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台湾ミニ百科 - 2024-12-11-【台湾の宇宙産業がどんどん発展している!】

  • 11 December, 2024
台湾ミニ百科
12月2日に高雄市で開催された台湾宇宙国際年会(TASTI)で講演を行った、元宇宙飛行士の若田光一さん。(写真:CNA)

今回のミニ百科は、視野を日本、台湾だけに留めず、地球を飛び出し宇宙にまで広げてしまいますよ!宇宙に関するどんな豆知識をご紹介するのか。台湾と宇宙、何か関係があるのか?と思われた方、実は大きくあるんです!

というのも、台湾は近年、世界各国と同様、宇宙産業の発展に力を入れています。

台湾での宇宙産業の発展に関して

1990年代から人工衛星の開発を始めた台湾ですが、驚くことに、台湾にはすでに衛星を独自に製造する能力があるほか、民間でも宇宙の商業利用を目指す企業が複数生まれるなど、この30年間にわたる宇宙産業の成果は大きいです。また、政府は昨年、今後10年以内に国家宇宙計画に日本円でおよそ1100億円を費やし、国家レベルのプロジェクトチームを立ち上げ、人工衛星産業への支援、および宇宙テクノロジーの人材育成を進める予定だと明らかにしています。2023年時点ですでに90を超える国が自国の人工衛星を有しており、国際連合は日増しに広がる商業的もしくは個人的な宇宙開発に対応し、持続可能な宇宙利用を実現するため、各国が国として宇宙開発に関する法律を整えることを奨励しています。そのため、30以上の国が宇宙開発に関する様々な法律をすでに制定、もしくは制定を目指す段階にあり、2021年には台湾でも初となる宇宙に関する法律「宇宙開発法」が制定されました。これにより宇宙開発の原則が明確化され、政府や民間企業が宇宙産業の発展に責任を持って取り組む用意があることを国際社会に向けて表明したことに。

このように予算と法律、人材と産業チェーンの多角的なアプローチにより国を挙げて宇宙開発に取り組んでいる台湾。

2年前には南部・屏東県に新たなロケット発射場が整備された他、2017年と2019年にはそれぞれ台湾が開発に関わった気象衛星の打ち上げに成功。また、先ほど少し触れた、台湾には人工衛星を独自に製造する能力があるということに関連する内容ですが、昨年には台湾初の国産気象衛星である「トリトン」が打ち上げられました。

この「トリトン」は20社を超える台湾の企業が共に開発、製造し、重要部品の82%が台湾製でまかなわれており、高度550〜650キロメートルの低軌道で海上の風速観測などにあたります。こういった成功は台湾の宇宙工学の発展を示す指標となりました。

これらの衛星の開発を担当したのは、台湾で宇宙科学技術の研究開発を担う「台湾国家宇宙センター、英語の略称TASA」。TASAの前身にあたる機構は、1991年に国家による衛星計画の実施、宇宙関連インフラの構築、宇宙人材の育成を目指すため、日本の内閣にあたる行政院が創設し、その後2005年に現在の名称「台湾国家宇宙センター」となりました。昨年には財団法人から行政法人に移行し、例えば教育部と共同で人材育成を進めるなど分野を超えた協力による国家レベルの宇宙研究開発ができるようになりました。

そんなTASAは先月20日から今月4日の5日間にわたり、南部・高雄市で宇宙航空科学や技術に関するイベント、台湾宇宙国際年会(TASTI)を主催。昨年に引き続き今年で2回目となるこのイベントは、台湾の宇宙分野における最大規模の国際見本市であり、4日間でのべ3000人が参加しました。今回、宇宙航空関連の58の企業や組織による最新の宇宙技術を示す展示が行われたり、11カ国から合計72名の専門家がそれぞれの専門知識や見識を披露。

中には日本とも関わりのあるこんな内容も。なんと通算5回も宇宙飛行を達成した元宇宙飛行士の若田光一さんも出席し講演を行ったのです。宇宙分野に詳しくない私でさえ名前を何度も耳にしたことのある若田さんの凄さというのを、今回の「ミニ百科」の作成を通して私は再認識しました。若田さんは日本で宇宙の開発から利用まで一貫して行う国立の機構、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を今年の3月末で退職しましたが、累計宇宙滞在時間は504日で日本人最長。さらに1992年にJAXAの宇宙飛行士として選出されてから昨年までの現役宇宙飛行士としての活動期間は31年超えで、世界最長なんです。また、日本人初の国際宇宙ステーションの船長まで務めたこともあり、まさに世界を代表するエース級の活躍をしてきた方です。そんな若田さんに今回、台湾で宇宙開発を担う台湾国家宇宙センター主催のイベントで講演のオファーがあったというのも納得できますよね。

イベントの開幕式後に開かれた講演では、5回の宇宙飛行における生活の実態を共有。また、台湾に関しては、「過去数十年で台湾は航空宇宙産業において重要な足跡を残し、宇宙産業の新興列強への道を順調に歩んでいる」と言及し、「特に半導体をはじめとした高度な技術で世界をリードしている」と述べました。

台湾人の宇宙飛行士はいるの?

ここまでで若田さんの凄さについてはわかりましたが、一方で、実際に宇宙まで行ったことのある「台湾人」の宇宙飛行士はいるのでしょうか?答えは、台湾人の両親から生まれた方ではまだいませんが、母親が台湾人のハーフの方ならいます!その方、名前を、チェル・リングリン(林琪児)といい、スウェーデン系アメリカ人の父と台湾人の母のもとに生まれ、アメリカ国籍を持っていますが生まれは台湾北部・台北市です。2年間中部・台中市に住んだ後、親の仕事の関係でアメリカやイングランドで暮らしました。そんな初の台湾生まれの宇宙飛行士リングリンさんはもともと、アメリカの大学の医学部を卒業し、宇宙飛行士を専門に診る外科医でした。しかしかつての宇宙飛行士になりたいという夢を捨てきれず、アメリカのNASAが宇宙飛行士を募集するという情報を耳にするとすぐさま応募し、晴れて2009年にNASAにより選出されました。そして2015年に国際宇宙ステーションに141日間滞在し、2回の宇宙遊泳を実施。その際、台湾上空を飛行し撮影した、宇宙から見た台湾の写真をSNS上に投稿。その後2022年には、170日間にわたる2回目の宇宙飛行も果たしました。地球へ帰還した際、「氷を入れて冷たい飲み物を飲むか、おいしいコーヒーを何倍か飲みたい。アイスクリームもいいなあ」とユーモアたっぷりの感想を述べています。暑い台湾では様々な飲み物が飲まれていますから、そんな飲み物好きの台湾人の血が流れた彼ならではのコメントですよね。また、「史上初の宇宙でスコットランドの笛を吹いた人」とというちょっと変わった記録も持っています。

私からの一言

そんな初の台湾出身の宇宙飛行士「リングリンさん」も十分凄いですが、今後、両親ともに台湾人の宇宙飛行士も誕生するのか、宇宙関連の研究、開発が進む台湾の動向に注目です。

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