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文化の台湾 - 2021-01-22_年貨大街

  • 22 January, 2021
文化の台湾
毎年、春節前になると「年貨大街(お正月マーケット)」が開かれ、街のあちらこちらが真っ赤っか&キンキラ金となる。しかし今年(2021年)は新型コロナの影響で中止が相次いでいる。(写真:CNA)

日本はお正月気分もそろそろ抜けて、もうすっかり日常に戻ったころだと思いますが、伝統行事は旧暦で行われている台湾はこれから春節=旧正月の準備で忙しくなります。今年(2021年)は2月11日が大みそか、2月12日が新年となりますので、大体その2週間前くらいから街が真っ赤っかの、キンキラ金になります。

というのも、春節を迎えるにあたってお正月飾りを準備するのですが、中華圏では“赤”や“金色”が縁起のいい色とされているので、お正月飾りもとにかく“赤”や“金色”が多いんです。そのお正月飾りを売るお店がたくさん出てくるので、街中が真っ赤っかの、キンキラ金になるというわけです。

この時期になると、街のあちらこちらに正月飾りのお店が登場したり、いつものお店も商品のラインナップが春節グッズが並んだりして、お正月に必要なものは街中いたるところで買うことができますが、やはりこの時期、みんなが買い物に訪れる場所と言えば、この時期に登場する「年貨大街」です─。

正月飾りはもちろん、正月料理の食材や、春節に挨拶に来たお客さんに振る舞うお菓子など、お正月に必要なものが一気に集まる“お正月マーケット”です。

この「年貨大街」、昔からの伝統的なものかと思っていたら、実は比較的新しいイベントなのです。

始まりは1996年、台北市の西部・淡水河に沿って栄えた「大稻埕」の「迪化街エリア」で行われました。

19世紀末、この「迪化街エリア」は「大稻埕」で最も栄えた街でした。淡水河が近くを流れ、港も設置され、茶葉や布、薬などの流通の要となっており、清朝時代の末期から日本統治時代にかけて「迪化街エリア」は「大稻埕」商圏の中心として栄えてきました。

しかし、淡水河の土砂の堆積によって運搬能力が激減し、さらには都市発展に切り替わったことで、台北市の商業活動は徐々に東へと発展が伸びていきました。そしてそれとともに「大稻埕」は“旧市街”となっていきました。

その時、店主たちが考えたのは、「車の流れが来れば、人が集まり、商機が生まれる!」として、1977年、「變更迪化街寬度案(迪化街エリア道路拡張案)」が登場し、7.8メートル幅の道路を20メートルに拡張しようとしました。しかし拡張のためには道の両サイドに並ぶ歴史ある建物をすべて取り壊すという計画でした。これに反対する人たちが立ち上がり、「道路拡張した方がいい」派と、「古跡を残した方がいい」派で存廃問題が勃発しました。その戦いは1995年まで十数年間続き、最終的には政府は計画を中止とすることとし、数十棟あった歴史的建物を保存することを確定しました。

しかし、元々、道路の拡張は衰退していった街に人を呼び戻そうとして計画されたものでしたので、これではそもそもの問題の解決にはなりません。

そこで1996年、当時、台北市長だった陳水扁氏が「迪化街エリア」に住む市民の意見をもとにたてた計画が「年貨大街(お正月マーケット)計画」でした。

春節前の消費が現地の経済を盛り上げ、100年の歴史を持つ「迪化街エリア」に再び命を吹き込もうと「年貨大街」が始まったのです。

春節前に各商店がみなお店の軒先にまで出てきて、お正月商品をずらりと並べ、独自のアピール方法で人を呼び込みました。この独特のアピール方法とはどのようなことをしたのかというと、例えば、ご祝儀を振る舞ったり、「元寶山」と呼ばれる金色の昔のお金の形をした縁起のいいものを配ったり、さらには市長と握手ができる!などの方法を実施。するとこれが大人気に!多くの人が訪れ、古い街並みと新しい取り組みが見事にマッチし、盛り上がりを取り戻しました。これによって、「迪化街エリア」の知名度が再び上がりました。

これが“お正月マーケット”「年貨大街」の始まりでした。

それから毎年、春節前になると、「迪化街エリア」で「年貨大街」が行われ、そこではお正月に必要な様々なお菓子や、おつまみとして食べるひまわりやカボチャなどの種、伝統的なお饅頭といった食べ物や、お正月飾りやお年玉を入れる真っ赤な封筒「紅包」など、すべてここでそろえることができます。

そしてこの「迪化街エリア」で始まった「年貨大街」が、台湾各地に広がり、さらには中国の北京や上海、そしてアメリカのサンフランシスコでもこの台湾・台北市の「迪化街エリア」から始まった「年貨大街」が行われています。

かつては古い街並みは発展の妨げになると考えられてきましたが、この歴史と産業との結合によって人気が盛り返し、最近では新たな店舗も「迪化街エリア」に進出、そしてそれがまた新たな人を呼び、若者や外国人観光客なども多く訪れるスポットとなりました。

なお、少し前、2019年の調査ですが、台湾の有名なブログサイト・痞客邦(pixnet)の調査によると、行きたい「年貨大街」の第一候補が「迪化街エリア」だという人は40%以上とネットユーザーからの支持も高く、実際には毎年100万人を超える人たちがこの「迪化街エリア」の「年貨大街」を訪れています。

ただ今年は残念ながら、新型コロナの影響で多くの街で「年貨大街」の中止を決定しています。

「年貨大街」発祥の「迪化街エリア」は、元々は「飲食の屋台や試食の提供は行わない」という条件付きで今年も開催を予定していましたが、台湾北部の病院での院内感染を発端に、感染拡大が懸念されていることから、台北市の柯文哲・市長が一昨日(1/20)、今年は中止とすると発表しました。

今では春節前のお馴染みとなっていた活気ある景色が見られないのは残念ですが、それでも今回は仕方ないと、多くの人が受け入れています。

また次の春節の前にはこの景色が見られることを願って、そしてその時は皆さんもぜひ、「年貨大街」を訪れてみてくださいね。

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