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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)台湾散策:高雄美濃の郷から - 2023-04-16

  • 16 April, 2023
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馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)
「撮影が順調に進みますように」の文字が書かれた台湾鯛の塩釜
馬場克樹の「とっても台湾」(爸爸桑的「非常台灣」)

<第1セクション【高雄の美濃は自然豊かな客家の郷】>

  • 私は3月12日~4月15日までの1か月間、台湾の公視テレビのドラマの撮影で、ほとんどの時間を高雄で過ごした。3月22日の撮影のオフ日に高雄に在住の友人の湯茗富さんご夫妻の案内で高雄の郊外の美濃を散策。同じ地名の日本の岐阜県の美濃市とは2012年に友好協定を締結。美濃は自然が豊かで農業が盛んな美しい郷。私が最初にここを訪れたのは、8年前の旧正月のこと。その時は、花畑に一面のコスモスが咲いていたのが印象的だった。毎年冬に花祭りが開催されていて、コスモスのほか、ひまわりや百日草が咲き誇る姿も見られ、多くの観光客が来訪。日本では夏に咲くひまわりや秋に咲くコスモスが、冬に見られるのは何とも不思議な光景。

  • 今回美濃を訪れて特に印象的だったのは、あちこちで枝豆が植えられていたこと。ちょうど2月〜4月が枝豆の収穫期。2017年の統計では、日本が輸入した枝豆のうち45%が台湾産で、最大の産地が屏東県、次いで美濃のある高雄市とのこと。枝豆が植えられているのはほとんどが日本統治時代から続く台湾製糖の農地。枝豆という意外なところで、日本と美濃の繋がりを知ることができた。

  • そして、美濃といえば、台湾客家を代表するシンガーソングライター林生祥さんの故郷。林さんのバンド「生祥樂隊」は日本人ミュージシャン、ギタリストの大竹研さん、ベーシストの早川徹さん、ドラマーの福島紀明さんもサポート。林生祥さん率いる「生祥樂隊」の演奏で『毛豆之歌 Edamame 』をOA。

 

<第2セクション【本場の客家料理と内陸で養殖された「台湾鯛」の塩釜】>

  • 昼時になり、湯さんの案内で「里長の台湾鯛」という客家料理のレストランに。「里長」というのは、日本で言うところの「町内会長」。こちらでは選挙で選ばれる公職。地元の世話役として奔走する里長の名が店名についているのは、こちらのオーナーのお父さんがかつてこの地区の里長だったから。美濃は全く海に面していない地域だが、このレストランに隣接する場所で「台湾鯛」と呼ばれるティラピアの改良種を養殖していることから「里長の台湾鯛」という店名になった由。「台湾鯛」は「いずみ鯛」の商品名でも流通している台湾では最もポピュラーな魚の一つ。

  • ここの名物は、その産地直送(養殖池から歩いて30秒で到着する距離)の新鮮な「台湾鯛」を使った一品「塩釜」。塩釜は日本料理にもある手法で、大量の塩と卵白で魚を包みオーブンで蒸し焼きにした料理。しばらくすると、「台湾鯛」の塩釜が食卓に。丸ごと1匹コーティングされカチカチに焼き上げられた塩釜の表面には、卵黄で書いた文字で、何と「拍攝順利」の文字が浮き上がっている。これは「撮影が順調に運びますように」という意味。ドラマの撮影に来ている私への湯さんの粋な計らいに大感激!

  • この塩釜の料理はこちらでは「敲敲好運」と名付けられています。「敲」とはコンコンと叩くこと。木槌を使って表面の塩釜を叩き割り、幸運ともに中から「台湾鯛」が登場するという趣向。ふっくらとした白身は全くクセがなく、ほのかな塩加減がとてもいい塩梅で、湯さんの心遣いも嬉しく、ほんとうに美味しい一品だった。

  • もう一つここでご紹介したい料理は「客家小炒」という台湾客家のおふくろの味、家庭料理の定番中の定番の一品。ご飯のお供にもビールのつまみにも最高の料理で、通常は「豆干(押し豆腐)」、スルメ、豚肉の細切りに、葉ニンニクや台湾セロリなどと一緒に炒められるのが一般的。しかし、ここでは花韮が使われていて、あっさり目の味付けに、花韮のシャキッとしながらも柔らかい食感とほのかな風味も加わって、今まで私が台湾で食べた「客家小炒」の中でも、間違いなくトップクラスに入る美味しさ。それもそのはず、こちらの「客家小炒め」は、台湾南部の「客家小炒」コンテストで準優勝を獲得している逸品だった。

  • 生祥樂隊の『有無』をOA。この曲は2017年の台湾映画『大佛普拉斯(大仏プラス)』の主題歌で金馬奨国際映画祭の最優秀オリジナル映画主題歌賞を受賞した作品。

 

<第3セクション【三合院の猫カフェ】>

  • 湯さんはもう1か所とっておきの場所を案内してくれた。台湾客家の伝統的な住宅様式である「三合院」の一角にある「咕便所咖啡(Kuokuoyi Cafe)」。オーナーさんのお婆さんの住んでいる三合院を間借りしたカフェ。カウンターのお洒落で落ち着いた室内空間と目の前に広大な田野が広がる屋外の空間の両方を楽しむことが可能。店主選りすぐりのコーヒーはもちろん、美濃で採れた米粉と苺を使ったシフォンケーキも甘さ控えめの軽めの生地、満腹のお腹にもスルッと収まる。

  • そして、ここには3匹の人懐っこい猫が。生後4か月のこの猫たちはきょうだいで、人見知りすることなく、私の膝にも乗って来た。残念ながらこに猫たちの母親は野犬に噛み殺されてしまった由。だからこそ私にも甘えて来たのかもしれない。台湾客家の伝統的な建物や緑豊かな美濃の美しい景色とも相まって、とても緩やかに時間が流れていくのを感じた。

  • 今月の歌でこの番組の主題歌『Promised Land』でお別れ。

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