「元宵節」が過ぎ、台湾もお正月モードが終了。大きな行事がひと段落…かと思いきや、実は、台湾第二のエスニックグループ・客家の人たちは、まだまだ「お墓参り」という大切な行事が続きます。
台湾では「お墓参り」というと、4月の「清明節」の頃に行う人が多いのですが、客家の人たちは「元宵節」の翌日からお墓参りが始まります。
客家の人たちは、「お墓参り」のことを「掛紙」と言います。
なぜ客家の人たちの「お墓参り」が4月の「清明節」の時ではなく、この時期なのかというと、古い文献によると、客家人は宋の時代末期から広東省に移住し、明朝時代に30代にわたって受け継がれてきました。そのため多くのお墓があり、「清明節」の1日だけではお墓参りが終わらないということから、前倒しでお墓参りをするようになっていったんだそうです。
また、客家の人たちが広東省から海を渡って台湾に移り住んできたときにはすでに福建省から移り住んできた閩南人が平地で生活をしていたため、遅れて台湾に渡ってきた客家の人たちは山間部に定住して土地を開墾してきました。ただ、山間部は平地が少なく、農作物もなかなか育ちません。生活はとても苦しいものでした。そこで、客家の若者たちは、生計を立てるため、故郷を離れ、都会に出ていかなければなりませんでした。なかなか故郷に帰ることもできず、年に一度、長い休みとなるお正月に故郷に帰って一家だんらんの時間を過ごすとともに、先祖のお墓参りに行っていたそうです。
また、客家の人たちはとても倹約家とされています。それは、それは、早い時期に台湾に渡ってきた客家の先祖たちが苦労をしながら生活をしてきたことと関係があるのですが、倹約家であることから、お正月に購入したものを使ってご先祖様にお参りをしていたというのも由来の1つのようです。
そのようなことから、お正月連休が終わり、仕事が始まる前に先祖のお墓参りをして、それを終えてから、故郷を離れそれぞれの仕事をしている生活の場に戻っていくという習慣になったそうです。
以前はこの客家の人たちの「お墓参り」は旧暦の正月16日に統一されていたそうですが、現在は交通も便利になりましたので、昔のように1年に1回、お正月にしか帰ることができない…ということはあまりなくなり、今では、「元宵節」後の週末や、家族が故郷に集まれる日を調整するなど、「元宵節」の翌日、旧暦の正月16日から、「清明節」にかけて行うようになっています。
「お墓参り」の日は、各地から子孫が戻ってくるので、100人以上の集まりになります。日本でも「お墓参り」の習慣があって、親族が集まったりしますが、100人以上も集まるなんてすごいですよね。それだけ親族同士のつながりが強いということ、そして先祖を大切にする気持ちが伝わってきます。
客家の人たちの「お墓参り」では、日本と同じようにお墓の周りの雑草を取り除いたり、お墓をきれいにしますが、そこからが日本とは違います。
「お墓参り」も儀式の一つなんです。お墓の前に豚肉、鶏肉、魚、果物や、「發粄(蒸しケーキ)」などを備え、みんなでご先祖様と、そのお墓を守ってくれている土地神様にお参りをします。
この時、時間をちゃんと決めておいて、先に着いたからと言って勝手にお参りをしてはいけないそうです。ちゃんとみんなが集まるのを待って、一緒にお参りをするそうです。
そして、まずはお墓を守ってくれている土地神様に線香をあげ、それからご先祖様にお参りをします。
お参りの主宰の年長者が儀式を進め、“ポエ占い”で先祖たちを招き、お酒も含めてお供え物を召し上がってもらってから、再び“ポエ占い”で先祖たちに食事が終わったかどうかについてお伺いをたてた後、“お金”の替わりとされる「紙錢」を燃やし、爆竹を鳴らして、無事にお墓参りが終了となります。
ちなみに、客家の人たちは「お墓参り」のことを「掛紙」というと最初にご紹介しましたが、これはもとは「紙を掛ける/張り付ける」という動作のことで、お墓参りの際に、黄色の紙をお墓の上に張り付けることから、「お墓参り」のことを「掛紙」と呼ぶようになったとされています。
なぜ黄色い紙を貼るのかというと、子孫が先祖にお参りするために帰ってきたことを示したり、先祖の墓であることを示すという意味があるそうです。
また、言い伝えでは、唐の時代の高祖が母の墓を探しに行ったとき、お墓を見つけられず、1枚の紙きれを頼りに墓を探したことから、後にお墓のしるしとして紙や絹をお墓にかけておくようになったと言われているそうです。
ただ、お墓参りの時期である2月から4月にかけて雑草が燃えるなどの火事がよく発生していることから、「紙錢」を燃やしたり、爆竹を鳴らすのをやめましょうという呼びかけがあったりしていますが、これをやらないとお墓参りが終わらない…と、言う人も少なくないようです。
この時期、山の方で爆竹の音が聞こえたら、もしかしたら客家の人たちがお墓参りをしているのかもしれませんよ。
Rti 台湾国際放送
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