今日ご紹介するキーワードは「熊貓」と「貓熊」。
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先日、このコーナーでレッサーパンダの話題をご紹介しましたが、レッサーパンダの中国語・台湾華語、覚えていますか?そう、「小貓熊」でしたよね。
ここで、あれ?「パンダ」といえば「熊貓」だから、レッサーパンダは「小熊貓」じゃないの?「小貓熊」なの?と思った方もいるかもしれませんね。
実は、パンダの言い方には「熊貓」も「貓熊」もどちらもあって、一般に「熊貓」を使う人が多いのですが、台湾では、中国語・台湾華語では修飾語は前に置くという習慣から「貓熊」が正しい名前であるとして、馬英九氏が総統時代にメディアに正式な名称を使うよう規定したため、台北市立動物園でも「貓熊」と表記されています。
そもそもなぜ前後が逆になってしまったのかというと、昔の動物学者が書いたあるエッセイで、戦時中、中華民国が中国大陸にあったころの四川省のある博物館でのエピソードについて言及されていて、そこには「本来、右から左に読むところを読み間違えて、本来の『貓熊』が『熊貓』となった」と書かれていたそうです。しかもその読み間違えた「熊貓」の方が、当時の出版業界で権威のあった辞書でも使われていたそうです。
このエッセイの内容は未確認の見解ではあったものの、その後、多くの人に引用されて、馬英九・元総統が名前の変更を求める根拠となったと言われています。
でも変更を求められたのに、なぜ未だに台湾でも「熊貓」という言い方が浸透しているのかというと、元々、長い間、その言い方で慣れていてたということに加え、アメリカのアニメーション映画『カンフーパンダ』が台湾でも人気で、その中国語タイトルは「功夫熊貓」といって、「熊貓」の方を使われていたという影響もあり、パンダのことを「熊貓」という人が多いようです。
ちなみに、茶褐色の“レッサーパンダ”の方が先に発見されていて、元々「パンダ」という名前はその“レッサーパンダ”に付けられた名前だったそうですが、その後、白黒の大きな似たような特徴を持つ動物が発見され、名前を付ける際に、消化器官や生息地、食べ物、そして笹の葉を食べやすくするために成長した“第6の指”と呼ばれる骨が発達した特殊な突起があるところが非常に似ているとして「パンダ」とひとくくりにされ、白黒の大きい方を“ジャイアントパンダ”、茶褐色の小さい方を“レッサーパンダ”と呼ぶようになり、台湾華語では“ジャイアントパンダ”は「大貓熊」、レッサーパンダは「小貓熊」となりました。
ただ、“ジャイアントパンダ”と“レッサーパンダ”は、“パンダ”とひとくくりにされていますが、実は異なる種類の動物で、“ジャイアントパンダ”は「クマ科」の動物。体重は120キロ近くあり、食べ物の8割が笹の葉で、樹に上ることは少ないのが特徴。“レッサーパンダ”の方は、体重はわずかに5キロ程度で、食べ物は、笹は50%程度、樹に上るのが大好きと全然違います。
そして更にややこしいのは、中華圏の人たちの習慣として、動物の子供のことを言うとき、頭に“小さい”という字を付けて呼びます。
例えば、「象」の子供のことは「小象」、「犀牛(サイ)」の子供のことは「小犀牛」と呼びます。日本語の「子猫」や「子犬」などと同じような感じですね。
そのため、以前、パンダの赤ちゃんが誕生した時、多くの人が「パンダ」の頭に“小さい”という字を付けて「小貓熊、可愛い~!」なんて言っていましたが、その呼び方になると、「パンダの赤ちゃん可愛い!」ではなく「レッサーパンダ可愛い!」と、別の動物の話になってしまう…ということもありました。確かにどちらもかわいらしいですけど、ややこしいですよね。
ちょっとややこしい、台湾華語での“パンダ”の言い方─。
会話の中では「熊貓」と言っているのをよく聞くかもしれませんが、ニュースなどでは「貓熊」を使っていることがほとんどですので、ぜひ注意して聴いてみてくださいね。
Rti 台湾国際放送
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