来週の木曜日(12/22)は二十四節気の一つ「冬至」─。
1年でいちばん“昼の時間”が短く、“夜の時間”が長い日です。
「冬至」は天文学的にいうと、太陽の黄経が270度に達する日で、太陽が一番南にある状態。そのため、北半球では1年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日を意味します。
そんな「冬至」は、二十四節気の中で最も重要な節気とされています。
というのも、「冬至」は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に“昼の時間”が段々と長くなっていき、“陰陽”の“陽”のエネルギーが上昇し始めるとされ、昔の人たちにとってこの「冬至」とは“新年”と同じように重要だったようです。
日本では、「冬至」には、「ん」の付くものを食べると“運がつく”と言われていることから、うどんやレンコン、ニンジン、銀杏、南瓜(なんきん=カボチャ)などを食べたり、湯船にゆずを浮かべて「ゆず湯」に入ったりしますよね。
では台湾で「冬至」と言えば、何を思い浮かべるかというと、「湯圓(タンユエン)」。
これは、白玉団子のようなお団子を砂糖水やお汁粉のようなあんこ、「花生湯」というピーナッツの甘煮などの甘い汁に入れて食べるものなんですが、「冬至」には家族みんなでこの「湯圓」を食べるという習慣があります。
私も台湾に住み始めて最初の年の「冬至」は、語学学校で先生が“文化体験”として授業の中で「湯圓」を作ってくれてみんなで食べました。
甘い汁の作り方も家庭によって違ったりするそうなんですが、その時は、先生がスタンダードな砂糖水にしょうがを入れると美味しい!と言って作ってくれましたよ。
また、「湯圓」も、紅白の小さいものと、中にゴマペーストやピーナッツペーストの餡が入った大きいものがありました。
元々、伝統的な「湯圓」といえば、白とピンク、紅白の2色の小さめのお団子なんだそうですが、なぜ紅白なのかというと、「冬至」は昼と夜の長さが逆転する日ということで、紅白の「湯圓」は「陰」と「陽」の入れ替わりを象徴しているんだそうです。
また、諸説ありますが、赤い団子は「金」を、白い団子は「銀」を象徴し、2つの団子をペアで食べると良縁を引き寄せるとされているそうです。
ですので、逆に奇数個を食べると「取り残される」、つまり独身の可能性が高まるのでタブーとされているんですよ。
ちなみに現在では、伝統的な紅白のシンプルな「湯圓」だけでなく、ちょっと大きめのお団子の中にゴマペーストやピーナッツペーストの餡が入った「湯圓」もスタンダードになっていますし、この他にも最近は、“抹茶ペースト”や、“イチゴペースト”、“チョコレート”、“黒糖ミルクティー”などの餡が入った“変わり種「湯圓」”なども登場しています。
また、甘い「湯圓」ではなく、お肉の餡が詰まったものもあります。お肉の餡の「湯圓」の場合は、砂糖入りのお湯ではなく、スープを作って、主食、またはおかずとして食べていますよ。
ところで、なぜ「冬至」に「湯圓」を食べるようになったのかというと、一般には「湯圓」は“一家だんらんの象徴”とされているから…と言われますが、ではなぜ「湯圓」が“一家だんらんの象徴”となったのかというと…
はるか昔、その年は特別寒い冬で、多くの貧しい人々が生きていくのがやっとでした。そんな中、1組の夫婦が女の子を連れて街にやってきます。街に来れば、心ある人たちから食べ物を分けてもらえて、冬を凌げるのではないかと願っていました。
しかし、残念ながら母親は餓死してしまいました。
食べるものが無いだけでなく、母親を埋葬するお金もありません。
そこで、親孝行な娘は、自身をお金持ちの家に奉公人として売ることで、母親を埋葬するためのお金を手にしました。さらにはご主人に、父親にもち米を丸めた団子を食べさせたい、父親のお腹を満たして温めてあげたいとお願いしました。
その後、父親と離れ離れになり会えなくなってしまった娘は、「冬至」の日になると、そっともち米を丸めた団子を門に貼りつけて、父親がそれを見て、一緒に食べたお団子のことを思い出して、懐かしんで欲しいと願ったんだそうです。
そのような物語から、「湯圓」が“一家だんらんの象徴”となり、「冬至」には家族みんなで「湯圓」を食べて過ごすという習慣になったんだそうです。
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ちなみに、「冬至」の日にはよく年長者から、「湯圓を1つ食べると1つ歳をとる」と言われますが、これは、古くは周の時代から漢の時代の初期、その当時の「年度」における1年の開始、つまり「新年」はこの「冬至」とされていて、「冬至」には「添歳」と呼ばれる、年を重ねる儀式を行っていたことから、後に、詩人の陸游が作品の中で、「吃盡冬至飯便添一歲(冬至の食事をすれば一つ年を取る)」という表現をしたことで、「冬至大如年(冬至は正月と同じように重要)」という諺になっていきました。それが、「湯圓を1つ食べると1つ歳をとる」という観念につながっていったというわけです。
でも「湯圓」を1杯ではなく“1つ食べるごと”に1つ歳をとってしまったら、私は毎年すごい勢いで歳をとってしまうことになります(苦笑)。
まぁ、これは言い伝えの一つで、台湾のみんなも気にせずパクパク食べているので、私も安心して食べています。
「冬至」が近くなってくると、「湯圓」のお店にも行列ができますし、スーパーやコンビニの冷凍コーナーでは、普段から「湯圓」を売っているんですが、この時期になると棚を占める量や種類がぐっと増えます!
「冬至」の頃に台湾を訪れる機会があれば、できれば友達などと一緒に集まって、伝統的なスタイルの「湯圓」から、変わり種の「湯圓」まで、ワイワイと楽しみつつ、台湾スタイルの「冬至」の過ごし方を楽しんでみてくださいね。
Rti 台湾国際放送
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