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ナルワンアワー(月曜日) - 2021-02-01_注目を集める日台合作映画

  • 01 February, 2021
ナルワンアワー(月曜日)
昭和初期の小説家・岡本かの子の短編小説「越年」「家霊」から着想を得て作られた日台合作映画「越年Lover」。日本、台湾、マレーシアを舞台に繰り広げられる3組の恋の物語を描いたオムニバス映画となっている。現在、日本で公開中。

日本と台湾の間では、学生同士の交流や、企業間の交流など以前から様々な交流が行われてきましたが、ここ数年は更に交流が盛んになっています。そのうちの一つが「映画」。最近、日本と台湾、両方を舞台にし、両方の俳優たちが共演する映画が注目を集めています。

今、日本で公開中の映画「越年Lovers」─。この映画は、大正から昭和にかけて活躍した小説家・岡本かの子が1930年代に発表した短編小説「越年」と「家霊」、これらに着想を得て作られた作品。脚本を書き、メガホンを取ったのは台湾版アカデミー賞と言われる「金馬獎(ゴールデンホースアワード)」を獲得したこともある台湾の女性監督・郭珍弟です。

日本、台湾、マレーシア、3つの地で繰り広げられる3組の恋の物語を描いたオムニバス映画。

「越年」をベースに、2019年の台北とマレーシアのクアラルンプールを舞台とした「新年出演」が第1幕。「家霊」をもとに、台湾の漁港の町の食堂を舞台とした「平凡的愛情」が第3幕。そしてその間の第2幕として、学生時代に思いを寄せあった男女の姿を、故郷の山形の冬景色に描くオリジナルストーリー「追憶の風景」が差し込まれています。

第1幕の出演は、姚愛寗(“ピピ”こと、ヤオ・アイニン)と注目の若手俳優・邱志宇(オスカー・チュウ)。第2幕は、銀杏BOYZの岸田和伸と、女優・橋本マナミ。第3幕は、シンガーソングライターとしても活動している女優・余珮真(ユー・ペイチェン)と、高い演技力で評価を得ている俳優・吳宏修(ウー・ホンシュウ)。

年越しの風景の中で、素直になれずにこじれた恋の物語が描かれています。

80年以上も前の小説を映画化したことに郭珍弟・監督は、「何に駆り立てられて人は愛を求めるのか」、岡本かの子の愛の解釈に感銘を受けたとしています。

また映画では、時代も場所も設定が移されていますが、郭珍弟・監督は、当時の日本企業が拡張していく描写は、まるで現代の台湾企業がグローバル化していく動向を思わせると語っています。

なお、日本のロケ地となった山形県と宮城県の仙台では昨年(2020年)末に先行で上映されていましたが、その他のエリアでは先日1月15日より公開となっています。

映画では、台北市の昔の繁華街大稲埕や、シーフードの美味しさで知られる台湾中部・彰化県の漁港・王功エリアが出てきますので、台湾の景色と併せて映画を楽しむのもいいですし、原作の「越年」「家霊」を先に読んでから、その世界観を現代にどのように表現しているのかを比べながら見るのも楽しいのではないでしょうか。ぜひ映画館に足を運んで観てみてください。

一方、台湾では、先週金曜日(1/29)から、映画の大半を台湾南部・高雄で撮影したという日本の映画「燕Yen」が公開となりました。

この映画は、日本と台湾の高雄を舞台に、離れ離れになった家族がそれぞれの苦しく切ない感情を抱え、自分の居る処、ココロの居場所を探す姿を描いています。

監督は、第43回 日本アカデミー賞最優秀作品賞など三冠を受賞した映画「新聞記者」や、米津玄師の「Lemon」のミュージックビデオの撮影を手掛けたトップカメラマン・今村圭祐。

主人公「燕」を演じるのは、映画やテレビで幅広く活躍する中国・大連出身、大阪育ちの俳優・水間ロン、その兄役は、確かな演技力で幅広い役柄を演じ、映画・テレビでは欠かせない存在となった山中崇、兄弟の母親役は、歌手としても俳優としても活躍する一青窈が演じています。

初の監督作品となるこの「燕Yen」は2019年に製作された映画で、その年には高雄映画祭でも上映されましたが、今回、1月29日より台湾で正式公開となりました。

今村監督は、少しでも現実に近づけるために現地調査に多くの時間をかけ、台湾の歴史背景や文化への理解を深めようと、何度も台湾を訪れ、最終的に高雄をロケ地に選んだそうです。また、「これは日本人から見た台湾の視点で、今後機会があれば、台湾の視点で映画を撮ることができればと思っている」と語っています。

お互いの文化を知ることで見えてくる角度、違った目線で見るからこそ見えてくるものなど、国を超えた合作はまた新たな発見を生み出したりもして、それが興味深かったりもします。

今は新型コロナの影響によって、このような合作映画を作るのは難しくなっていますが、今、日本で、台湾で、それぞれ別の日台共作の映画が公開されていますので、みなさんもぜひ映画館に足を運んで楽しんでください。

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