今日ご紹介するキーワードは「國家防災日」。
日本では、1923年9月1日におよそ10万5千人の死者・行方不明者を出した関東大震災が発生したことに由来して、9月1日を「防災の日」と制定していますが、台湾にもあります。
中華民国台湾では、2000年に全国民の防災意識と国家の防災対応能力の向上を目的に毎年9月21日を「國家防災日(国家防災の日)」と制定しました。
なぜ9月21日なのかというと、1999年に発生した「921大地震」に由来します。
この「921大地震」とは、1999年9月21日午前1時47分、台湾中部の山間部で発生したマグニチュード7.3を記録した逆断層型地震の事で、揺れはおよそ102秒間続き、台湾全島で揺れを感じました。国外でも、日本の与那国町祖納や竹富町西表で震度2を観測したという大きな地震です。
この地震により、2,417人が死亡、行方不明者29人、そして1万1,305人が負傷したほか、5万1,711棟の家屋が全壊、5万3,768棟が半壊するなど、台湾の戦後で最も深刻な死傷者と損失を出した自然災害となりました。
多くの犠牲者を出しただけでなく、道路や橋などの多くの交通施設、ダムや堤防などの水利施設、電力設備、生命維持パイプライン、工業施設、病院、学校、政府機関など公共施設も被害を受けました。また、この地震によって大規模な地滑りや地盤の液状化を引き起こし、震源地の台湾中部では最も大きな被害を受けました。
そして被害は震源地付近のみならず、地震直後には台湾全土が停電に。その際、台湾電力の「電力システムの総合拠点」だった中寮超高圧変電所が地震で被害を受け、台湾全土の停電は10月10日まで続きました。
このように災害の規模があまりに大きかったことから、地震発生から4日後の9月25日に、当時の李登輝・総統が緊急命令を発令し、国防部は多数の軍隊を動員して、災害救援、災害後の復興任務、被災者の避難、また災害エリアの清掃支援やプレハブ住宅の建設、危険な建物の取り壊しなどを行いました。この時、被災地に投入された兵士の数はのべ46万人と、国軍による災害救援活動としては近年で最大規模となっています。
そしてその後、2000年に中華民国政府は災害発生時の防護措置を講じ、死傷者の数を最小限に抑えようと、毎年9月21日を「国家防災日」と定め、地震訓練を行っています。
今年も今日、9月21日の午前9時21分には中央気象署(※2023年9月15日に格上げ)が台湾全土で、国家レベルの「地震速報」のテストメッセージを発し、避難訓練を行ったほか、地震が発生した際の3つの動作、「趴下(Drop/かがむ)」、「掩護(COVER/守る)」、「穩住(HOLD/掴まる)」を各自練習するよう呼びかけていました。
台湾も日本と同じく地震が多いため、大切な訓練です。
そして災害は地震によるものだけではありません。台湾は台風の襲来も多く、また洪水や豪雨、高潮など様々な自然災害も起こります。
そのため、この「國家防災日(国家防災の日)」には、台湾の人々も改めて災害についての認識や理解を深め、防災意識を高める日としています。
なお、この「國家防災日(国家防災の日)」が制定されるきっかけとなった「921大地震」が発生した夜には、日本の国際緊急援助隊が世界で最初に台湾入りし、災害現場に急行しました。そのことを台湾の人達は今でも覚えてくれていて、「あの時、日本が最初に駆け付けてくれた」と話してくれることもよくあります。そして、日本で東日本大震災が発生した際には「その時の恩を今度は自分たちが返す番だ」と多くの人が支援の手を差し伸べてくれたんです。
この921大地震は、「國家防災日(国家防災の日)」制定のきっかけとなっただけでなく、台湾と日本の“支援の応酬”の大きなきっかけでもあるんですね。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 
