台湾には様々な言語や文化を持った複数の民族集団が暮らしていて、大きく分けて4つのグループから構成されています。
その4つのグループとは、1600年代初頭に台湾に渡ってきた「閩南人」、明朝末期から清朝初期にかけて台湾に渡ってきた「客家人」、第二次世界大戦後に国民政府と共に台湾に渡ってきた「外省人」、そして漢民族が台湾に移り住む前から台湾で暮らしていた「原住民」の4つです。
そのうち「原住民」は、現在、政府が認定しているだけでも16の異なる民族があって、それぞれの民族の間で独自の言語が話されていますし、民族間で生活習慣や文化も異なります。
そして近年、その原住民族のアイデンティティの高まりがみられ、それぞれの言葉や文化を保護し、伝承する取り組みが積極的に行われていますが、先日、日本の文部科学省に類似する文化部が初めて、台湾原住民族のセデック族とカバラン族それぞれの代表と「傳統智慧創作權(伝統的な知恵と創造に関する権利)」のライセンス契約を結びました。
これによって、台湾のファッションデザイナーと原住民族の人間国宝とが協力して、原住民族の伝統的な図案などを取り込み、国際的なファッションのステージに持ち込む機会を提供します。
台湾の各原住民族の伝統的な衣装を見ると、それぞれに独自の図案があって、例えば、今回ライセンス契約を結んだセデック族は、菱形の模様がいくつも浮き出るように織られた織物などが特徴です。そのように、その図案から何族なのかがわかるといった部族の芸術表現を表しています。
文化部と文化資産局、そして原住民族委員会は今年、合同で「台北時裝週SS23(台北ファッションウィークSS23)」と11月には「潮台南時尚跨界(Chic Tainan)」ファッションイベント特別展を開催しますが、そこで、5組の“人間国宝”と呼ばれる「重要傳統藝術暨文化資產保存者(重要伝統芸術および文化資産保存者)」とファンションデザイナーのコラボレーションを推進して、原住民族の伝統技術の要素をファッションに取り込んで文化的特性のある作品を製作し打ち出します。
その中でも、「賽德克族傳統被蓋織紋(セデック族の伝統的なキルト織物)」、「賽德克族傳統經挑織紋(セデック族の伝統的な経挑技法による織物)」、そして「噶瑪蘭族香蕉絲織布工藝(カバラン族のバナナシルクの織物)」といった特殊な図案の織り方と技術を「傳統智慧創作權(伝統的な知恵と創造に関する権利)」のライセンス契約を結ぶことで権利を保護しました。
セデック族議会の吳永昌・代表によりますと、これまで、原住民族に関する有形無形の図案の要素はよく他者によって無差別に、あるいは恣意的に使用されていたが、ここ数年「原住民族傳統智慧創作保護條例(原住民族の伝統的な知恵と創造の保護に関する条例)」ができたことで、外部が原住民族の文化的特徴や知恵について注目し始めた。文化部がこのようなライセンス契約を結んだことはとてもいい規範となると話しています。
また、花蓮カバラン族発展協会の潘朝成・理事長も、文化部が原住民族の主体性を尊重していることを喜んでいるとし、ファッションのステージを通じて、千数百年に渡る原住民族の伝統的な知恵と文化資産を理解することができる重要なプラットフォームとなるだろうと話しています。
文化部が今回行ったライセンス契約は、台湾の原住民族の伝統や文化を国際的な舞台に打ち出していく一方で、その権利を守るための取り組みであって、これによってそれぞれの原住民族が、それぞれの伝統や文化を守りながら、安心して世界に発信していくことができるようになることが期待されますし、これをきっかけに、台湾独自の貴重な文化として各原住民族の文化が世界のより多くの人々に知られるようになっていくかもしれませんね。
Rti 台湾国際放送
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