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台湾ソフトパワー - 2022-06-28_台湾最後の「紋面」の“保持者”、セデック族の林智妹さん

  • 28 June, 2022
台湾ソフトパワー
「紋面」を施した台湾最後の原住民族である、セデック族の林智妹さん(セデック族の伝統名:Ipay Wilangさん)が先日6月18日、亡くなった。100歳だった。(写真:文化部文資局提供)

皆さんは「紋面(もんめん)」という言葉を聞いたことはありますか?この「紋面」とは、顔に施す伝統的な刺青のこと。

台湾原住民族のタイヤル族、タロコ族、セデック族で行われていた伝統的な儀式の一つで、これらの民族の伝統社会では、首狩りをしたことがある男子と、織物を織ることができる女子だけがこの「紋面」を入れる資格が得られ、「紋面」は結婚前の通過儀礼でもありました。

この「紋面」には、伴侶を得て家庭を持ち、集落の社会的責任を担い、死後は祖先の仲間入りをするという過程を象徴するものでした。

しかし、日本統治時代に「紋面」が禁止とされ、その風習は途絶えました。

そのため、新たに「紋面」を入れることはなくなりましたが、近年、その「紋面」に対する意識と理解を高め、貴重な原住民族の文化を後世に残していきたいとして、その「紋面」の“保持している者”を「民俗類無形文化資産(無形民俗文化財)保持者」として認定していました。

その「紋面」を施した台湾最後の原住民族である、セデック族の林智妹さん(セデック族の伝統名:Ipay Wilangさん)が先日6月18日、亡くなりました。100歳でした。

林さんは、登録によると1922年4月1日生まれ。台湾南部・花蓮県卓溪鄉出身のセデック族。15歳の時、伝統に従って、額と頬に栄光と純潔のシンボルである刺青を入れました。

日本統治時代に禁止とされたあと、当時、日本政府によって強制的に除去され、「紋面」は微かな跡だけが残っていましたが、林さんは、自分の民族の文化の痕跡を保存し、再現。生涯を通じて伝統の継承活動などに取り組んできました。

そんな林さんは、2016年に、その「紋面」を“保持している者”として、花蓮県の「民俗類無形文化資産(無形民俗文化財)保持者」に認定。

当初、この「民俗類無形文化資産(無形民俗文化財)保持者」に認定されたのは、林さんを含め6人いましたが、既に皆、高齢であったことから次々と亡くなり、2019年に台湾北西部・苗栗在住だったタイヤル族の柯菊蘭さんが亡くなった後、林さんが台湾で最後の「紋面」の“保持者”となっていました。

昨年(2021年)2月には、台湾北部・新北市に住んでいた林さんのもとを、蔡英文・総統が訪問。高齢のため、近年は自宅療養が続いていましたが、蔡・総統が訪れた際には、林さんは2曲の自作の歌を披露して、訪れた人々への感謝と共に、国家の安泰を願い、総統の健康を祈っていました。

この度、「紋面」を施した最後の“保持者”であった林さんが亡くなったことで、台湾の「紋面」はまさに“歴史”となってしまいました。

「紋面」を施した最後の“保持者”であった、セデック族の林智妹さんが亡くなったことを受け、蔡英文・総統は自身のフェイスブックページで、生涯を通して文化の継承に尽くした林さんに感謝をするとともに、これからも台湾原住民族の言語と文化を守るための努力をすることを約束しました。

また、文化部の李永得・部長も、生涯に渡ってあらゆる困難に立ち向かった林さんの勇気ある人柄は、深く、意義のある人生を表していて、台湾原住民族の伝統的な「紋面」を保存し、まさに台湾の宝であったとし、惜しくも亡くなられましたが、彼女の人生と「紋面」の輝かしい記憶は、永遠に後世の人々に残っていくことでしょうと追悼のメッセージを寄せています。

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