台湾の人たちは日本の漫画が大好きで、自身は「オタク」だと公言する人だけでなく、日本の漫画に詳しい人や、日本の漫画で日本語や日本の文化を学んだ…など、影響を受けたという人がたくさんいます。これは台湾だけでなく、世界中に同じような人がたくさんいます。そこで、日本も海外への漫画文化の普及と、漫画を通じた国際文化交流に貢献した漫画作家を顕彰することを目的として外務省が2007年に「国際漫画賞」を創設しました。
毎年、日本の漫画に影響を受けた漫画家たちが作品を応募し、優秀な作品に賞が与えられています。
そして先日、今年の「第14回 日本国際漫画賞」の受賞作品が発表され、台湾の作家・韋蘺若明さんの「送葬協奏曲(Funeral director)」が見事最優秀賞を受賞しました!
今年は、世界の61の国・地域から過去最多となる383作品の応募がありました。その中から、漫画が文化として根付き、応募数も多い台湾から、初めての最優秀賞受賞となりました。
この韋蘺若明さんの作品「送葬協奏曲(Funeral director)」は、葬儀屋で働くことになったある一人の女性が、働いていく過程で様々な人生を見て、自分の人生の答えを見つけていくというストーリー。
作者の韋蘺若明さんは、「日本の漫画には囲碁を題材にした漫画『ヒカルの碁』や、ボクシングを題材にした『はじめの一歩』などを主人公にした作品があるが、台湾の漫画家の作品創作環境は時間を使って深く専門の題材を書くには時間が足りないため、台湾の歴史や文化、自然などを題材にした台湾漫画家による作品を集めた雑誌『CCC創作集』の協力を得て、2年の月日をかけてストーリーを組み立て、漫画を描き上げた」んだそうです。
製作過程で、偶然にもこの漫画の主人公と同じで、葬儀師になったばかりの時、初日に死体を見るなどの衝撃的な教育を経験したという人にインタビューもしたそうで、その人の仕事に対する気持ちなどが主人公の心の状況を理解するのに役立ったそうです。
今回の受賞は、最優秀賞1作品に加え、優秀賞3作品を含む受賞作15作品が選ばれましたが、台湾からの受賞は最優秀賞の韋蘺若明さんだけではありません。呉明益・原作の小説を漫画化した阮光民さんの作品「歩道橋の魔術師」が優秀賞に選出。また、D.S.さんによる性的マイノリティの青少年の成長のストーリーを描いた作品「百花百色(BLOSSOM)」が入選を果たしました。
世界各地からたくさんの応募があった中で、3組の台湾の漫画作家の作品が選出された今回の「日本国際漫画賞」。日本の漫画の影響を受けつつ、そこに台湾独自の観点や世界観を組み込み、日本の漫画とはまた違った新たな世界観の漫画を生み出していく…、台湾の漫画家たちのレベルの高さに日本の漫画界も注目をしているようです。
ちなみに、応募383作品中、台湾からの応募が57作品と最も多かったそうです。2番目に多かったのが中国の46作品、3番目に多かったのはタイの22作品でした。
授賞式は来年2021年2月頃行われる予定ですが、今回は新型コロナの影響で初めてオンラインでの授賞式になるようです。
なお、台湾文化センターでは、台湾の漫画を日本にも広めようと、11月20日から「台湾漫画夜市」という特設サイトを設けていますが、そのサイトに今回、最優秀賞を受賞した韋蘺若明さんの「送葬協奏曲(Funeral director)」と、優秀賞を受賞した阮光民さんの作品「歩道橋の魔術師」も紹介されていて、今回、受賞した作品を紹介することでより多くの人に台湾の漫画の魅力に触れてもらいたいと期待を寄せています。
皆さんもぜひ「台湾漫画夜市」特設サイト(https://event.creative-comic.tw/twmangajp/)に足を運んでみてくださいね。
Rti 台湾国際放送
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