History page of Radio Taiwan International (Rti)
close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

ようこそT-roomへ - 2020-05-27新型コロナによるフードデリバリーの急増

  • 27 May, 2020

世界各地で、新型コロナウイルスが流行する中、様々な業界が、大きな経済的ダメージを受けています。それは、今日27日の時点で、国内での感染者が44日間連続でゼロと、国内感染のリスクが低下している台湾でも同様です。

ただ、人々の生活スタイルが変化したことにより、追い風を受け、好調な業種もあります。台湾におけるその一つが、フードデリバリーサービスです。フードデリバリーサービスとは、スマートフォンのアプリや、ウェブサイトを通じ、レストラン、食堂、ファーストフード、ドリンクスタンドからオーダーし、自宅ないし、指定の場所まで届けてもらうサービスです。日本でもおなじみですよね。

台湾では、ドイツ発祥、鮮やかなピンクと白のコーポレートカラーの「food panda」と、アメリカ発祥で、黒と緑のコーポレートカラー、日本でもおなじみの「ウーバーイーツ」が2強といえます。 

こうしたフードデリバリーサービス、台湾市場では、昨年から火がつきましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、人々は外で食事を摂る機会が減ったことで、さらに大きく成長しています。リサーチ会社による最新の調査によりますと、台湾のおよそ47%の人がこれまでにフードデリバリーサービスを利用したことがある、と答えましたが、この3分の1を超える人は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに初めて利用したと答えました。そして、新型コロナウイルスをきっかけに初めて利用した人の利用頻度は、以前から利用していた人の利用頻度を上回っていることがわかりました。具体的には、週に複数回利用するヘビーユーザーは、従来のユーザーでは、全体の21%であったのに対し、コロナ以降に利用を始めた人は31%でした。また、月に数回利用する人の割合も、前者が47%、後者が52%と、やはりコロナ以降の利用者の方が高くなっています。何を隠そう、私も1月末、台湾で新型コロナウイルスが流行してから、フードデリバリーサービスをよく利用するようになりました。

少し距離のあるお店にはオーダーができないなど制限はありますが、いくつかのお気に入りのお店をみつけ、週に何度か利用しています。クレジットカード決済ができますし、お互いの感染リスク低下の為、配達員さんと直接の接触をさけ、家の前の棚などの上に置いてもらうということも可能なんです。

こうしたフードデリバリー人気が高まる中、様々な形態のレストランを運営する外食産業では、店舗からのデリバリーではなく、フードデリバリー専用のクラウドセントラルキッチンを設けました。このクラウドキッチンは一般の顧客には開放しておらず、キッチンがあるのみ、フードデリバリーサービスのオーダーに応え料理を準備するための施設です。限られた施設で、異なるブランドの料理をつくれ、コストも削減できるという、非常にクレバーな取り組みといえます。 

台湾市場でシェアナンバーワンの「foodpanda」は、既に、単なるフードデリバリーサービスの枠をこえ、多様なサービスを行っています。本日の「ようこそT-ROOMへ」では、台湾で存在感を高めるフードデリバリーサービスの新たな取り組みに関する話題をご紹介しましょう。 

「foodpanda」の新たな取り組みといえるのが、2月から正式にスタートした、新サービス「pandaモール」です。この「pandaモール」には、カルフールなどの大手総合スーパーのほか、こだわりの生鮮食品、チルド、冷凍品を扱うショップ、そして、ドラッグストア、台湾名産各種が揃うギフトショップなどが参加、利用者は、サイト上で店舗、そして商品を選ぶと、自宅へ配送してもらうプラットフォームです。

そして、今後は、この「pandaモール」を舞台に、コンビニエンスストア各社の戦いが繰り広げられそうなんです。台湾のコンビニエンスストアの密度は高く、韓国に次いで世界で2位という統計もありますが、歩いていける範囲内のコンビニエンスストアの商品まで、デリバリーサービスで扱われ始めているわけです。

「food panda」では1月から台湾市場シェア3位のコンビニエンスストア「ハイライフ」との提携を開始、現在600店舗の商品を購入できるようになったほか、シェア4位のOKストアとも提携し、現在対象はおよそ500店舗に達しています。

さらに、この4月、これまでは、すでに台湾市場から撤退したオネストビー、その後、ウーバーイーツとの提携していたシェア2位のファミリーマートが、「foodpanda」と提携、既に2ヶ月弱にして、対象店舗は既に500店舗に達しており、7月末までに全店舗の3分の1弱にあたる、1000店舗に増やす計画があります。

こうなると、台湾におけるシェア1位、セブンイレブンも黙っていません。セブンイレブンでは2014年に独自のデリバリーサービスを開始、店舗の人員に余裕がある時間帯、店舗の付近の顧客にむけ、デリバリーを行っていました。昨年9月には、大手タクシー会社傘下のデリバリーサービスと提携し、サービスを拡大、現在も続けています。

ただ、ここに来て、台北市の一部店舗において、「food panda」との提携を検討しました。同社では6月にも、拡大をするか否かの検討をするという話となっていますが、仮に本格参戦となると、コンビニ大手が揃い踏みということとなり、商品ラインナップ含め、各社がどのような特色が出していくのか、気になる所です。

こうしたフードデリバリーでのビジネスチャンスを、台湾の大手総合スーパー、Aマートも注目、参入を検討しているということです。

一方、安さと質の良さで高い人気を誇る台湾最大のスーパーマーケットチェーン、PXマートは、こうしたデリバリーサービスとの提携に慎重な姿勢をみせています。同社はその理由として、同社の扱い商品は生鮮食品の比重がおよそ2割と高く、生鮮食品は標準化が難しく、デリバリー担当者の商品選びの為のトレーニングにコストが掛かる上、顧客からのクレームが起きやすいこと、また、温度変化の影響により、品質の劣化が起こりやすいことを指摘しています。実際、先に参入した大手スーパーでは、商品選び、配達時間がかかる事からデリバリー担当者から敬遠されるという現象が起き、問題視されました。PXマートは生鮮食品の品質の高さも、顧客に人気の理由の一つですので、賢明な判断といえるかもしれません。

小売店側にも、フードデリバリーの波に乗る理由、そして乗らない理由がそれぞれあるんですね。ただ、ビジネスの嗅覚にすぐれた台湾の人たち、今後、どのような新たな業態との提携、そして新たなサービスが生まれるのか、非常に楽しみではあります。

Program Host

関連のメッセージ