History page of Radio Taiwan International (Rti)
close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

数字の台湾 - 2025-04-07-①「3500万台湾元」 ②「5万5000匹」

  • 07 April, 2025
数字の台湾
世界でも珍しい越冬する台湾のチョウ「紫斑蝶(ルリマダラ)」(写真:林内郷農会)

①「3500万台湾元」:台湾で先月6日に公開された宮崎駿監督の作品「風の谷のナウシカ」の先月25日までの興行収入の合計(わずか19日間で日本円でおよそ1億6000万円近くに達した)

この数字もすごいですが、実は公開開始後4日間ですでに、その半分近くを占める1700万台湾元(約6400万円)を突破しており、台湾におけるジブリの名作再公開シリーズとしては最高のオープニング興行収入を記録しました。

日本のアニメーション制作会社「スタジオジブリ」の映画に関しては2021年から台湾の配給会社により劇場上映されていますが、実は「風の谷のナウシカ」が台湾の映画館で上映されるのは今回が初めてです。というのも、同作品は1984年に日本で初めて公開され、ジブリ作品の中では初期のものであるため、そういった一部作品は台湾で上映されていなかったのです。

41年の時を経て初めてのスクリーン登場に、元々ジブリ人気の高い台湾において多くの人が映画館に足を運んだのです。

他にこの映画が話題となっている理由として、公開後毎週、来場者特典である台湾限定版ポスターが配布されたから。SNS上では写真と共に手に入れた喜びを文章で投稿する人が続出。例えば公開第一週には、作中に登場する巨大生物「王蟲(オーム)」が大きくデザインされたポスターがお披露目され、ある人は額縁に入れて廊下に飾った写真と共に「美しすぎる」と投稿。またある人は、率先して各映画館に残っているポスターの枚数をリストとしてまとめたことが台湾のメディアに取り上げられました。このポスターは台湾の有名グラフィックデザイナー、ジョー・ファン(方序中)さんがデザインしました。ジョー・ファンさんは2017年に日本・東京都で台湾交通部観光局と、台湾の4つの自治体の共催により開かれた台湾と日本の友好関係をPRする展示会のデザインも担当したり、これまで数々のデザイン賞を獲得してきたお方だということで、人々を惹きつけるポスターを製作したというのも納得です。オームが描かれたポスターは6万枚限定の配布で、海賊版防止のため、それぞれに5桁の番号が割り振られています。つまりゲットできたその一枚は世界に一枚しか存在しないものなのです。ジブリ好きの方やコレクションが趣味の方には堪りませんね。

また、映画公開の二週目と三週目に配布されたポスターもそれぞれ好評を博したほか、 3/28から4/3まで上映分の公開四週目には作中のヒロインのナウシカが秘密の花園を作るという設定に基づき、白い植物の部分を指でこするとお花の香りを楽しめるポスターも登場。この香りが宮崎駿監督の名作同様長く愛されるよう、特殊な紙に特殊な印刷技術を施しつくられ、台湾初の香り付き映画ポスターとなりました。

これらのポスターはどれも数量限定で、それぞれの週ごとに上映される映画のチケットを購入すると手に入れることができました。全種類ともコレクションできた人はどれくらいいるのでしょうか。そして、《風の谷のナウシカ》は台湾で上映されたジブリ作品の中で最高の興行収入を記録した、2023年上映の《君たちはどう生きるか》を超える記録となるのか、今後も注目です。

②「5万5000匹」:世界でも珍しい、越冬するチョウ「ルリマダラ」が先月12日に中部・雲林県林内郷を通る高速道路「第二高速公路」の一部区間で観測された数

第二高速公路は台湾の南北を結ぶ高速道路。

なぜ第二高速公路で「ルリマダラ」を観測しているかというと、そこはちょうど、越冬を終えて台湾南部から北に戻るルリマダラの飛来経路となっているからです。今年は1分間で690匹という数が観測されたため、通行車両の安全を考慮し、高速道路を管理する交通部(日本の国土交通省に類似)高速公路局は道路を一時通行止めにして“チョウ優先”の措置を取った、これは観測開始以来一年で最も早い通行止め実施となった、そんなニュースを目にしました。なんだか癒されるニュースですね。

ルリマダラの中国語名は漢字で「紫斑蝶」と書き、特徴は前羽の裏側が紫色で、光沢を帯びています。

世界に存在する集団で越冬するチョウは、このほか、メキシコとアメリカ間を移動するオオカバマダラの2種類だけです。この点を利用して以前にはそれぞれの越冬先の地域間で姉妹協定を結んではどうかという考えが交通部から出されたこともあります。

ルリマダラは毎年10月から2月にかけての冬の越冬先として特に南部・高雄市の茂林区にある海抜500メートル程度の「ルリマダラの谷」と呼ばれる谷間を選び、生活します。もし雨が降っていなければ、ほとんど毎日朝9時から夜5時まで活動し、時にはマンゴーなどの花の蜜を吸う個体も見られるため、その姿を観察に訪れる人もいます。茂林区にあるルリマダラを観察できるスポットの道路両脇には世界で一つだけの「前方に蝶がいるので減速してください」という交通標識が見られます。一方でメキシコのオオカバマダラは、越冬中は植物にぶら下がっているだけで、とくに活動はしません。この点でもルリマダラはとても貴重なチョウなんです。

しかし2004年に第二高速公路が全通して以来、その数は激減していることが問題に。高速道路を走る車によって気流が起こり、これに巻き込まれて大量死することがあったのです。他にも温暖化によって花の開花時期がずれ、ルリマダラが蜜を得られなくなったり、水不足によって吸水行動ができなくなったり、さらに、マンゴーの蜜に含まれる農薬により生命が脅かされたりと、さまざまな原因で個体数が減っています。こうした事態を受け、ルリマダラの生態環境を守ろうと茂林国家風景区をはじめ、各機関が動き始めています。その取り組みの一環が、高速道路の一時通行止めなのです。

何はともあれ、今年も多くの数が越冬する姿が確認できて良かったと思います。

Program Host

関連のメッセージ