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ようこそT-roomへ - 2020-09-30_台湾人が移住したい県と市は?

  • 30 September, 2020

 リスナーの皆様は、今、お住いの都道府県で生活されていて、「幸せ」と感じられていますか。この度、台湾のビジネス雑誌「天下雑誌」が、中華民国台湾の全22の県市の人々を対象に、現在住んでいる県市に対する評価、そして、移住したい県市に対する調査を行いました。県市というのは日本でいう都道府県に相当します。本日はそのまま、「県・市」とご紹介しますね。

 それではまず、「幸福度」についての結果をご紹介しましょう。「あなたは今暮らしている県市で生活していて、幸せだと思いますか」という問いに対し、最上位の県と最下位の県では13.6ポイントの差がありました。

 上位をご紹介しましょう。22県市のトップは、北東部の宜蘭県で94.9%、2位は南東部の台東県で93.8%、3位は北部、台北市をドーナツのように取り囲んでいる新北市と台湾の北の空の玄関口、台湾桃園国際空港のある桃園市で共に93.3%、5位は中部の台中市で93.3%でした。 

 続いては下位です。最下位の22位は、北西部の苗栗県で81.3%でした。そして、21位は台北市で83.8%、20位は南部の高雄市で84.2%、19位は中部の彰化県で84.7%、そして18位は北部の港湾都市、基隆市で85.8%でした。

 22県市のうち、およそ半分の12県市では、幸せだと思うと答えた人が90%を越え、最下位の苗栗県でも81.3%でも8割を越えているという結果となりました。最下位といえども決して低くはないですよね。「住めば都」とはいいますが、多くの人が満足しているといえそうです。

 では1位、しかもおよそ95%の人々が「住んでいて幸せ」と答えた宜蘭県にはどのような魅力があるのでしょうか。

 宜蘭で生まれ育った32歳の女性、周さんは、請け負った仕事を自宅でしながら、定期的に台北とを行き来をする生活をしています。周さんの知り合いだけでも、同じような暮らし方をしている人が5人以上いるといいます。出勤時間となりますと、高速バスのターミナルには台北市内へ向う人々の行列が出来ています。

 宜蘭から台北市へ出勤する人が多い理由をご説明しましょう。かつて、台北市、そして新北市から北東部の宜蘭県までは、台湾の在来線、台湾鉄道では特急列車でおよそ1時間半、各駅停車だと2時間半近くかかっていました。また、長距離バスも、曲がりくねった山道を越えるか、もしくは海岸線を沿って走るコースで、鉄道と同じくらい、さらにはそれ以上の時間がかかっていました。

 こうした中、2006年、台北市と宜蘭県を結ぶ新たな高速道路、国道5号が開通しました。全長54.3キロの国道5号建設において最大の難工事と言われたのが12.9キロに及ぶ雪山トンネルです。文字通り、雪山山脈を貫通する雪山トンネルは、13年の月日をかけて完成した台湾において一番長い自動車専用トンネルです。

 国道5号開通の翌年、2007年からは、台北市、新北市と宜蘭県を結ぶ高速バスの運行が始まり、アクセスは大幅に向上。朝晩の通勤ラッシュ及び週末を除けば、1時間ほどで結ばれるようになり、宜蘭は北部の人々のレジャーの目的地としてだけでなく、ベッドタウンという意味合いをもつようになったのです。ちなみに宜蘭県内から台北、新北市内への高速バスの片道切符は110元から170元(日本円にして395円から610円)前後です。

 周さんはこうした暮らしについて、「宜蘭の家で暮らしながら、台北レベルの賃金をもらえる」ことを挙げたほか、雪山トンネルを抜けると、山々や川など豊かな宜蘭の自然が目に飛び込んでくるとして、宜蘭での生活は常にリラックスできると、その魅力を語ります。周さんの働き方もこうした生活を可能にさせているといえますが、豊かな生き方といえるかもしれませんね。

 なお、南東部の台東県も2位と高くなっています。台北から台東に16年前に居住し、古本屋を営んでいる女性、羅さんは「台東の自然環境や、ゆったりとした暮らしは、大都市がもつ豊な資源、利便性を上回っている」と指摘します。羅さんは、台東の賃金は決して多いとはいえないものの、十分に暮らしていけるという事です。ただ、その一方、たくさん稼ぎたいと思う人は、台東での暮らしは難しい、との見方を示しています。

 続いては、最も移住したい県市はどこか、という調査です。トップは台中市で15.3%、2位は新北市で12.45%、3位は台北市で12.21%、4位は高雄市で9.68%、5位は台南市で9.18%、そして6位は桃園市で8.86%と、直轄市6都市がトップ6を占めました。

 同調査で、台中市は2016年に台北市を上回って以降、これで5年連続で1位となりました。台中市は2010年、かつての台中市と、その周囲を取り囲んでいた旧・台中県を合併し、新たに直轄市の台中市となりました。そしてインフラ建設を進めると共に、就業機会を生み出し、周囲の自治体から人口が流入しています。

  国立台北大学公共行政、政策学科の呂育誠・教授は、西部の中心に位置する台中は、台湾の新幹線、台湾高速鉄道もほぼ全列車が停車し、高速道路も含め、各交通網の利便性も高い、とその強みを指摘しました。

 台北市から台中市へ移住して2年という29歳の男性、洪さんは、「台中の生活リズムそして物価は、台北に比べて住みやすい。賃金は北部に比べると低いが、人間らしい生活を送れる」と述べ、また気候が安定していることについても評価しました。

 洪さんはまた、インフラ面に加え、長い歴史をもつ国立台湾交響楽団をもつなど文化面も他の都市に劣っておらず、さらに産業面においても、台中港など台湾経済の発展において、重要な役割を果たしてきた、と指摘しました。 

 台中市では2016年、市の中心部に台中国家歌劇院、ナショナル・シアターが正式オープンしたほか、今年の年末には初めてMRT(新交通システム)が開通します。総合的に台北市に負けない都市に成長しつつある、といえそうですね。

 今回の調査結果からは、台湾の人々が「幸福」について、多様な価値観をもっていることが明らかになりました。

 私は、幸福度ではブービーの21位、一方で移住したい県市では全体3位となった台北市で暮らしていますが、利便性はもちろん、各種カルチャー、イベントなどの充実しており、家を買うことさえ諦めてしまえば、非常に住みやすい都市だと感じています。ただ、より自然豊かな宜蘭での生活、というのにも憧れます。特に外国人にとっては非常に住みやすい都市です。

 台湾の友人がいるというリスナーの皆様は、幸福度について、また、もし移住するならどこに移住したいかについて聞いてみると、色々な話がきけて面白いかもしれませんよ。

 

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