History page of Radio Taiwan International (Rti)
close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

数字の台湾 - 2025-03-03-【2025年4月4日夜10時45分】

  • 03 March, 2025
数字の台湾
神意を問う道具、赤い三日月型のポエを使って大甲媽祖巡行の日時を確認する鎮瀾宮の役員ら。(写真:CNA)

*今日の数字

「2025年4月4日夜10時45分」

「大甲媽祖巡行(中国語名:大甲媽祖遶境)」の2025年度のスタート時間
****

台湾中部・台中市北西部に位置します大甲区(だいこうく)は、年に一度開催される、宗教の一つ、道教に関する大型イベントのスタート地点です。そのイベント名は「大甲媽祖巡行(だいこうまそじゅんこう)」、中国語名だと「大甲媽祖遶境」と言います。

台湾において、有名な道教の宗教施設、廟の一つに「大甲鎮瀾宮(だいこうちんらんぐう)」が挙げられます。この廟は先ほども話した台中市大甲区にあり二百年余りの歷史を有するのですが、ここをスタート地点として行われるのが「大甲媽祖巡行」なのです。実は、今年は4月4日の夜10時45分に始まることがすでに決まっています。これが今日の数字です。

道教は台湾で仏教の次に信仰者数が多く、台湾の最高学術機関である中央研究院の社会学研究所というところが2021年に発表したデータによりますと、全台湾人口のうち約19%の人が道教を信仰していると答えたそうです。最も多くの人が信仰していると答えた仏教は約20%でした。ただ、この数は、一つしか信仰している宗教を選ぶことができない場合です。なんと言っても台湾には信仰者数の多いもの少ないものを合わせてびっくり22種類もの宗教が存在しており、そのため道教と他の宗教を同時信仰している人も多くいるので、実際に道教を信仰している台湾人は更に多いと予想されます。

では、そんな道教のイベント「大甲媽祖巡行」とは一体どのようなものかというと、台湾の人々に最も慕われているとされる道教の神様、「媽祖」の生誕日である旧暦3月23日前後に開催される、大甲鎮瀾宮に祀られている媽祖を乗せたみこしが9日間をかけ、中部の台中、彰化、雲林、中南部の嘉義の4つの県と市を練り歩きます。その距離全長約340キロに及び、毎年、多くの信者を引きつけます。

なんと、全日程を合わせると世界でも類をみない規模の毎年100万人以上が参加します。国連教育科学文化機関(UNESCO)の無形文化遺産にも登録されている台湾を代表する宗教イベントです。

ではいつどうやって、毎年開催の日程を決定しているのでしょうか?

慣例として、旧暦1月15日に当たる元宵節、つまり、旧正月の最終日を祝う日に決定されます。毎年スタート地点の鎮瀾宮で決定する儀式が行われるのが恒例なのですが、そこの董事長(会長)が当日、廟の役員たちを率いて、「ポエ」、中国語で「擲筊(中国語読み zhí jiǎo)」と呼ばれる、二つの赤い三日月型の木片を投げて媽祖の教えを問うという占いの方法で決められます。その方法として、まず、媽祖が祀られている方へ向かって自分の名前、生年月日、住所を伝えます。それから媽祖に聞きたいことを心の中で念じます。これで媽祖に聞きたい質問を伝えることができます。そして最後にポエを両手に持ち同時に投げて、どちらかが表、もう片方が裏を向いて落ちれば、その質問に対して媽祖は肯定の意見を持っているということなのです。この、表と裏の組み合わせで落ちた状態を「シンポエ(聖筊 中国語読み:shèng jiǎo)」と呼びます。毎年元宵節の午後6時から鎮瀾宮で開催される儀式の中でこれが行われるのですが、今年は廟の董事長がポエを2回目に投げた際、媽祖の同意を示す「シンポエ」(聖筊)が出て、結果、4月4日の夜10時45分に開始される事となったそうです。初日は鎮瀾宮を出発し、そこから彰化市の南瑤宮(なんようぐう)、雲林県の西螺福興宮(せいらふくこうぐう)、嘉義県の新港奉天宮(しんこうほうてんぐう)、彰化県の北斗奠安宮(ほくとてんあんぐう)と彰化市天后宮(しょうかしてんごうぐう)、台中市の清水朝興宮(せいすいちょうこうぐう)を経て最終日の4月13日に台中市大甲区の鎮瀾宮に戻ってくる予定となっています。

実は私、そんな「大甲媽祖巡行」に昨年初めて参加してみました。感想は「とっても楽しかったけど、それと同時にとっても疲れた。でも媽祖様を間近に感じられて嬉しかった」です。

私は初日に、今年と同じスタート地点の鎮瀾宮から出発したのですが、その時点で人がものすごく多くて身動きがほとんどままならなかったほどです。ただ、廟の周りには夜市のような露天が並んでいて、スタート前はそこで台中市のグルメも楽しみながら、これから始まるドキドキ感や台湾ならではのお祭りのような雰囲気を感じ、今でも思い出に残る時間となりました。

スタート時、人混みの中にいた私は、前方にいる媽祖を乗せたみこしの姿は見えなかったので、YouTube上で各テレビ局が生放送している映像で媽祖が乗ったみこしを見て、「少しでも早く近付いてみたいなあ」と思っていました。また、スタート時には廟の上の方で花火が打ち上がり、それを合図に徐々に人混みが前方へと進み、私も非常にゆっくりではありますが前へ前へと歩き始めました。ただ、始まって3時間ほどは周囲に人が多く自分のペースで歩けないため疲れやすかったです。そんな中、有り難かったのが、各ポイントに設置されている無料の食べ物や飲み物の提供。主に、歩いている際に食べやすい、片手で食べられるパンや果物、また紙の器に入ったその土地ならではのグルメや、缶や紙パックの飲み物が振るわれ、また、提供場所には椅子やテーブルのあるちょっとした休憩スペースもあり、立ち止まってひと休みできます。そこで更なるエネルギーを蓄え再び媽祖に近づくために前進を始めるのです。受け取る際に地元の人や他の参加者と交流もできますので、これも楽しみに参加するのも良いですね。

ただ一番のメインはやはり何といっても、媽祖に近づくこと。みこしは各地の廟に到着すると、そこで一旦止まり、各地の廟に鎮座する神様たちと挨拶をしてから再び巡回します。その際にはより近づいてみこし見られるので、この時間を狙って行くのもお勧めですよ。

そんなこんなで私は無事に媽祖の乗ったみこしに近づき触れ、一年の平和と健康を祈ることができました。

また、各廟へ入った際に、各廟では爆竹が鳴らされ、その際に落ちた赤い破片を持ち帰ると媽祖からのご加護をより受けられるという風習もあり、私も袋に入れ持ち帰りました。そのお陰かどうか、今日も元気に台湾で暮らしています!

もし皆さんも私の体験談を聞いて興味を持ちましたら、是非台湾の一大宗教イベント「大甲媽祖巡行」を体験してみてはいかがでしょうか?

Program Host

関連のメッセージ