本日のミニ百科では、今月初めに発表された、今後の台湾にとって非常に重要な事柄についてご紹介します。
それは、台湾の国民の祝日が今年後半から増えること。
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台湾では国民の祝日の日程について、政府の人事に関する業務を管理する政府機関「人事行政総処」が毎年発表する「政府行政機関業務カレンダー」にて定められています。公営企業や多くの一般企業はこのカレンダーにならい、職員の休日とします。ただ、例外的に軍人の休日は国防部(日本の防衛省に相当)が独自の規定に基づいて決定します。この政府が定めるカレンダーにより近年は、土曜日と日曜日を除く祝日について合計11日間とされてきました。
この日数は現在年間16日間の「国民の祝日」があると定められている日本と比べ5日ほど少ないです。
しかしこれからは、台湾の祝日の数も日本と同等になるんです!
なぜなら今月9日、日本の国会に当たる「立法院」で行われた本会議の中で、国民の祝日を新たに4日追加することを盛り込んだ法案、その名も「記念日・節日(祝日)実施条例」案が可決されたから。法案によれば、これまでは公務員や学校の教師以外の労働者のみ休日となっていた5月1日のメーデー(労働節)を、公務員と教師も含め全面的な休日とするほか、他に以下の四つの休日が追加されます。
一つ目は、これまで旧正月の連休といえば旧正月の大晦日から始まっていたのですが、今後は旧正月の大晦日の前の日から連休になります。新たに休日に加わった、旧正月の大晦日の前の日を、日本語だと「小晦日(こつごもり)」と呼びますが、台湾華語だと「小年夜」と呼びます。この日は旧暦の12月28日または29日に当たります。これまでの旧正月期間の連休は旧暦の大晦日、旧暦1月1~3日の4日間でしたが、今後は小晦日、「小年夜」も加わることで、土日を合わせて少なくとも7連休になる予定です。
二つ目は、これまでは教師に感謝する日「教師の日」と定められていたものの特に祝日ではなかった9月28日を、宗教の一つ「儒教」を始めた人物として知られる孔子の誕生日と定め、祝日としました。
孔子といえば、古代中国において教育の面で大きく貢献した思想家とされ、「キリスト」「お釈迦様」「ソクラテス」と肩を並べ、世界四大聖人の一人と言われています。当時はまだ広がっていなかった『身分や背景に関係なく、すべての人に教育を受ける権利がある』という理念を提唱したほか、礼儀を重んじる「礼」と他人を思いやり愛する心「仁」を学問によって民衆に広め、より良い社会作りに貢献したためです。また、中国史上初めて私塾を開いた教師でもあり、弟子は3,000人を超えるとされます。台湾では、教師という職業への敬意を表すために、「教師の鏡」とも言える孔子の誕生日である9月28日を祝日と定めたのです。
新たに加えられた祝日の三つ目は、10月25日の「台湾光復節」。「光復」とは「復帰」を意味します。つまり「台湾光復節」とは1895年から1945年の50年間に渡り行われた日本による統治が終結し、1945年10月25日に台湾が日本から中華民国に復帰したことを記念する日なのです。
実は、1946年に一度、当時の行政機関が、10月25日をすでに台湾光復節と定め、その後2000年までの間、祝日扱いでした。しかし、2000年に総統に就任した陳水扁氏により、2001年から「週休2日制」が導入され、その代わりに「台湾光復節」を含む7つの祝日が廃止されました。その後、昨年に至るまでの間、10月25日は「台湾光復節」という名前こそ変わらないものの、祝日ではありませんでした。今年からの10月25日は、従来の台湾光復節と、1949年10月25日に勃発した台湾の離島・金門を巡る中華民国国軍と中国人民解放軍との戦闘「古寧頭戦役(=古寧頭の戦い)」における国民党軍の勝利記念日「金門大捷紀念日」を合わせた「台湾光復及び金門大捷紀念日」として再び祝日となります。
新たな祝日、最後の四つ目は、12月25日。1947年12月25日に中華民国憲法が施行されたことを記念する「憲法施行記念日」となります。実はこの「憲法施行記念日」もかつては祝日でした。その期間は1963年から2000年までの間。こちらも2001年からの週休二日制の実施に伴い一度は祝日ではなくなりましたが、24年を経て再び祝日と定められたのです。
これらの新たな祝日は、総統の公布を経て実際に施行されることになっており、今年の下半期、つまり7~12月の間から適用される予定です。つまり、今年の後半は例年に比べ国民の祝日が、9月28日の「孔子誕生記念日」、10月25日の「台湾光復及び金門大捷紀念日」、12月25日の「憲法施行記念日」の3日増えるというわけです。
これにより「仕事と生活の調和」を意味する「ワーク・ライフ・バランス」の実現に更に一歩近づくという声や、観光業や小売業に関しては、休日が増えれば個人消費が増えると歓迎する肯定的な意見もありますが、一方でこんな心配の声も上がっています。
それは、一気に休日が増えることで生じる経済的な損失について。特に中小企業への影響が大きいとの見方があります。全国中小企業総会の李育家・理事長によると、過去に台風の影響で全土の企業が台風休みになった際の産業損失が約300億台湾元(約1450億円)に達したことを例に挙げ、特に中小企業は大企業ほどの規模がなく、祝日の増加は人員の配置や生産スケジュールの調整、更にはより高い残業手当の支払いが必要となる。その額は、製造業の場合、祝日が1日増えるごとに、57億台湾元(約280億円)の増加になるとの試算もあり、経営の負担が増すのは避けられないと指摘。「現在の企業はただでさえ関税や為替といった複数のプレッシャーに直面し経済の先行きが不透明であるのに、今後は人々が更に不安を感じるだろう」と述べています。
また、台湾の経済団体・工商協進会は、「こうした追加的なコストが企業の競争力や柔軟な対応力の低下に繋がる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。
*私からの一言
政府はこれら意見に対し今後どのように対応していくのか、実際に施行が開始されてからの動向にも注目したいと思います。
Rti 台湾国際放送
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