①台湾に来たら欠かせないある有名観光スポットが進化を遂げている話題について
台湾では美食を楽しむのもよし、街でショッピングを楽しむのもよし、更に、自然を感じるため都会を離れるのもよし、色々な楽しみ方がありますが、他にも欠かせないのが台湾のパワースポットである宗教施設でお参りをすることです。その際訪れたいのが、各地に存在する道教の宗教施設「廟」やお寺。昔ながらの建築様式や台湾の神様が飾られている風景を間近に見られ、台湾独特の雰囲気を感じられるのが魅力的ですが、実は、一部でこんな進化を遂げています。
どこかというと、北部・台北市に現存する最古の廟である「龍山寺」。1738年に建てられ、2018年にはその歴史的・文化的価値から「国家指定古跡」に認定されています。
龍山寺はどんな廟かというと、仏教、道教、儒教の三大宗教が融合し、合わせて百余りの神様を祀っています。また、縁結びの神様「月下老人」が祀られていることから恋愛成就にご利益があるパワースポットとしても有名で、良いご縁を求めお参りをする人々の姿も見られます。
では、300年近くもの歴史がある龍山寺が現在どの様に進化しているのでしょうか?
それは、先月から太陽光パネルを導入した発電を開始したのです!公共の廟に太陽光パネルが設置されたのはこれが台湾全土で初めての試みとなり、発電に加え蓄電も組み合わさったシステムにより、年間で約5,900キロワットの電力を発電できるようになります。結果的に年間で3,000キログラムの二酸化炭素(CO₂)排出を削減できることが期待されており、『伝統と先端技術の融合』を体現した廟となりました。
この取り組みは、台北市が昨年から行っている「台北ネットゼロ」プロジェクトの一環です。「ネットゼロ」とは気候変動に対する取り組みのひとつで、「人間活動によって排出される温室効果ガスの量と人間活動によって吸収される量を均等にすること」を指し、「ネットゼロ社会」とは温室効果ガスが実質上ゼロの社会を言います。
「台北ネットゼロ」の実現に向け、龍山寺では他にこんな取り組みも。台湾の廟やお寺では“神様や祖先に捧げるお金”である金色の紙「金紙」を焼却しその煙を空高く飛ばすことで神様や祖先への敬意や感謝の気持ちを表し、ご加護が得られることを願います。龍山寺ではこの紙を焼く伝統を廃止。その後も段階的に環境に配慮する取り組みを進め、2019年にはロウソクの販売及び参拝者によるロウソクの点火を全面禁止。そして2020年3月には、線香の提供を終了し、自身で線香を持ち込むことも禁止されました。そのため、参拝者は線香の代わりに“心”で祈ることになっています。つまり、形ある“モノ”を使わずとも、真心をもって祈れば神に届くという考え方を重視し、環境への配慮と伝統文化の継承を両立しようとしているのです。
線香は一本一本見た目は小さいですが、人体に有害な発がん物質を含むほか、火がつくことでPM2.5が発生することもわかっています。また、使用を禁止することで火事発生のリスクも抑えられます。龍山寺で2020年に線香の使用が禁止されたことで、それから5年間で約3,600キログラムの二酸化炭素排出を削減することに成功しています。他には、同様に参拝客の多い台北市の廟「行天宮」でも現在、線香の使用が禁止されています。
もし線香の使用が禁止されていなくても、有害な化学添加物を一切使用せず天然の成分だけで作られた環境に優しい線香を使用する廟もあり、台湾全土の廟で今後もますます環境に優しい取り組みが進むことが予想されています。
ちなみに、龍山寺の前には公園があるのですが、現在、明るく開放的な公園に改造する計画が進んでいます。今年6月に工事が開始され、来年7月の完成が予定されています。近くにある台北メトロ(MRT)の駅やバス停とも連携させることで、より多くの人々の往来と地域のにぎわい、商業の活性化が期待されているということです。
今後、龍山寺に行く際は、自身の心で神様に祈りを捧げると共に、周辺の新たな姿を見られること、期待したいと思います。
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②2016年に交通部公路局が導入した「幸福バス」プロジェクトについて
国土の約3分の2を山間部が占める台湾において、主に原住民族が暮らす山岳地帯など特に交通が不便な地域に導入された小規模の公共交通サービスのことで、地域住民により運営されており、予約制と定時運行を組み合わせたサービスが提供されています。
台湾の山岳地帯は道路の整備が遅れており、危険を避けるため大型バスの通行が禁止されている地域も多いです。また、原住民族の集落が点在しているため、若者の多くが都市部へ出稼ぎに出てしまい、残された多くは高齢者と子どもたち。そういった地域ではバスの利用者が少なく、従来のバス事業者は経営が困難な現状にありました。そのため、実際に公共の交通手段が断たれ、通院・通学に大きな困難が生じた村もありました。
「幸福バス」は今年3月末時点ですでに62の公共交通の便が悪い村に導入され、その路線数は合計240にも上ります。
その一例として、南部・屏東県には8つ山に囲まれた村があるのですが、そのうちの一つ「來義郷」は標高300mの山岳地帯が大部分を占めています。住民は原住民族であるパイワン族が多数を占め、全国でも最もパイワン族が多く生活する村でもあります。2009年の台風以降、バスは隣の村までしか運行しなくなってしまいました。しかし今回のプロジェクトにより、現在は、7台の幸福バスが医療線、通学線、生活線、そして今年から新たに加わった観光線の合計12路線を運行しています。運転手の一人はパイワン族の若者で、乗客と共に乗車しているボランティアと共に、乗客が乗り降りする際の手助けやオンラインでの病院の予約、診察への付き添い、薬の受け取り、さらにパイワン族の言語であるパイワン語しか話せない高齢者のために医療スタッフとの間で言語の橋渡しも行っているんだそう。この方は「來義郷の大きなビジョンとして、『村には愛があり、幸せに障害はない』」と語っています。
交通部公路局は、これまで來義郷に対して約4000万台湾元(約1億8000万円)を助成し、中型バス3台、小型バス4台の導入を支援したと明かしているほか、今後も引き続き支援を続け、2028年までに「すべての村に幸福バスを」という目標達成を目指しています。これにより、原住民族の若者たちが故郷を離れずとも希望のある未来を築けるようになり、再び「幸せ」への道を見出せることが期待されています。
Rti 台湾国際放送
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