皆さんは台湾に行った際に食べたいお菓子、もしくはお土産として買いたいお菓子といえば、何が思い浮かびますか?
台湾ではコンビニやスーパーなどで簡単に様々なお菓子が手に入りますし、もしくは駅の近くのお土産屋さんにもその土地ならではの特産品として様々なお土産が販売されています。私はその中でも特に「鳳梨酥、パイナップルケーキ」が大好きです。台北市の街中でも多くの外国人が沢山購入する様子を見かけます。
という事で本日は皆さんに、外国人にも人気な台湾を代表するお土産、パイナップルケーキの歴史や様々な種類、また私が先日見つけてとてもおいしかった、台北市ではほとんど見かけない変わり種のものについてご紹介します。
まず、ひとくちにパイナップルケーキといっても、大きく二つの種類に分けられていること、ご存じでしたでしょうか?
一つは酸っぱさが全くなくどちらかといえば甘いもの。これは「冬瓜」つまり「トウガン」の餡が混ぜられているためで、これがパイナップルケーキの始まりとされています。パイナップルケーキは1970年代に台湾でパイナップルの生産量が増加するにつれて作られる様になりました。しかし当時は、全ての餡にパイナップルを使うとコストが高くなり、また、パイナップルの繊維は粗く、その硬い食感と酸味から、お菓子の材料には向かないとされたため、1980年代からはパイナップルケーキに、安くて台湾でよく採れる冬瓜を混ぜて作るようになったのです。ただその様な工夫を施したものの、当時は一般で食べられているというよりも、お祭りや儀式でしか見かけないものだったため、広く普及することはありませんでした。
また、初期のものはバターではなくショートニングと呼ばれる、動物性油脂や植物性油脂に着色料などを加えて作られた固形の食用油脂を生地の原料に使用していました。ショートニングはバターに似ているものの、伸びがよく、生地に混ぜやすく、サクサクとした軽い食感を引き出せるため、パンやケーキ、クッキーにもよく使われます。ただ味も香りもないため、より香りの良いパイナップルケーキを作りたい場合にはあまり適さないのです。
そこで、後に西洋のお菓子作りのスタイルを取り入れ、バター、牛乳から水分を除去し粉末状にした粉乳、また、チーズなどの材料を使うことにより更に美味しく進化。また、パイナップルの品種が改良され、繊維がより細かくなり、酸味が減りより甘みが増したものが使われるように。こうした工夫により、現在に至る、更に美味しいトウガン入りパイナップルケーキとなりました。
このほか、もう一つの種類「土鳳梨酥」が後に生まれました。これにはトウガンが入っておらず、餡は全てパイナップルを使用して作られています。品種改良がされたそこまで酸味が強くないパイナップルを使用しているため、より台湾産パイナップルの味を感じたい、良い品質のパイナップルケーキを求める消費者から愛されるようになりました。
台湾でどのお店のものがこのパイナップル100%のものなのかというと、中部・南投市発祥で、北部・台北市や南部・高雄市にも店舗を構える微熱山丘 (Sunny Hills)やパイナップルケーキの発祥の地とされる中部・台中市のお菓子メーカー「日出グループ」直営の、日本統治時代の眼科だった建物を修復したお菓子屋さん「宮原眼科」が販売するものが特に知られています。
私はどちらの「土鳳梨酥」も食べたことがありますが、パイナップルの酸味と生地部分に使用されたバターなどの香りが相まって非常に美味しかったです。
また、パイナップル100%ではないのですが、唯一台北市に店舗を構える「佳德鳳梨酥」で販売されているものは、生地に人工的な油脂は使わず純天然バターを使用し、手作りな上、パイナップル以外の味、例えば苺やクルミ味の餡が入ったものも売られているため、こちらもお勧めです。
「佳德鳳梨酥」のパイナップルケーキは、台北市が2006年から主催する「パイナップルケーキ大会」で初代グランプリを獲得したほか、あの木村拓哉さんも以前、自身のインスタグラム上で「これ、やばい!」というメッセージと共にこのパイナップルケーキの写真を載せ、お勧めしたことで話題になりました。
******
ではここから、台湾で暮らして数年の私が先日初めて見つけてとっても気に入ったパイナップルケーキについてご紹介します。
2月中旬に私は台湾東部・花蓮県の南の方にある人口1万人ほどの町、瑞穂郷へ行ってきました。元々行こうと思った理由は、観光資源が豊富な瑞穂郷で有名な温泉や、牧場を楽しむためだったのですが、他にも時間が許す限り様々な所へ訪れる中、実は日本で「ザボン」と呼ばれる柑橘類、“文旦”の生産が盛んな町であることを知りました。文旦は柑橘類の中で最も大きく、中国語では他にも、漢字で「柚子」と書き、その丸くてお月様の様な形から、中秋節によく食べられる果物です。花蓮県の海岸沿いの気候と土壌は文旦の生産に適しており、花蓮県の北から最南端の海岸までその生産量を合わせると毎年およそ2万トン近くに上ります。中でも特に瑞穂郷では県内の8割を占める量を生産しています。確かに私も町中で多くの文旦の木を目にしました。時期ではなかったため木に実は成っていなかったものの、背の低い文旦の木が沢山並ぶ可愛らしい風景は私の暮らす台北市内では見られないため、とても癒されました。
そんな瑞穂郷において、たまたま入ったお店では、文旦が入ったパイナップルケーキならぬ、「文旦ケーキ」が売られており、試食させてもらったところ、通常のパイナップルケーキとは異なり柑橘類の香りがして、甘い生地と酸味のある餡が相まって特別さを感じました。とても美味しかったです。
地元で多く採れた文旦を有効活用して作られているということで、文旦農家を支援することにも繋がります。皆さんも機会があれば是非試してみてはいかがでしょうか?
*私からの一言
また、台湾には、お茶やマンゴー、さつまいもの餡が入った特殊なパイナップルケーキがお土産として売られているお店もありますし、他の種類のお土産、例えば各種月餅やミルクヌガー、エッグロールなども台湾でよく見かけるものですので、こういった台湾ならではのお土産を楽しみに各地へ観光しに行ってみるのもいいですね。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 