≪トーク①:令和2年秋の外国人叙勲、台湾から3名が受章≫
先日、日本の「文化の日」である11月3日付で、今年(2020年/令和2年)秋の外国人叙勲受章者が発表されました。この秋の外国人叙勲とは、日本との友好親善などに顕著な功績のあった外国人に対する叙勲で、今回は、旭日章および瑞宝章合わせて141人の外国人が受章。そのうち、日台間の友好関係の増進に顕著な貢献があったとして台湾から3名の方が受章されしました。
その3名の受章者とは、原子力が専門で日本の事情にも詳しい、輔仁大学跨文化(異文化)研究所兼任教授であり、台湾大学と中国文化大学の日本研究センターの諮問委員を務めている、謝牧謙・教授が「旭日中綬章」を受章。「原子力分野における日本・台湾間の学会・産業界の交流進化および相互理解の促進に寄与」した功労が評価されました。
そして、「台湾における対日理解の促進および友好親善に寄与」したとして、現在、池上一郎博士文庫研究学会理事長を務める、劉耀祖氏が「旭日双光章」を。現在、社団法人台湾歴史資源経理学会秘書長を務める、丘如華氏が「旭日単光章」をそれぞれ受章しました。
これを受け、日本の台湾窓口機関である日本台湾交流協会は、受章者の貢献に敬意と謝意を示しました。
1972年に中華民国と日本の国交断絶以降、、台湾からの叙勲受章者入りは無くなっていましたが、2005年に台湾の方々を対象に叙勲が再開されて以降、今回の秋の叙勲で受章者は65人となりました。
≪トーク②:「旭日単光章」受章の丘如華さん≫
令和2年秋の外国人叙勲では台湾から3名が受章されましたが、そのうちの一人、「旭日単光章」を受章した、社団法人台湾歴史資源経理学会の秘書長を務める丘如華さんについてもう少し詳しくご紹介しましょう。丘如華さんは、現在74歳。台湾の戒厳令が解かれる前からの文化運動の先駆者と言われています。
ウィーンの音楽学院で音楽を学んだあと台湾に戻ってからは大好きな歴史を選択、古跡や集落の保存に力を注いできました。
今から32年前の1988年に「我愛迪化街(愛する迪化街)」運動を起こし、台北市の旧市街、大稻埕、迪化街の260棟の古い町の建物を保存することを始めました。丘如華さんは、まずは最も重要なカギとなるそこに住む住民たちに先に利益を与え、街を整えることに賛成をもらっていきました。そうでなければ家を崩してビルを建ててしまうかもしれなかったからです。具体的には、法律を動かすサポートをし、迪化街の屋根の上の「空」、つまり建物の上の空間をデベロッパーに売却できるようにすることで、大きな利益を得ることができるようにし、その一部を使って古い建物を修復することができたのです。こうして153か所の古い建物の保存と、110棟の歴史的建築物の外観の維持を促進しました。これに、もし都市再生の参与したものや改建審査に携わったものも含めれば、全部で377棟を手掛けたことになります。
迪化街の建物は、入り口が狭く、奥行きのある建物が連なっていますが、これは店舗と住居を兼ね備えた造りとなっており、清の時代の台湾の商業の街の典型的なスタイル。百年の歴史を持つそんな迪化街の建物は京都の千年町屋を歩いた時を彷彿とさせるような優雅で静かな雰囲気を感じ、この百年の輝きを保存しようとしたそうです。
また、当時は古い町は道を広げることで発展するという考えがあり、発展のために迪化街の道を広げなくてはならないという考えでしたが、丘如華さんはその考えも変えました。“本当に古い町は道を広げれば発展するのか?”─。その答えはおよそ30年経った今わかりました。すでに道幅を広げた塔城街よりも、古い街並みを保存した迪化街が発展しているのは明らかですね。
丘如華さんは、まさに大稻埕の歴史的な街並みを形成する先駆けとなった運動家です。今の迪化街があるのは丘如華さんの活動による貢献がとても大きいのですね。
そして、丘如華さんの活動は迪化街、大稻埕にとどまりません。2000年には日本から招待を受け、東京大学で2か月間短期研究に参加。広島の鞆の浦で、歴史的港湾施設が残る港を埋め立て橋を建設するという事業に対する街づくりの活動と研究にも参加しました。日本の歴史の街保護に対してとても興味を持ち、「日本全国街並み保存連盟」とも交流があるそうで、彼女が立ち上げたNGO組織では、日本の経験から学ぶだけでなく各地のコミュニティ組織とともに成長していて、台湾での歴史集落の保護にも努力を惜しみません。
2016年に、古跡である「北門」のすぐ横を走っていた高架橋が解体され、今では歴史的建築物が多い「北門」周辺は整備されていますが、この高架橋の解体を柯文哲・台北市長に提案したのも丘如華さん、そして今も、台北市中山区にある「建國啤酒廠」の保護のために奮闘中です。
さらには、彼女は人と会うことが大好きで、たとえどんなに歴史的な集落が遠くにあっても、東南アジアでも北東アジアでも向かいます。必要とする場所で人類文化集落を守りたいという情熱と、資源統合問題を解決する面で貢献しています。
「歴史的文化資産はその土地の人にとって“替えることができないもの(替わりのないもの)”であると信じている」という丘如華さん。これからも歴史を守るために走り続けます。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 
