今回は、私が先日訪れた、北部・台北市にある、多くの日本人も訪れる有名な観光スポットについて、また、そこで私が興味を持ち初めてした体験についてご紹介します。
観光スポットとはいっても、宗教に関する施設で、わいわいと楽しむ場所ではないのですが、日本ではほとんど見られない不思議な体験ができるため、お勧めの場所です。
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では、どこかというと「道教」の宗教施設「廟」のうちの一つ「行天宮(ぎょうてんぐう)」です。
「行天宮」は今回私が訪れた、台北市の民権東路(みんけんとうろ)に設立された本宮のほかに、同じく台北市の北投区と台北市のお隣、新北市の三峡区にそれぞれ分宮を構えています。分宮とは「本宮とは別の場所に建てられた廟」のことです。本宮と分宮はどちらも、玄空師父(げんくうしふ)という名の、ゼロからビジネスを始め、炭鉱業で成功を収めた台湾の企業家が、自身の資産を投じ、12年にわたる期間で建立した廟です。本宮は現在一日に数万人が参拝に訪れる、台湾北部で最も参拝客の多い有名な廟となっています。
「行天宮」の本宮と二つの分宮には、中心の神様として「関聖帝君(かんせいていくん)」が祀られています。「関聖帝君(かんせいていくん)」は商売繁盛や学問だけでなく、無病息災、家内安全、事業成功など多岐にわたる内容のお祈りをすることができる全知全能の神とされていて、道教の他に儒教、仏教でも崇拝されています。
実は、空想の世界の神様ではなく、古代中国に実在した武将、「関羽(かんう)」が死後に神格化した神様なんです。この関羽、唯一神様となった三国志の武将としても知られています。ではなぜ、一人の武将が神様とされたのか?それは生前、多くの人々から慕われていたからだと言われています。関羽は君主への忠誠心と義理を重んじており、人々の心に残ったそのイメージが神格化されるのに相応しいとされたそうなんです。「関聖帝君」が生誕した日とされる、旧暦の6月24日には、本宮で生誕祭の儀式が執り行われます。今年は西暦7月18日に当たります。
ちなみに、「関羽」、つまり「関聖帝君」を祀った廟は「関帝廟」と呼ばれ、今回の「行天宮」のほか、日本では横浜中華街にある「横浜関帝廟(よこはまかんていびょう)」が知られています。
「行天宮」の本宮には、そんな「関聖帝君」の他にも、4つの神様が祀られており、合わせて「五つの救世主」という意味の「五聖恩主(ごせいおんしゅ)」もしくは「恩主公(おんしゅこう)」と呼ばれています。そのため、「行天宮」は別名「恩主公廟(おんしゅこうびょう)」とも呼ばれています。さらに、本宮には「関聖帝君」の息子も祀られているんですよ。そう聞くと、とても崇高な廟に思えてきませんか?
実は本宮と分宮ではどちらも環境保護の観点から、2014年以降、お線香を使用した参拝が禁止されています。私も「行天宮」本宮の中に入った際、お線香の匂いとお線香を立てる香炉がなく、台湾でよく見る廟とは違った雰囲気を感じました。
中にはこのような参拝方法は慣れないという声も聞かれるようですが、特に多くの人が訪れ、かつ、都心部にある大きな廟のいくつかでは、現在このような対策が取られています。
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ではここから、「行天宮」本宮で私が台湾で初めて体験した宗教的活動について、いくつかご紹介します。
まず一つ目。「収驚」です。これは、「お祓い」のようなもので、日常生活の中で何かに驚いたり強いショックを受けた際に抜けるとされる、人間の精神力と行動力を司る魂魄(こんぱく)を体内に戻す儀式です。実際にこの「収驚」を行ったところ、精神が安定して、夜安眠出来るようになった、だとか、赤ちゃんの夜泣きが収まった、という人もいるんだそう。そのため、毎日午前11時20分から夜6時半までの開放時間中、多くの人が自身の精神安定を求め列を作ります。行ってくれるのは、青い法衣を着た「効労生(こうろうせい)」と呼ばれるボランティアの方々。「効労」は「人のために何かをする」という意味です。また、青い法衣は、反省と懺悔、道徳修行への固い誓いを象徴しており、これを着て参拝者に奉仕する事で神様のご加護に報いることができるとされています。効労生は「行天宮」の運営には欠かせない存在です。
また、「行天宮」に属する病院や図書館、基金会でもこの「効労生」が活躍されています。
では、二つ目の私が初めて体験したこと、それは「おみくじ解読」です。
青い法衣を着た「効労生」が、参拝客に対し、おみくじに書かれた正確な意味を詳しく、かつ分かりやすく教えてくれるんです。実際に、多くの人が訪ねているのを目にしました。これは、悩みがあって縋(すが)る思いで神様からの言葉を求めて訪れた参拝者にとっては、非常に有難いサービスですよね。ちなみに、「行天宮」本宮で引けるおみくじの裏には日本語訳が書かれていますので、そちらの内容を参考にも出来ます。
私も実際に意味を聞きに行ったのですが、非常に親切に教えてくださりました。その方から教えられたのは、参拝の際に神様に聞けるお願い事は一つで、おみくじにはそのお願い事についてのみの答えが書かれていること。例えば、仕事が今年一年順調に進むかを神様に尋ねた場合、おみくじに書いてある答えはその質問のみに当てはまるという事で、他の例えば健康に関する内容の答えではないということです。また、もしおみくじに「今年一年は上手くいかないだろう」と書かれていたり、実際すでに困難に直面しているなどして、必要だと感じた場合、「平安卡」と呼ばれるお守りを無料で貰えます。貰った後はまず参拝の場へ行き神様に自分の名前、生年月日、今自分が住んでいる場所を告げ、それから、平安をもたらしてくださることを願う必要があります。また、同封されている金のカードに書かれた有難いお言葉を真摯に唱えると、神々からの悪霊に対するご加護がもたらされるともされています。
「行天宮」本宮へ一緒に行った友人は、「下」という漢字を二つ重ねた、日本でいう「大凶」に当たるおみくじ「下下」を引いてしまい、実際にこの「平安卡」を受け取っていました。その際、「一日に3回ほど金のカードのお言葉を唱えると、ご利益があるだろう」との説明を受けていました。
「行天宮」本宮では他にも、「擲筊(中国語読み zhí jiǎo)」と呼ばれる「三日月型の赤い木片」を投げてその結果で神様からの教えがわかるという占いの方法も体験できます。
「行天宮」本宮は、台北新交通システムMRTオレンジライン「行天宮」駅で下車して3番出口から外に出て、徒歩5分ほどで行けるとても便利な廟です。また、廟の近くにある地下道には「占い横丁」と呼ばれるほど多くの各種占い屋さんがあります。
*私からの一言
皆さんも、「行天宮」やその周辺を観光して、今年一年の幸運をお祈りしてみてはいかがでしょうか?
Rti 台湾国際放送
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