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台湾ミニ百科 - 2024-12-04-【台湾の忘年会「尾牙」に関するあんな事やこんな事(自身の経験と鴻海を例に挙げて)】

  • 04 December, 2024

「年」を「忘れる」「会」と書く「忘年会」、その名の通り一年間の苦労を忘れるために年末に開催されますが、台湾では同様の習慣があるのでしょうか?答えは台湾にもあります。

企業などは年によって異なりますが、旧正月直前の1月末から2月始めにかけ、「一年の苦労を労う」という日本と同様の目的で宴会を開催し、このことを、「尾牙」と呼びます。台湾ではこの宴会で豪華な食事が企業側から提供されるだけでなく、年に一回のお楽しみである抽選会が開催され、当選者は現金やコンビニやスーパーといったお店の商品券、もしくは豪華な景品をゲットできます。そのためどちらかといえばいいことたくさんありワクワクできる場というイメージです。

実際私が以前働いていた某テレビ局のこの「尾牙」は、とっても豪華で盛り上がったものでした。

台北市内の、数万人を収容できるほどの大きな会場を借りて開催されたのですがそこでは先ほど話したことだけでなく、他にも外部から呼ばれた有名な歌手が会社のためだけに歌を披露したり、普段はお目にかかれない、社長をはじめとした上層部の方々がこの日だけは私たち社員の目の前に現れて車の上から手を振ったりプレゼントを渡したり、一年に一回しか体験できない時間になんだか夢のようなひと時を感じました。確かにこの様な日があれば、その年にあった仕事の嫌なことなんて忘れられますし、この時をまた迎えられる様来年一年も頑張ろうと思えます。

私自身は逆に日本の忘年会に参加したことがないので台湾と日本のどちらの方が良いか比較は出来ませんし、もちろん企業ごとにやり方は異なりますが、台湾での「尾牙」は楽しいものだなあという印象が残っています。

しかし私が参加できたのは運が良かったともいえます。なぜなら、新型コロナウイルス流行の際、台湾では多くの企業で対面での開催が取り止められたからです。コロナにより企業の業績が落ち込み、開催が難しくなったためという理由もあります。社員にとっては一年に一回の楽しい機会がなくなるのは悲しいものです。

そんな中、オンライン上で開催した企業も。実はオンライン上での開催も悪いことばかりではありません。例えば、「尾牙」の開催準備に携わる業者が開発したアプリ上で開催した場合、数万人もの人が同時に参加でき、海外にも支店がある大企業の場合、海外の社員も参加できます。また、有名な歌手にパフォーマンス出演してもらった際、アプリを通じて多くの社員がコメントを残したり歌手と直接話したりして交流できます。さらに、費用も大幅に削減でき、実際、対面での開催と比べて3から4割ほど安く開催できます。そのため、浮いた費用を社員へのボーナス増加として還元したり、コロナ禍が明けた後のイベントに繰り越して使用し、その際のイベントをさらに大規模なものにしたりとすることができますので、オンライン開催でのメリットが全くないというわけではなかった様です。

その例として例えば、世界最大手の電子機器受託生産企業・鴻海(ほんはい)精密工業の場合、2021年から2023年にかけ3年連続でオンライン「尾牙」を開催。台湾の他に日本や中国、ベトナム、メキシコ、インドなど20以上の国と地域で働く鴻海(ほんはい)の従業員が参加し、合計15万を超える人がオンライン上に集結。中には自分の国ならではのパフォーマンスを画面越しの他の従業員たちに披露した人も。また、一人一人に贈呈された現金の額は対面での時は日本円で9000円ほどであったのが、オンライン開催で浮いた経費を使用したため、4倍となるおよそ4万6000千円にも増えました。抽選で当たる商品も驚くようなもので、例えば2022年に開催された際、最新のiPhoneが50人に、台湾の自動車メーカー「裕隆汽車(ユーロンきしゃ)」が展開する高級車ブランド「ラクスジェン」の自動車が10人に、100万台湾元、日本円でおよそ470万円が47人にも当たり、もし運悪く何も当たらなかった場合でも、参加賞として必ず日本円でおよそ7万8000円分がもらえたといいます。この年、抽選での当選金額や景品を合わせた額は合計でなんと数億円に達しました。これほど多くのお金を「尾牙」にかけられるのはオンライン開催だったからという理由だけでななく、鴻海自体で巨額の利益があるから。2023年での開催時、挨拶を述べた劉揚偉・董事長は、「2022年度の売上高は合計で6.6兆台湾元(日本円でおよそ30兆円)を超えた。これにより台湾で初めて年間売上高が6兆台湾元を超える企業となった。前の年と比べても売上は10.5%伸び、6年連続で過去最高を更新した。」と述べました。

やはり、このような世界で活躍する超大企業の「尾牙」は比べ物にならない規模です。

ちなみに今年は、2月に、無事に4年ぶりとなる対面での開催を実現しており、2.8万人超えの従業員が一斉に50周年を迎えた鴻海の「尾牙」に参加しました。

このように、台湾では徐々に対面での「尾牙」が復活しており、昨年度に至っては、全企業のうち7割で開催されました。しかしコロナ禍前は8.6割の企業で開催されていたのでまだ完全に回復していません。これから来年の1月から2月にかけて開催時期が訪れますので、今年度の割合がどうなるのでしょうか。

 

では最後に少しだけ、台湾の「尾牙」で食べられる習慣のあるものについてご紹介。主に二つあります。一つは、蒸した中華まんの中に角煮やパクチーなどを包んだ台湾グルメ「刈包」。その見た目がお金がたくさん入った財布のように見えることから、「お金持ち」を象徴するとされています。もう一つは「潤餅」と呼ばれる、野菜やお肉を小麦粉を練った生地で包んだ台湾式春巻き。古代のお金を丸めた見た目に似ていることから、「潤った富」という意味があるとされています。

私からの一言:
当局の忘年会「尾牙」は来年一月に開催される予定です。もし私も参加する機会がありましたら、どのような内容か、「刈包」や「潤餅」は食べられるのか、楽しみにしたいと思います

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