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ようこそT-roomへ - 2020-11-18_台湾のモバイル決済の最新事情

  • 18 November, 2020

リスナーの皆様は、スマートフォンによる決済、「モバイル決済」を利用されていますか。日本ではキャッシュバックキャンペーンに加え、新型コロナウイルスの流行でお金の受け渡しなどへの抵抗感が増し、利用者が増加しづつけているといいます。

 

 「モバイル決済」と呼ばれる、スマートフォンなどモバイル端末アプリを利用する決済サービスには、モバイル電子マネー、QRコード決済など、様々な決済方法がありますが、昨年夏、日本のマーケティング会社は、これらの市場規模は今年2020年には、およそ3兆円規模にまで拡大する、と予測しました。

 

 では、台湾の状況はどうなのでしょうか、本日の「ようこそT-ROOMへ」では、台湾のモバイル決済の最新事情についてご紹介したいと思います。

 

 台湾のシンクタンク、財団法人情報工業策進会の最新の調査によりますと、モバイル決済サービスを日常的に利用しているユーザーは2019年の52.8%から、今年59.7%に増加、およそ6割に達しました。さらに、今年の上半期、決済の際の選択肢として、モバイル決済を挙げた人は35.3%と、クレジットカードの33.9%を初めて上回りました。

 

 情報工業策進会の関係者は、ポストコロナ時代において、いわゆる「ロータッチエコノミー」、非接触、少接触型の消費モデルが主流になりつつあり、結果、リモートワーク、感染防止テクノロジーや、いわゆるECサイトなど「引きこもり経済」のビジネスチャンスが大きく発展するとして、キャッシュフローも、モバイル決済、デジタル通貨にとって変わり、小売業のデジタル化がより進むと指摘しました。確かに、各小売店でも、新型コロナウイルス流行以降、モバイル決済を推奨、独自のアプリをもつ小売店でも、優待、ポイント還元などで利用の促進を図っています。

 

 続いては、台湾における主なモバイル決済をご紹介しましょう。モバイル決済には様々な小売店、場所で幅広く使える汎用型と、一つの小売店のみで使える限定型に分かれますが、総合トップには汎用型のLINEペイが輝きました、LINEペイは台湾におけるアプリの普及率が91%と非常に高いことが強みです。今年9月の統計で、会員数は840万人、買い物のほか、公共交通機関、旅行、各種公共料金の支払などの機能があります。2位は限定型、台湾全域に1000店舗以上展開する業界ナンバーワンのスーパーマーケット「PXマート」のモバイル決済、「PXペイ」です。会員は現在急増中で、750万人に達しています。

 

 3位は汎用型の「街口(JKOペイ)」です。「街口(JKOペイ)」の、街口は商店街のがい、口と書きます。汎用型ということで、決済用途の対象は、業界1位のLINEペイと重なっていますが、現在、利用可能な拠点の拡大及びポイント還元などを積極的に行い、会員数増加を目指しています。

 

 それでは、台湾市場において、モバイル決済シェアナンバーワンのLINEペイの強みについて、掘り下げてみていきましょう。

 

 LINEペイは2015年に台湾でサービスをスタート、そしてわずか5年間でユーザーは840万人にまで増えました。このユーザー数は昨年同期比で20%伸びています。840万人というユーザー数が、どれだけの数かといいますと、台湾の2.8人に1人が利用している計算になります。

 

 情報工業策進会が近年発表したレポートによりますと、LINEペイのメインのユーザーは2019年は36歳から45歳の年齢層が中心でしたが、今年に入って18歳から25歳の年齢層の利用が顕著となっています。そして、この2年間、18歳から65歳まで、幅広い年代の消費者が最も多く利用しているモバイル決済ということです。

 

 現在、台湾においてLINEペイが提携している店舗数はおよそ24万軒、今年9月までの総取引数は8000万件あまり、決済金額は台湾元365億元(日本円にしておよそ1307億円)と、昨年同期比で84%増となりました。

  

 LINEペイ台湾の董事長を務める韓国籍のチョン・ウンチュ氏は、台湾がモバイル決済未開の地であった時代から、市場の開拓を始め、シェアナンバーワンまで引き上げたキーパーソンです。

 

 2016年にチョン氏が、LINEペイ台湾の責任者に就任した際、台湾市場にモバイル決済といえるものは、中国大陸のアリペイ、Wechatしか存在しておらず、また、これらはいずれも来台した中国大陸観光客向けのサービスでした。翌2017年、台湾でも、様々な業者がモバイル決済に参入を始めました。こうした中、チョン氏は、台湾の人々の消費習慣をリサーチ、大手銀行と提携したクレジットカードをリリースし、LINEペイと紐付けすれば、高額のLINEポイントをキャッシュバックする戦略を立て、旋風を巻き起こし、ブランドの知名度は一気に高まりました。

 

 2018年からは、台湾でシェア2位を誇る交通系ICカード、「iPASS」と提携、LINEペイマネーのサービスを打ち出しました。これは、ユーザーがクレジットカードをもっていなくても、電子マネー決済や、チャージ、振り込み、公共料金支払い、LINE上の友人への送金などの機能を使えるようにしたというもので、LINEペイの機能は、より充実しました。

 

 台湾でも、モバイル決済戦国時代に突入した現在、LINEペイが安定した地位を維持できている要因のうち、非常に重要といえるのが、ブランド認知度と愛着度です。

 

 そして、チョン氏は、特に、未成年及び中高年のユーザーに向け、「信頼性」と「利便性の高さ」を、これらのユーザーにとって、目にみえる形にする戦略をとっています。例えば、未成年がモバイル決済を使用する際には、父兄の同意を得なくてはならないよう設定しており、こうした事で、ブランドに対する信頼性を得ています。

 

 また、中高年層については、彼らの消費データを分析、ターゲットを絞り、積極的なマーケティング、プロモーションを行うことにより、ユーザー数と消費額のアップにつなげている、ということです。

 

 台湾では、コミュニケーションアプリとして「LINE」のシェアが非常に高く、それゆえLINEペイの利用を始めた、という人も少なくないでしょうが、実際に、シェアトップを達成し、なおもユーザー数が増加している背景には、こうした地道な努力、戦略があるんですね。

 

 ちなみに、日本でLINEペイを使われている方は、日本のクレジットカードを登録していれば、台湾でもQRコードによる支払いが可能です。利用できる機能は、店舗での支払いなど限られたものになりますが、スマートフォンをピッと、するだけで決済ができるのはやはり便利、新型コロナウイルスが収束し、台湾に自由に遊びに来ることが可能になったあかつきには、是非チャレンジされてみてください。

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