今日ご紹介するキーワードは「月老賜座」。
“月老”とは、日本人にも人気の恋愛の神様「月下老人」のこと。そして“賜”は日本語と同じく“賜る”、“授ける”という意味があり、“座”は席のこと。
ですのでこれは「月下老人が授けてくれたシート」という意味になります。
一体どういうことなのでしょうか。
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今、春休みを利用して台湾に遊びに来ているのでしょうか、台北の有名観光地では日本人観光客のグループをよく見かけます。そして台北だけでなく他のエリアまで足を延ばしている人も少なくないようです。
その中にはきっと在来線台湾鉄道の2021年12月にデビューした新型特急「EMU3000型」電車に乗って旅をしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この新型特急「EMU3000型」電車は、日本の日立製作所が製造した台湾鉄道(台鉄)の新型車両で、台鉄の“最も美しい特急列車”と言われています。
かつての台鉄の特急列車「自強號」と言えば、なんだか強そうな、ごっつくてちょっと重たそうなイメージの車両でしたが、それががらりと変わり、つるんとした白いボディに黒いフェイスのシンプルなデザイン。フロント部分は流線型になっていて、正面からの見た目は“シャチ”のようだと言われています。
また、車内は、デッキも含めモノトーンでまとめられていてスタイリッシュな印象。さらには、いくつのも“初”があって、全ての車両の端に大型の荷物置き場が設置されているほか、全車両にトイレも設置。デッキと客室との間の扉は台鉄では初となる全面ガラス扉を採用。さらには、車内案内表示は、自強號では初のフルカラーLEDが採用されています。
そして一番大きな“初”は、6両目に、日本のグリーン車に相当する「騰雲座艙」と名付けられたビジネス車両が初めて設けられました。このビジネス車両は1列に3席のみ、2人掛け席と1人掛け席という配列で、広々とした空間を提供するほか、充電用のコンセントやUSBポートを備え、さらには無料の軽食サービスやWi-Fiもあるんですよ。
昨年末、私も台湾南東部・台東の鹿野に遊びに行った際に、この新型特急「EMU3000型」電車に乗ったんですが、トイレが全車両にあるのはとても便利でしたし、落ち着いた雰囲気の車内は、まるで日本の電車に乗っているような感覚でした。
当初は座席の角度が「座りづらい」という声が上がっていたそうですが、2022年に角度の調整が行われたということで、私が乗った昨年末では座りづらいことはなく快適でしたよ。
そしてさらにこの「EMU3000型」電車では、従来の自強號にはなかった、座席の後ろに“背面テーブル”があって便利になりました。これまでは駅弁を買ってもテーブルがなくて食べにくいから…とサンドイッチ等、簡単なものにすることが多かったので、これはうれしいです。
…なんて思っていたら、1席に1つのテーブルではなく、2つの座席で1つのテーブルを共用する席があるんだそうです。
それを発見したネットユーザーが、写真と共にネットにあげて紹介したところ、「なんだかちょっと気まずい…」という意見が多数上がりました。これには、「恋人や家族、仲のいい友達となら気まずい雰囲気を回避できる」というコメントや、中には今日のキーワード、「これは“月老賜座(月下老人が授けてくれたシート)”」だよ!という書き込みもありました。
確かに、知らない人とこの席で一緒になったとき、1つのテーブルだと使いにくいですけど、もしかしたらそれがきっかけで仲良くなるかもしれませんもんね。
でもなぜ、まるでカップルシートのようなこの席ができたのかというと、実はこれは、その前の席が車いす優先席でシートが1つしかないことから、背面テーブルが1つしかないんです。でも、もしスペースが足りなければ、実はひじ掛け(アームレスト)の部分に別の小さなテーブルが隠れているんですよ。
ただ、“月下老人からの粋な計らいの席だ”という台湾の人の考え方もいいですよね。それなら、小さなテーブルを使わず、偶然隣の席になった人と、テーブルをきっかけに話してみるのもいいかもしれません。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 
