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2024-03ー03-馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)-台湾の安いもの,高いもの(前編)

  • 03 March, 2024
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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)
台湾では比較的安価なもの

<第1セクション【台湾の安いモノ:食べ物と飲み物】>

  • 日本は本日が桃の節句、ひな祭り。こちらはふだん通りの生活が続いている。さて、私は台湾で暮らし始めて18年目。台湾にやって来た当初は日本の物価と比べてずいぶんと安いと感じたが、最近はなかなかそうとも思えない。日本からの観光客の皆さんにとってはなおさらだろう。台湾の物価自体が当時に比べると1.5倍ほど上がっているのに加え、日本円の台湾元に対する為替レートが2/3ほどに目減りしていることもあって、台湾は以前のようにお得感のある観光地ではなくなってしまったようだ。

  • このため、台湾から日本への観光客の数は、ほぼ新型コロナ禍前の水準まで回復しているのに対し、日本から台湾への観光客は伸び悩んでいるのが現状だ。また、旅行業界全体が、ここ数年の損失を回収しようということなのだろうが、飛行機代もホテル代もコロナ禍前に比べると「べらぼうに」と形容したくなるくらい割高なことも、日本からの観光客の出足を鈍らせている原因となってしまっていることは、想像に難くないだろう。

  • とはいえ、台湾には日本と比べたら割安感のあるモノはまだまだ健在だ。今日はそれらのモノ、アイテムを紹介していきたい。その筆頭に挙げられるのが、ローカルな外食産業だ。以前は昼食代に100元札を出せば余裕でお釣りが来たが、現在ではそれではお腹を満足させられる食事はほとんどできなくなってしまった。とはいえ、台湾のローカルな食べ物は、圧倒的にコストパフォーマンスが良い。例えば、台北市内の伝統的な台湾の食堂で「滷肉飯(ルーロー飯)」と「貢丸湯(肉団子入りスープ)」、「燙青菜(茹で青菜)」の食事を摂ったとしよう。これで平均120〜140元くらい、現在のレートで日本円だと580〜680円くらいである。地方に行けばギリギリ100元(ほぼ500円以内)に納まるかどうかといったところで、平均的な食事が今でも可能ではある。

  • 日本でも一世を風靡したタピオカミルクティーも、これも店によって値段は変わるが、50〜100元(およそ240〜480円)くらいだし、台湾ビールのクラシック330ml缶は今でも27元(およそ130円)ほどである。そして、台湾で安い食べ物の代表格は、なんと言ってもフルーツである。先ほど近所の果物店で市場調査をしてきたが、日本でもお馴染みの果物では、台中産のバナナが1斤(=600g)で36.8元(およそ180円円)、屏東県が主な産地の「金讃鳳梨(ゴールデン・ダイヤモンド)」と呼ばれるパイナップルが丸1個で99元(475円)、雲林県が生産量の半分を占める「柳丁」と呼ばれるバレンシアオレンジが1斤33.6元(160円)であった。しかも、こちらでは、スイカやパイナップル等個体の大きいフルーツを除けば、「斤」単位での量り売りや箱買いされることも多い。

  • まだ旧正月が明けたばかりで、今の旬のフルーツは、イチゴやインドナツメなどが主力であるが、パイナップルはこれから3〜4月が旬であり、バナナも暖かくなるに連れて値段が下がり、小売りで1斤20元を切ることもある。日本でも人気のライチは5〜6月に、マンゴーは6月〜8月ごろ旬を迎えるので、これからが楽しみである。この時期に日本から台湾に旅行や出張で来られる方は、その安さ、美味しさを存分に堪能していただきたい。

  • では、ここで私の所属する八得力樂團(バッテリー)の演奏で『マンゴー王国』をOA。これは台湾の「愛文芒果(アップルマンゴー)」に恋をした男(=私自身)の気持ちを歌った、八得力を代表する明るい1曲。

<第2セクション【台湾の安いモノ:交通費と公共施設入場料】>

  • 台湾で安いモノ、二番目に挙げたいのが交通費と公共施設の利用料金である。バスは1セクション、と言っても台北市内の端から端まで行ける区間だが、15元(およそ70円)である。2セクションでも30元(およそ140元)、様々な路線が縦横に走っているので、習熟して乗りこなせればこれほど便利な交通手段はない。MRT(公共輸送システム=地下鉄)の初乗り料金は20元(およそ100円)、ターミナルからターミナルまで、例えば淡水信義線(レッドライン)の象山から淡水まで乗っても60元(およそ290円)である。MRTは空港線が少し割高だが、それでも桃園空港から台北駅までが150元(およそ720円)であるから、成田空港から東京都内に電車で向かうことを考えたら、それでも格段に安い。

  • そして、台北市や新北市、桃園市では自治体をまたがっての自転車シェアリングシステムYouBikeがある。中部や南部でもこのシステムはあるものの、北部台湾ほど発展はしていない。YouBikeは台北市では初乗り30分までが何と5元(およそ24円)、その後は30分で15元(およそ70円)と超が付くくらい格安である。しかも、貸し出し・返却ステーションが台北市内だけで1,334か所(2024年2月2日現在)あり、もう街の至る所にあって、これもまた大変便利な交通ツールである。YouBikeも私の日常生活の中では、歩くにはちょっと距離があって30分以内で行けそうなところにはかなりの頻度で利用しており、貴重な足となってくれている。

  • そして、台湾の交通システムの良いところは、「悠遊卡」という交通カードがあればデジタル化された情報が共有されていて、異なる交通ツール間の乗り継ぎで割引があることである。例えば、市内バスからMRTに乗り継いだ場合、あるいはその逆の場合も、乗り継いだ後の交通機関の料金が8元(およそ40円)割引となる。また、市内バスまたはMRTからYouBikeに乗り継いだ場合は、YouBikeを借りた際の最初の30分間の料金が無料となる。

  • それだけではない。昨年の2023年7月からはTPASSという総合交通定期券が発売されて、台北・新北・桃園・基隆の地域内では、空港線も含むMRT全線、国鉄に当たる台湾鉄道、市内バス、中距離バス、YouBikeが月額1,280元(およそ6,140円)で乗り放題となった。このシステムは大変画期的で、北部の4都市版のみならず、台南・高雄・屏東版や桃園・新竹(市・県)・苗栗版など、各地域や単独の県・市に限定した様々なバージョンがあり、自家用車での通勤による交通渋滞の緩和を目指すとともに、通勤や通学等で公共交通機関を頻繁に利用する乗客にとっては出費や乗り換えの手間を抑えることに繋がり、朗報となった。

  • 台湾はタクシーも安い。台北市内の場合は初乗りが現在は85元(410円ほど)。台北市内であれば流しのタクシーも多く、大手の会社では携帯のアプリでも呼べる。タクシーによっては、交通カードの「悠遊卡」で支払いできる場合もある。日本よりも気軽に利用できるのが魅力だ。最近はビジネスパーソンの間では、カード決済で車種も高級で車内も総じて綺麗なUberなどの新たな個人輸送システムも、台湾ではかなり浸透して来ている。

  • では、ここで台湾の「校園民歌」と呼ばれたキャンパスフォークソング全盛期の1978年に、王夢麟さんがデビュー曲として歌った『雨中即景(雨中の眼前の景色)』をOA。この歌は王夢麟さんが歌手になる前、タクシー運転手だった時代に書いた曲。「雨がパラパラ降って来た。みんなが走り出している。タクシーの運転手は商売繁盛。金があっても乗れないよ」というこの曲は、あれよあれよという間に大ヒットし、王さんは一気にスターダムを駆け上がった。実はこの年、1978年は中華民国が国連を脱退し、社会全体が重苦しい雰囲気だったそうだ。こうした空気を吹き飛ばすような、明るくコミカルな歌を社会が求めていたのだった

  • そして、台湾では交通費だけではなく、公共施設の入場料も安い。例えば、国立台湾博物館、台北市立美術館の入場料は、いずれも一般チケットで30元(およそ140円)となっている。芸術や歴史が好きな人にとっては、これは本当に有難いことである。

<第3セクション【台湾の安いモノ:銀行手数料】>

  • もう一つご紹介しておきたいのは、銀行の手数料の安さである。ほとんどの銀行では、同じ銀行間での取引の場合の振り込みや現金引出し手数料は無料である。自分の預金口座から他銀行口座への振り込みは、法律によって500元以下の取引は1日1回に限り無料、2回目以降は5元(およそ25円)、もしくは1,000元以下の取引は10元(およそ50円)、1,000元以上でも15元(およそ70円)、現金振込の場合は一律30元(およそ150円)と決まっている。

  • ただし、ネットバンキングの場合は、銀行によってルールが異なる。例えば、A銀行では1か月5回までの取引は無料、それ以上は1回につき5元、B銀行:預金額によって1か月1回のみ無料~取引回数制限無しで無料等、対応が異なる。このような環境にすっかり慣れてしまった私は、日本に一時帰国するたびに、預金の振り込みや引出しの手数料の高さには驚くを通り越えて閉口する。

  • 今週はここまで台湾の割安なモノを紹介して来たが、社会基盤を支えるものが安いのは、政府の政策によって法律で守られている場合も多く、安い外食産業を支えているのは、小規模な家族経営の店が多く、またアルバイトなどの人件費が安いといった事情もあるだろう。このシリーズの後半の来週は、反対に台湾の割高なモノについて紹介、考察していきたいと思う。

  • 本日のお別れの曲は、王彩樺さんの歌で『保庇(ご加護を)』をOA(3:44)。この曲は韓国の6人組のユニットT-ARA(티아라、ティアラ)が歌った『Bo Peep Bo Peep』が原曲。ティアラは王冠のことで、歌謡界のトップになって王冠を戴くという意味が込められている。また曲名の『Bo Peep Bo Peep』は、英語で赤ちゃんをあやす時に発する言葉「いないいないばあ」のこと。この繰り返されるフレーズでタイトルにもなっている「Bo Peep」が、空耳で台湾語の「庇護」を表す言葉「保庇(Bobi)」と聞こえたことが、この台湾語バージョン製作のきっかけになった。

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