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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」) - 2023-12-31-2023年を振り返って:台湾今年の10大ニュース

  • 31 December, 2023
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<第1セクション【台湾今年の10大ニュース(7〜10位)】>

  • 今日は大晦日。昭和生まれの私にとっては、この日は家族が一堂に会し、紅白歌合戦を見ながらこたつで鍋を突いてから、年越し蕎麦をいただき、除夜の鐘とともに新年を迎える準備をする、今でもそんなイメージ。しかし、台湾で暮らすようになってからは、毎年カウントダウンコンサートに出演したり、台北101の花火を遠目に見学したりすることが、大晦日の風物詩となった。今年も今晩の10時半から八得力樂團では、大稻埕埠頭の広場でカウントダウンコンサートに出演することになっている。ファンの皆さんたちと2024年を迎える瞬間を共有できるのが何よりの楽しみだ。

  • さて、大晦日の本日は台湾の国営の通信社である中央通迅社が12月21日に発表した「2023台灣10大新聞」(https://www.cna.com.tw/news/ahel/202312210036.aspx)を紹介しながら、今年の台湾社会の足跡を振り返ってみたい。まず10位のニュースから。第10位にランクインしたのは、3月26日に発表されたホンジュラスとの国交断交だ。台湾は中米のホンジュラスとは82年間外交関係を保ってきたが、これで台湾が国交を結んでいる国はグアテマラ、パラグアイ共和国、ベリーズ、ハイチ共和国、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、エスワティニ王国、バチカン市国、ツバル、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国、ナウル共和国の13か国のみとなった。残念ながら中国の外交圧力による台湾包囲網が一層進んだ形となった。

  • 第9位は杭州アジア大会での活躍。台湾チームは、金メダル19、銀メダル20、銅メダル28を獲得し、参加チーム全体で第6位の好成績を収めた。金メダルの数は1998年バンコクアジア大会と同数。中でもローラースケートは金メダル7個を獲得するなど圧倒的強さを放った。また、2021年の東京オリンピックの柔道60キロ級で銀メダルを獲得し、台湾では「柔道男神」と呼ばれている楊勇緯さんが金メダルを獲得したのは明るいニュースとなった。

  • 続いて第8位。この地域の政治的緊張の高まりを受け、台湾の半導体製造の最大手メーカーである「台積電/TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、グローバル化をさらに推し進め、2025年にアメリカのアリゾナ州に工場を立ち上げるほか、2024年末までには日本での増産を図るため、熊本に第2工場を建設するかどうかの検討に入った。また、ドイツのドレスデンの工場への投資を決め、ヨーロッパのサプライチェーンの確立をも狙っている。TSMCの熊本誘致は地域の雇用創出や日台関係の緊密化の文脈から、日本でも歓迎すべきこととして大きなニュースとなっている。

  • 続いて第7位。蔡英文総統がアメリカ西海岸時間の4月5日に、アメリカの当時のケビン・マッカーシー下院議長とカリフォルニア州レーガン大統領記念図書館で会見。 1979年にアメリカと断交して以来、中華民国総統としては最上位クラスとの会見となった。マッカーシー前下院議長はこの会談で台湾への継続的な武器売却を約束したが、この会談後直ぐに、中国共産党軍は台湾海峡周辺で大規模な軍事演習を行い、情勢が緊迫した。ちなみにマッカーシー下院議長は、この10月3日に共和党内部からの解任動議を受けて投票の結果、216票対210票の僅差で解任された。下院議長の任期内の解任は、アメリカ合衆国建国以来、初めての事態となった。

  • ここで今年の台湾の金曲奨で「年間最優秀アルバム賞」を受賞した蘇打綠(ソーダグリーン)のボーカルでもある吳青峰さんのソロアルバム『馬拉美的星期二(Mallarme’s Tuesday)』から『醉鬼阿Q(酔っ払いの阿Q)』をOA。アルバムタイトルのマラルメは19世紀に活躍したフランス象徴派の詩人の名から取ったもの。マラルメは毎週火曜日に自宅で文化サロンを開催していた。ここからインスピレーションを得て、このアルバムではこれからOAする『醉鬼阿Q(酔っ払いの阿Q)』には孫燕姿(ステファニー・スン)さんをボーカルに迎えたほか、小野リサさんや林嘉欣(カリーナ・ラム)さんをはじめ、1曲ごとに国際色豊かな多彩なアーティストとのコラボを行い、音楽の多面的な文化サロンを体現している。

 

<第2セクション【台湾今年の10大ニュース(3〜6位)】>

  • 続いて第6位。屏東県の屏東科学技術産業園区の明揚国際科学技術社で9月22日の夜に火災が発生、10人が死亡、109人が負傷するという大惨事となった。死者のうち4名が消防士の殉職だった。消防士にこれだけの殉職者が出てしまったのは、過去4番目に多い事例となってしまった。謹んでご冥福を祈りたい。

  • 第5位は1年間の兵役が2024年1月1日から復活。兵役時には実弾射撃演習、接近戦格闘訓練も組み込まれるほか、初めて女性の予備役軍人も志願制で募集し、合格者には訓練を授けることとなった。近年の台湾海峡を挟んだ緊張感はこうした形でも見て取ることができるが、一時期は4か月まで短縮された兵役も1年に延長することとなり、蔡英文総統は「自分の国は自分で守る」との檄を飛ばしている。一方、兵役の対象となっている青年層には動揺も見られ、今後の政局や来年早々の総統選挙と立法委員選挙の行方にも、少なからず影響が出る可能性について言及する専門家もいる。

  • 第4位はこれも軍事がらみとなるが、台湾初の国産の潜水艦「海鯤号(鯤は想像上の大魚。北の海に住み、大きさは数千里にも及ぶという)」が、9月28日に蔡英文総統が自ら指揮を執る中で進水式を行った。海鯤号は引き続き一連の測定を終えてから2024年末までに海軍に引き渡される予定。

  • 第3位は「台湾の卵の乱」。台湾では今年の2月から卵の供給が需要に追いつかず、スーパーの棚から卵が消えるという事態が続いた。輸入卵の解禁により、事態は少し改善が見られたものの、賞味期限切れの輸入卵が出回ったことで、今度はその廃棄処分の問題が起こった。最終的には陳吉仲農業部長が9月19日に辞任に追い込まれる事態にまで発展した。これには消費者の一人として私も大変困った。我が家の貴重なタンパク源が確保できず、コンビニからも「茶葉蛋」が消え、真空パックの煮卵が主力商品だった南部のメーカーも製品を煮卵の「滷蛋」から押し豆腐の煮物「滷豆乾」に変更するなどの措置が取られるなど、半年ほど混乱が続いた。

  • ここで洪佩瑜さんの『不在一起就不會分開(Anyting But)』をOA。この曲を作曲した徐佳瑩は今年の金曲奨「最優秀作曲者賞」を受賞。この曲が収録されたアルバム『明室(Silver Lining)』洪佩瑜さんも、金曲奨『最優秀新人賞』を受賞した。

 

<第3セクション【台湾今年の10大ニュース(1〜2位)】>

  • 第2位は台湾版「Me Too」事件の広がり。5月に与党民進党の職場内のセクハラ事件が発覚した後、この問題はスポーツ、芸能、芸術、政治、キャンパス、メディア等の各界に波及し、次々と事件が明るみに出た。立法院では7月に3回の修正を経て「性の平等に関する三つの法案」を可決、未成年の先生と学生の恋愛を禁止するとともに、権力をかざしたセクハラには厳罰が課せられることとなった。私の知人にもセクハラを受けた人も、セクハラをしたと指摘された人もいる。一つだけはっきりと言えることは、自分の言動を相手がどう感じるかということに想像力を働かせること、そして時代とともに変遷する価値観の更新を怠らない努力をすることが、全ての人に求められるのではないだろうか。今回の一連の事件で、反省すべきところは反省し、台湾の社会全体がより良い方向に進んでいくことを願ってやまない。

  • そして、2023年の台湾のニュースで第1位となったトピックは、「藍白破局」。すなわち、野党中国国民党と台湾民衆等の来年1月の総統選候補者の一本化が、二転三転した上で失敗に終わり、鴻海(Foxconn)グループの創始者の郭台銘氏が総統選から退き、最終的に総統・副総統候補は、民進党が「賴清德・蕭美琴」の両氏、国民党が「侯友宜・趙少康」の両氏、民衆党が「柯文哲・吳欣盈」の両氏で確定し、三つ巴で争われることとなった。候補者選びの確定がここまでずれ込むのは前代未聞だった。

  • 本日はここまで台湾の今年の10大ニュースをお伝えして来たが、いかがだっただろうか。来年は一つでも心温まるような、ワクワクするようなニュースがトップに来てくれることを願わずにはいられない。本日のお別れの曲は、今年の台湾の金曲奨で「年間歌曲賞」を受賞した安溥(アンプー)さんの『最好的時光(最高の時)』をOA。安溥さんは、張懸の名前で2007年に発表した『寶貝』が大ヒットしたことが今でも強烈に印象に残っている。ここ10年ほどは音楽の世界では目立った活動をあまりしてこなかったが、2015年から張懸という芸名に別れを告げ、本名のファーストネームである安溥として活動を再開。『最好的時光』は安溥として再起動した彼女にとって、まさに最高の時をもたらしてくれた1曲となった。

  • 2024年が皆さんにとって健康で安全で最高の時となりますように!

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