今日ご紹介するキーワードは「九蛙疊像」。
これは、台湾中部・南投県の「日月潭(サン・ムーン・レイク)」の“隠れた”人気者、「九匹のカエルの銅像」のことです。
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「日月潭」といえば、周囲37キロの台湾最大の淡水湖で、四方を緑豊かな山々に囲まれ、その山々と水が織りなす景色はまるで山水画のように美しく、また、四季の移り変わりや、時間の移り変わりによっても、早朝は霧がかかった様子がまるで湖がベールを纏っているようにも見え、夕暮れ時にはオレンジ色に輝く湖面が見られたり、夜は静まり返った湖面にわずかに揺らめく灯り…と、いろんな美しい景色を見せてくれる風光明媚なスポットです。
そんな景勝地である「日月潭」の“隠れた”人気者といえば「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」─。
Rtiのニュースでも時々話題に上るので、その名前を聞いたことあるという方も多いと思います。
この銅像は、「親ガエルの上に子ガエル、子ガエルの上に孫ガエル…」といった感じで、カエルが9匹縦に積み重なっているオブジェのことです。
一番上のカエルの頭の高さの位置が標高748.48メートルで、一番下のカエルの頭の高さの位置が標高745.90メートルなんだそうで、湖の中に設置されているため、ダム湖の水が豊富にあると隠れてしまうんですが、水位が下がると上から1匹ずつが姿を現して、何匹目が頭を出しているかが水位の指標だとして台湾の人たちに親しまれています。
ちなみに、数年前に、水位が下がり一番下のカエルまで姿を現したときには観光客は大喜びとなった一方で、9匹全部が姿を現すということは水不足で給水制限がかけられるのではないか?心配されたこともありました。
しかし台湾電力によると、一番下のカエルが姿を現しても、日月潭(にちげつたん)の貯水率はまだ85%あって、安全の範囲内なんだそうです。また、水力発電の関係で一日のうちでも2メートルの水位差が出るということなので、同じ日でも違う時間に観に行くと姿を現しているカエルの数が違ったりするんだそうですよ。
そんな多くの人から注目されている“隠れた”人気者の「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」─。
誕生のきっかけは、観光産業を盛り返すため。
日月潭では1990年に発生した重大な船転覆事故以降、観光産業が落ち込んでいたことから、観光の目玉となるものを募集し、この「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」のデザインが選ばれたそうです。
元となるデザインは、921大地震の前に南投県風景区管理処より水蛙頭自然歩道の設計を依頼されていた青境景観設計会社の呂兆良さんによるものですが、製作は地元の有名な芸術家である沈政瑩さんが手がけました。
実は「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」は完成した後、湖の中に基礎が建てられず、しばらくは歩道の側の岸に置かれていたそうで、多くの観光客が一緒に写真を撮ろうと集まりました。その後、湖の中に固定されると、偶然にも日月潭の水位を観察する指標となり、また新たな形でのランドマークとなりました。
そんな、“隠れた”人気者となっている「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」ですが、その製作者の沈政瑩さんが先週末、10月26日に亡くなりました。82歳でした。
沈さんは、地元・南投県の美術協会の常務理事を務めたこともあり、この日月潭がある魚池郷の郷土美学芸術の推進者として活躍されていました。しかし、近年は高齢のため関節リウマチを患い、動くことが困難になり、車いすでの生活が多くなっていたそうです。寝たきりになることも多くなったものの、日常生活はいたって普通だったそうですが、先日26日に自宅で静かに息を引き取りました。
この知らせに、地元の人たちはとても悲しんでいますが、沈さんが遺した「九蛙疊像(九匹のカエルの銅像)」は、これからも地元で多くの観光客を迎え、みんなからも愛され続けていくでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
Rti 台湾国際放送
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