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台湾ソフトパワー - 2021-03-16_数々の賞を受賞し注目を集める苗栗のカメラマン曾進發さん

  • 16 March, 2021
台湾ソフトパワー
2020年に「モスクワ・インターナショナルフォトアワード」で賞を獲得した曾進發さんの作品「大肚新娘」。たまたまこの場所で結婚写真を撮りに来たウエディングドレス姿の女性に臨時のモデルになって欲しいと数枚撮ったうちの1枚。(写真:曾進發さん提供/CNA)
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「2020TIFA東京インターナショナルフォトアワード」で金賞を受賞したのに続き、「審査員団が選ぶトップ5セレクション」にも選ばれた、台湾北西部・苗栗のカメラマン曾進發さんの作品「生命之樹」。(写真:曾進發さん提供/CNA)

先日、台湾北西部・苗栗のカメラマン、曾進發さんの作品「生命之樹」が、「2020TIFA東京・インターナショナル・フォトアワード」で金賞を受賞したのに続き、今年最初の「審査員団が選ぶトップ5セレクション」にも選ばれました。

この「2020TIFA東京・インターナショナル・フォトアワード」の受賞者リストは2月に発表され、曾進發さんは金賞2つ、銀賞1つ、銅賞5つを獲得。そのうち、抽象的なシンボルで海岸沿いの生命力を表現した作品「生命之樹」が広告/旅行・観光部門の金賞を受賞しました。

さらに、この「TIFA東京・インターナショナル・フォトアワード」は、公式の受賞の他に、今年は初めて審査員団に「トップ5」の写真を選んでもらい、「審査員賞」を設けカメラマンをたたえることとしました。

そして、曾進發さんの「生命之樹」が金賞受賞に続き、審査員からの高評価を得て、その「審査員団が選ぶトップ5セレクション」にも選ばれたのです。

この作品「生命之樹」は、曾進發さんが中国大陸福建省の霞浦に旅行した際、霞浦海岸で撮影されたもので、潮の満ちているときの海岸線と引いているときの海岸線の間の帯状の部分である「潮間帯」の浜辺に夕陽が照り付け、まるで2本の樹のような形が現れ、そこに漁で採れたものを担ぎ歩いていく2人の女性の姿が。このシーンをとらえた後、曾進發さんは、海と樹、女性の組み合わせが、生命をはぐくむ力強さを表していて、ストーリー性のあるシーンになっていることに気が付いたそうです。

審査員はこの曾進發さんの「生命之樹(生命の樹)」について、「現実の労働者の姿を抽象的なイメージで見事に表現している。とても素晴らしい。引き込まれていく」と評価しています。

なお、この「審査員団が選ぶトップ5セレクション」は今年初めて創設された項目の賞で、応募を募ったりもなく、審査員団が直接「2020TIFA東京・インターナショナル・フォトアワード」の受賞作品の中から選出したそうで、各賞の受賞者も全く知らず、曾進發さんも、「審査員団が選ぶトップ5セレクション」選出の祝賀メールが届いたことで初めて自身の作品が選ばれたことを知ったんだそうです。

このサプライズに曾進發さんは、まるで自身の新年のお年玉のようだとしています。

そんな曾進發さんは、苗栗県の竹南崎頂の貧しい農村で生まれました。若く、貧しかったので、鳥や動物、植物、昆虫、魚などについて詳しく知ることができたと語っています。

言葉とイメージの重なりにはまり、言葉とイメージで見聞きするものをとらえることを得意とし、「我手寫我心、我心攝我影(私の心を手で書き、私の心は私の影を撮る)」を創作のモットーとしています。

国立中央大学の中国語学科を卒業。学生時代には大学の詩歌クラブの部長を務め、中央大学の「金筆獎」と呼ばれる現代詩部門で1位を獲得したこともあります。

26歳から50歳にかけて、広告会社のクリエイティブディレクターや、世論調査員を経て、オーストラリアで3年間生活するなど、「貧乏からの脱却の旅」を展開してきた曾進發さん。そして写真の世界に入ったのは50歳からなんだそうです。

広告会社での経験から、視覚と文字の感覚が養われていて、そのおかげで撮影過程において構図のヒントを容易に把握でき、また、光や色彩に対する独特の見解もあることで、短時間で質の高い作品を蓄積することができました。

曾進發さんの注目の作品は、今回「審査員団が選ぶトップ5セレクション」にも選ばれたこの「生命之樹」だけでなく、北海道で早朝5時に氷点下30℃の中、砕氷船から撮影された、流氷の上で獲物を取り合う2羽の鷹を映した「流冰上的虎頭海鵰捕魚」は、2019年に「生命之樹」とともに「モスクワ・インターナショナル・フォト・アワード」で金賞を受賞しています。

また、昨年2020年にも同アワードで数多くの賞を受賞しています。その中の一つ「大肚新娘」という作品は、初めて母になり、結婚を控えた喜びと満足感を表していて、純白のベールと後ろの山々が絡み合い、詩的で絵のように美しい作品。

元々はその場所で山々の間に沈む夕日を撮影していたところ、たまたまこのウエディングドレス姿の若い女性が結婚写真の撮影に現れその場所を貸して欲しいと言われたため、では臨時のモデルになって欲しいと数枚写真を撮ったんだそうです。

無心でとらえたその写真は、偶然にもとても自然な瞬間をとらえていて、その作品が賞をとるというサプライズにもなりました。

また、数年前、グループで台湾中部・彰化の鹿港に行って撮影イベントを行った際、夜に日本の建築士・伊藤豊雄・設計の台中歌劇院を通り過ぎようとした際、建物の灯、そして夜のぼんやりした雰囲気に、すぐに外観の写真を撮ったという1枚は、建物の前にある池にその美しい姿が映り幻想的な作品となっています。

他にも、台湾の伝統的なピンク色した亀の甲羅の模様をしたお菓子「紅龜粿」などを蒸している年配の女性を映した作品や、台湾北部・桃園の大溪エリアの廟のお祭りの様子を撮影した作品など、台湾の文化的な風景を映した作品も注目を集めています。

写真の世界に入ってからわずか10年足らずですが、これまでに数々の賞を受賞している曾進發さん。

出身地である苗栗県の徐耀昌・県長も「作品を通して、台湾各地の人文や風景が国際的な対話の中に組み込まれ、台湾が国際的に輝き続けることを願っている」と語っています。

曾進發さんのこれからの活躍にも注目です。

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