日本はこの週末からお盆休みに入るようですね。昨日(8/11)が「山の日」で祝日だったので、中には今日(8/12)に有休をとって、6連休にしている人もいるのではないでしょうか。このお盆休み中は、実家に帰省をしたり、ご先祖様の霊をお迎えする家も多いと思います。
民間行事は旧暦で行われている台湾も今はちょうどお盆月「鬼月」で、今年は今日(8/12)が旧暦の7月15日の「中元節」にあたります。
そのため、今日は台湾ではあちらこちらで「中元普渡」と呼ばれる“中元節の法要”が行われています。
先日、この文化の台湾の時間に「鬼月」の“鬼門”が開くときの“拜拜(お祈り)”についてご紹介しましたが、「鬼月」の中でも最も重要な“拜拜”がこの旧暦の7月15日の「中元普渡(中元節の法要)」です。
そもそも、この台湾の「鬼月」とは、道教の「中元節」と、日本でもお盆の由来とされている仏教の「盂蘭盆会」が融合し、そこに民間信仰が合わさって、新たな民間行事として広まったとされています。
「中元節」とは、元々は道教のいい方で、道教の三帝(つまり3人の神様)のうちの一人、地界の神様である「地官大帝」の誕生日のこと。
「地官大帝」は万物の加護と男女の功罪を吟味する神様のため、この「地官大帝」の誕生日である旧暦の7月15日に「地官大帝」を祀る儀式を行い、日々知らず知らずのうちに積み重ねてきた小さな過ちを許してもらえるようお祈りをしていました。
一方、仏教の「盂蘭盆会」とは、釈迦の十大弟子の一人、目連が、母を救う話に由来しています。
目連が修行によって得た力で亡くなった母親が死後の世界でどのようにして過ごしているか見に行ったところ、地獄で苦しんでいるのを目にし、どうしたら母親を救えるのかお釈迦さまに相談したところ、夏の修業が終わった僧侶を旧暦の7月15日に招き、たくさんの食べ物を備えて供養すれば救うことができると言われたことから、その教えの通りにしたところ、その功徳によって母親は救われました。
これ以来、旧暦の7月15日にはたくさんのお供え物をして、先祖や亡くなった人たちが苦しむことなく成仏してくれるように供養をしていました。
そのような2つの行事が合わさり、さらには民間信仰の「旧暦7月1日に“鬼門”が開く」という伝説が加わって、現在の台湾の「中元節」となっています。
そのため、この旧暦の7月15日は神様、ご先祖様、土地神様、そして“好兄弟”と呼ばれる無縁仏へ「拜拜」します。
しかも、神様とご先祖様へは日中に「拜拜」するのがいいとされていて、“好兄弟”へは夕方、日が沈む前に「拜拜」するのがいいとされています。
そして、土地神様への「拜拜」は特に時間は決まっていないのですが、地域や家庭によって、“好兄弟”より先がいいというところもあれば、後の方がいいというところもあるので、その地域や家の習慣にあわせて、先がいいというところは日中に、後がいいというところは夕方に「拜拜」を行います。
…中々、忙しいですね。
そこで、忙しい現代では、一度に全ての「拜拜」をまとめて行う「一案式」というスタイルをとるところが多いそうです。
この「一案式」で法要を行う場合は、昼過ぎから夕方の日が落ちる前までに行います。そのため、午後13時から午後17時の間に行うところが多いようです。
確かに、私もこれまで参加した職場の「中元普渡(中元節の法要)」は、お昼休みが終わった後、14時ごろから「拜拜」をしていました。
「中元節」の午後13時から午後17時頃に街を歩くと、いたるところで「拜拜」の様子が見られると思いますよ。
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なお、「中元普渡(中元節の法要)」のお供え物には、「三牲」と呼ばれる、鶏、豚、魚のお供え物、旬の果物、リンゴ、ミカン、金柑、そして台湾の伝統的なピンク色した亀の甲羅の模様をしたお餅 “紅龜粿”といった縁起の良い食べ物、またお米や、麺、お菓子、ジュース、カップラーメンなどが並びます。ポイントは“豊富”に準備することなんだそうです。
ちなみに、法要では“好兄弟”たちのそれぞれの好みを満足させないといけないということから、お供え物は完全な形で用意する必要があるそうです。
そのため、魚や鶏、豚が丸ごとお供えされています。
魚は見慣れていますが、鶏や特に豚の丸ごと…というのは、日本人はあまり見る機会がないので、びっくりするかもしれませんね。
ただ、台湾の暑い夏、傷んでしまうのを防ぐためや、家庭での「拜拜」の場合、現代は家族の人数が減っていることから、丸ごとだと「拜拜」の後、食べきれないということで、最近では、形を似せて作った蒸しケーキや、卵を準備して丸ごとの鶏の替わりとしたり、ソーセージと豚足といった加工食品で必用な部位をそろえて替わりとしたり、生の魚の替わりに干物を備えたりしている場合もあります。
また、お供え物の果物は、旬であれば何でもいいというわけではありません。タブーがあります。
バナナ、李、梨の3種類の果物を組み合わせると、台湾最大の方言である台湾語の「招你來(あなたをお迎えします)」と同じ発音になることから、“好兄弟”たちが集まってしまうのを怖がり、避ける人が多いそうです。
また、パイナップルは台湾語の発音から「幸運を招く」果物と言われていますが、人によっては“好兄弟”たちをいっぱい招いてしまうことを恐れて避ける人も少なくないそうです。
(“好兄弟”たちに敬意を払ってお供え物をして「拜拜」しますが、やっぱり集まられるのは怖いんですね…。)
日本のお盆は、ご先祖様の霊を迎えるのがメインですが、台湾の「中元節」では、様々な習慣が交わって、神様、ご先祖様、土地神様、そして“好兄弟”と呼ばれる無縁仏…と、神様から霊まで、みんなに「拜拜」をします。
「中元節」のタイミングで台湾を訪れる機会があれば、ぜひ街に出て「拜拜」の様子を見てみてくださいね。
Rti 台湾国際放送
Rti 台湾国際放送 
